#12 技術としての喉声「Poppy」
今日の1曲
Poppy - moshi moshi
¶ 日本らしさを巧みに取り入れた
おそらく
日本が好きなのであろう。
アメリカのテネシー州で生まれたPoppy(22歳)。
本名を
Moriah Rose Pereiraという新鋭は
現代の寵児だ。
YouTubeやVINEなどで人気を博し
若い世代の憧れの的になっている。
少しPerfumeにも似た曲調は
エレクトロポップというジャンルだ。
洋楽なのに
どこか懐かしく
馴染みやすいのは
曲の節々にJ-POPの要素が盛り込まれているからであろう。
以前
BAD HOPを紹介した際に
海外にルーツを持つ音楽に
そのまま自国の要素を入れ込んでもダサいだけ
という解説をしたが
彼女の場合もそれが当てはまる。
洋楽のサウンドで
日本的な表現を行うと
聴くに堪えない中途半端なものに
仕上がりがちだが
彼女はしっかりと適切な変化をさせた。
普段の曲調は
アメリカのポップ要素が強いが
この曲だけは上手く邦楽の良さを盛り込んでいる。
邦楽に寄せた、といった印象だ。
¶ 喉の奥を力ませる
彼女の発声の特徴は
高音時に現れる。
しっかりとした腹式呼吸。
そこから生んだ振動を
敢えて喉の奥に当てているような歌い方をする。
この発声は
喉にかける負担が大きく
良いとされている歌い方ではない。
いわゆる喉声だ。
しかし
彼女の場合は
普段から喉声で歌っているわけではなく
高音時、しかも
1小節のなかの単音だけ
その発声を行っている。
ジャニーズや
タレント上がりの
下手な歌手にありがちな喉声を
自分の意志で操って出している。
これは立派なスキルだ。
その歌や
その小節のサウンドを
どう聴かせたいか。
そこが
アーティストとしての個性であり
彼女の感性なのだ。
音楽がいかに好きか
それが伝わってくる。
¶ 必聴の1曲
Poppy - moshi moshi
サビに日本語も登場する。
洋楽が苦手な人でも聴きやすいだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?