#4 時代の先を行き、時代が追い付く「Kyla」
今日の1曲。
Kyla - You Ain't Mine(feat.Popcaan)
¶ 一匹狼をうまく飼いならす
今回の主役は2人のアーティスト。
イギリス出身のシンガー、Kyla Reid(33歳)。
ジャマイカ出身のシンガーソングライター、Popcaan(29歳)だ。
彼らがタッグしたこの曲は面白い。
時代に合わせたダンスミュージックに
レゲエの要素を加えているのだが
どちらも強すぎず
絶妙なバランスで支えあっている。
レゲエと合わせると
大概レゲエの主張が激しくなってしまい
マッチングしたはずのもう一方の音楽の良さが
食われてしまうという現象が度々起こっていた。
しかし、この曲は違う。
2人の感性がしっかりと結実し
耳障りの良い、可憐な曲に仕上がっている。
¶ 時代に汲み取る感受性
この2人、決して若くない。
Kylaは33歳でPopcaanは29歳。
音楽に年齢は関係ないが
それでも世代ごとの流行り廃りがあり
感性の違いもある。
しかし、彼らのこの曲は
今この瞬間にピッタリと合っている。
昨今の音楽シーンをしっかりと理解し
そこに自分たちのルーツの音楽を混ぜ込む。
この感受性の豊かさに感服した。
心が広いとか
プライドがないとか
そういう類の話ではなく
彼らは本当に音楽が好きだからこそ
自分たちのプライドにベクトルが向いているのではなく
世の中の音楽に対する動向を理解し
そこに上手く自分たちのこだわりを組み込んで
人々を喜ばせる、というところにベクトルが向いているのだ。
¶ 遅咲きの2人が輝く
Kylaは少し前に
Drakeとのコラボ曲「One Dance」が
爆発的にヒットしたことでも話題を集めたが
その時すでに30歳を超えている。
またPopcaanは
昨今最も注目が集まるアーティストだが
音楽活動自体は2010年から始まっている。
遅咲きと呼ぶのにふさわしいかどうかはわからないが
間違いなく1つ言えるのは
それぞれの今後の活動が非常に興味深い。
ダンスミュージックを聴いたことがあっても
レゲエは聴いたことがないという人の登竜門的楽曲となってほしい。