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「コレ」が欲しい。

突然だが、少し考えてみてほしい。

コンビニに寄って、好きに飲み物を選べるとする。
水、お茶、ジュース、コーヒーなど選択肢はたくさんある。

自分のその日のコンディション次第で選ぶ飲み物は変わってくるかもしれない。

しかし、誰もが迷ったらとりあえず選ぶコレという飲み物があるはずだ。

それでもわからない人は、よく遊ぶ友人に自分は何をよく選んでいるか聞いてみると早い。


今回はそんなコレが無いのが最近の悩みの平井がコレ探しをする話である。

平井は、よく友人達とドライブをする。
と言っても、自分は免許を持っていないので
友人達に運転を任せ、後部座席でのんびりしているだけである。
(本当にいつもお世話になっています。)

そんな最中、誰もがコンビニで休憩するタイミングがあると思う。
飲食、お手洗い、たばこ。など理由は様々だ。

不思議なもので、用がなくてもコンビニというものは、吸い込まれるように入店し、
無心で店内の商品を物色する。

喉が渇いていなくてもドリンクコーナーを覗いてしまうし、
お腹が空いていなくても食べ物コーナーをとりあえず一周する。

これは、そんな何気なく寄ったコンビニでの出来事だ。


平井は、いつも通り友人に運転を任せ
4人でドライブをしていた。

そして、コンビニに寄る。
他の3人がコンビニのドリンクコーナーで考える間もなく飲み物を取っていく。

しかし、平井はこれが飲みたいという飲み物がない。

なら買わなければいいという考えはまず無い。
先に友人達が一人一本飲み物を選んでいるからだ。
自分もその流れに乗らなくてはいけない雰囲気がある。

その日は本当に酷く悩んでいて、
1分ほどドリンクコーナーの前で立ち尽くしていた。

すると会計を終えた友人に急かされる。

「まだ選んでるのかよ、早く決めろよ。」

平井は咄嗟に近くにあった水に手を伸ばす。


ああ、またこれだ。

最近、困るとすぐ水に逃げてしまう。

だが決して水が悪いわけではない。
ただ何かパッとしないというか、

他の友人は、決まった色のエナジードリンク、
決まったパッケージのミルクラテ、
決まったパッケージのコーヒー、

正直、自分のコレが水になってしまうのが何か不満なのだ。
 

昔から好きな自分の飲み物が分からず、よく苦労していた。

コレだ!と思う物があってもそういう時に限って「期間限定」のラベルが貼られていたりする。

1分もかけてドリンクコーナーで選んだ結果が水だと友人にも、自分にも、なんなら水にも何だか申し訳ない気がしてならない。

だから早急にコレという飲み物を探さなくてはならない。

ちなみに、
今これを書きながら水を片手にレジへ持っていくところだ。

コレ探しの旅はまだまだ続く。

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