【PUSH Artist】milet - inside you
とんでもないアーティストが出てきた。
個人的にはAimer以来、1年に1度出会うか出会わないかくらいの衝撃だった。
milet - inside you
今日はこの曲について考えたい。
◆ プロフィール
彼女は現状、謎が多いアーティストだ。
公式サイトのインフォメーションを見てみよう。
ハスキーかつ重厚感のある独特の唄声と、グローバルな存在感を放つソングライティングを兼ね揃えた女性シンガーソングライター。思春期をカナダで過ごし、現在は東京都内に在住。2018年より本格的に音楽活動をスタート。2018年10月には、パリ、NY、ソウルをはじめ世界各国で開催されたイヴ・サンローランのグローバルイベント「YSL BEAUTY HOTEL」の東京・表参道ヒルズ会場にて、イヴ・サンローラン・ボーテがピックアップするアップカミングなアーティストとして大抜擢、ライブ出演を果たす。(引用元:シンガーソングライター milet(ミレイ) Official Web Site)
公式サイトにもこれくらいしか情報が載っていない。
年齢やデビューに至るまでの経緯など、何も明かされていないのだ
思春期をカナダで過ごし、現在は東京都内に在住。(引用元:シンガーソングライター milet(ミレイ) Official Web Site)
英語の発音が良いのは、ここに起因しているのだろう。
歌詞の中に英語が入っていても違和感なく入ってくるし、なによりも曲のストーリー性に合った言葉が選択されている。
外側のカッコよさだけを見た、意味の合わない英語を並べるそこら辺のアーティストとは本質が違う。
少し話が逸れたが、「謎」が彼女の魅力の1つであることは間違いない。
心理学にこんな話がある。
人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えている。(引用元:ツァイガルニク効果 - Wikipedia)
もう少し日常に落とし込んで言い換えてみると
・告白してフラれた恋よりも、告白できずあきらめた恋。
のような「やらない後悔より、やる後悔」的なニュアンスの話である。
これをツァイガルニク効果という。
Aimer、MAN WITH A MITTION、GReeeeNなども同じカテゴリであろう。
人は本能的に「分からないものを知りたがる」生き物らしい。
素晴らしい才能を、より素晴らしく見せる販売戦略も素晴らしい。
さすが、ソニーミュージック(SME Records所属)。
もちろん全てのアーティストに当てはまるわけではないので、その人の雰囲気や魅力付けを見誤らなかったところに妙がある。
◆ 特徴
ハスキーかつ重厚感のある独特の唄声と、グローバルな存在感を放つソングライティングを兼ね揃えた女性シンガーソングライター。(引用元:シンガーソングライター milet(ミレイ) Official Web Site)
プロの評価も軒並み同じような感じである。
一般のお客さんはどうだろうか。
ドラマで聞いた時から鳥肌止まらんくて即ググったんだけど。みんなそんな感じだよね。日本語の歌詞で驚いたけど日本の歌手だと思わなかった。(引用元:YouTube)
これは洋楽っぽい感じでかっこいいですね。昔のAvril LavigneとかMichelle Branchみたいな。久しく出てなかった存在感のあるシンガーて感じで好きになりました。アイドル、ダンス系、等身大な歌詞にうんざりしてたので、これからは少しシリアスで少し背伸びした歌手が出てくるのに期待してます!(引用元:YouTube)
ちょっと衝撃をうけました。一発でファンになりました。クソかっこいい。(引用元:YouTube)
今期タームで1番のテーマソングかな。オープニングで少ししか流れないのに初めて聞いた時から物凄く惹かれた。(引用元:YouTube)
いつもはYouTubeのcmうざいけど、この曲を教えてくれたのはありがとう(引用元:YouTube)
youtubeの広告で流れてる曲って大体スキップしちゃうんだけどこれは思わず聞き入ってしまったわ。歌上手いのいいんだけど、なにより曲調とpvがオシャレすぎる。(引用元:YouTube)
全てがサビなのかってくらい聞き応えあるんだなぁ(引用元:YouTube)
こんな美しい顔から破壊力抜群の歌声が出てくるとかヤベェ(語彙力低下不可避)(引用元:YouTube)
PVよりもインスタの写真を見ると、かなり幼さすら感じられる。いったいこの人は何歳なのでしょう? この容姿でこの歌声… そして突然現れた謎めいた存在 興味が湧かないわけがない…(引用元:YouTube)
ONE OK ROCK にも通ずるエモーショナルな楽曲だと思ったらONE OK ROCK のGtのTORUがプロデュースしてたから納得(引用元:YouTube)
少しだけ整理をしてみると
・洋楽の雰囲気。日本人らしくない歌声と歌い方、曲調。
・少し聴いただけで感動させてしまう特徴ある歌声。
・容姿の良さ。さらにいえば容姿と歌声のギャップ。
・有名バンドの後押しがある
このあたりが魅力だと思われる。
昨今のアイドルブームで、日本の音楽チャートに変わり映えがない状況において、日本人の中に無意識的に「良い音楽(個性のある筋が通った音楽)=海外のもの」という方程式ができてしまっていたのではないだろうか。
ゆえに、パッと聞いて「あ、本物だ」と感じた瞬間、ほぼ同時に「海外のもの」という意識が入ってします。
ところが、歌詞が日本語で「え、日本人なの?」という第一弾のギャップにやられる。
さらに、もっと聴こうと思ってYouTubeなどでMVを調べると、ハスキーで重厚な歌声からは想像できない可愛らしい容姿の女性が力強く歌っている。これが第二弾のギャップ。
「なんなんだこの子は」と思い、「もっと知りたくなる」がネット上にあまり情報が載っていない。だからツイッターやインスタなど本人のSNSを少し覗いてみる気が起きる。
するとそこには、見た目とはまた異なる、ちょっと根暗そうで、色々と思考を巡らせてしまうネガティブシンキングタイプのような彼女の投稿が待ち構えており、実体をつかめなかっただけに親近感が増す。
こうして「もっと知りたい」という欲が増幅され、我々のような顧客はロイヤルカスタマー化していくのではないか。
(現に私は、気になりすぎてライヴに行こうと思っているくらいだ。しかもそのライヴが昨日だったことのショックから、出演が決まったロッキンへの参戦も検討する羽目になった)
うん、うまい。
ソニーミュージックの販売戦略がうまい。
アーティストの特性を熟考し、ちゃんと戦略にストーリーがある。
いや、もちろん販売戦略もすごいが、本人の類まれな才能があってこそ成り立つものであるというのは外せない。
素晴らしい。
関わっているすべての人が素晴らしい。
自分が出し得るバリューを存分に発揮している。
逆に言えば、それだけ自信があるからドラマのタイアップも組むし、YouTubeやインスタの広告もガッツリ出していたのだろう。すべてがハマっている。
次の曲自体も非常に興味があるし、ライヴパフォーマンスも興味がある。
そして、どう売り出されていくのか、エンタメマーケターとしてはそこにも興味が湧いて仕方がない。
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