久しぶりに会った彼は。
2ヶ月ぶりに、元彼に会いに行った。
夜中に帰ってきたわたしに布団の中から
「おかえり、たくさん飲んできたんだね」
と言い、着替えたわたしを布団の中へ招いた。
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彼の家は立地がいいっていうのもあり、
友達と飲みに行く時のホテル代わりに使わせてもらってる。
何時に帰っても文句ひとつ言わなくて楽だ。
まだ少し寝ぼけてる彼のいる布団へ潜り込んだ。
「久しぶりだね、おかえり」
と、優しく抱きしめてくれる彼を、
わたしも優しく抱きしめた。
目を覚まさせてしまうのも、、、と思い
静かに抱きしめて寝ようかと思っていたが、
彼はずっと話をかけてくれた。
「眠気覚めちゃった、ゆぽ付き合ってくれるよね?」
なんて言うもんだから、体を重ねた。
ただ、前と違うのは「好き」が出てこなかった。
あんなに恋人同士のように「好き」だと交わしながら
体を重ねていたのにも関わらず、
「好き」が全く出てこなかった。
それでも彼と体を重ねてしまうのは、
体の相性が良い以外に
今はないのかもしれないと思った。
朝になり、明るくなった部屋で彼を見ると、
黒髪に金のメッシュが入っていた。
「え、なに!かっこいいじゃん!」
と言うと、
「ゆぽが俺にカッコいいなんて言うの珍しいね」
と、少しにこりとした。
「そういえばさ、仕事辞めるって言ってたよね」
「今はなんの仕事してるの?」
と聞くと、
「今はね、前の仕事は副業にしたんだ」
「本業はね、ホスト始めたんだよね」
と言った。
正直驚いた。
確かに顔はかっこいいけど、
お酒は全く飲めないし、
いや、まあ飲めなくても出来るんだろうけど、
夜の世界とは無縁の人だと思っていたから、
なおさら驚いた。
「だからカッコよくなったんだね」と言うと
「これからもっとカッコよくなるよ」と笑った。
今まで、彼のことを心からかっこいい!と
思ったことはなかった。
世間一般的にはかっこいい方だろうなあ、
ぐらいにしか思っていなかった。
初めて、彼がカッコよく見えた。
なのに、好きの感情はどこか行っちゃったような
そんな感じがした。
あぁ、わたし、
わたしは4つ下の君のことが好きなんだ。
そう思った。
わたしの好きな人、彼じゃなくなってたんだなって。
彼に出会って気が付いた。
会わなくても彼を好きだったのには
前依存してしまっていたのもちろんあるけど、
それ以外にもひとつ理由があった。
彼と別れ1年経った後、
書いてくれた手紙がとても素敵で、
会わなくてもわたしのことを助けてくれていた。
他愛のない内容のあとに、
と、汚い字で綴ってあった。
彼らしい汚い字で、でも温かい内容で。
辛くなった時、この手紙を何度も読み返して、
何度も涙を流した。
誰かに依存してしまうわたしにとって、
この手紙は宝物だった。
付き合ってなくても彼の優しさが伝わる、
そんな手紙だった。
会わなくても、彼がわたしを助けてくれていた。
結局、わたしはこの手紙にすら依存していたのかもしれないね。
今まで縋らせてくれて、
好きでいさせてくれてありがとうね。
わたしはきっと年下の君のところへ行ったとしても、
また依存しちゃうんだろうなあ。
でもとりあえず、君が1番だってことはわかったよ。
早く君に会いたいな。