森とブロックチェーン(5)
前回までのお話はこちら
マミの家
マミの家についた。タワーマンションだな。それにしてもなんか豪華にみえるなー。マミはすごいところに住んでいる。でも少し不安があった。僕は彼女に電話したのだ。この家だって足がついているかもしれない
マミにそのことをいったら笑われた。
えっ。私のスマフォからは場所特定どころか何も情報は出ないわよ。そんなの普通じゃない?あっ。ふつうじゃないか。まあいいわ。大丈夫なの。
そんなことを言われた。なんか普通じゃないよな。マミさんって。
家につくと2匹の猫がお迎えに来てくれた。かわいい。名前を聞くと変な名前が帰ってきた。何やらもらったときにはこの名前だったしかわいいからそのまま呼んでいるとのこと。
僕は猫の頭をなでながらマミと今後のことを話そうと思った。といってももう僕にはアイディアがないのでマミにどうすればいいと思うと聞いた。
この場所は誰にもわからないから少し休んで情報収集して次のアクション決めましょう。あなたは狙われている。理由はわからない。秘密鍵が送られた。これもなぞ。そしてあのお金はどこから。
とりあえずあの秘密鍵のお金を違うウォレットに移しなさいよ。あのままだとなくなっちゃうかもよ。
確かに秘密鍵は何人でも知れるので他の誰かが移動してしまえばもう僕には手がでない。もう命も狙われてるしマミの言うとおりだな。
僕はマミのPCのを借りてさくっと新しいウォレットを作り資金を移した。結構緊張した。さすがに700億円相当の資金を移すのだ。それにアドレスを間違えるだけでなくなってしまうという繊細なシステムだからな。
ちょっと私の友人のハッカーにも調べさせましょうかね。何かイーサリアム界隈で起こってないか。
そういってマミはサクサクっとコンソールを開いてチャットを始めた。なんか古めかしいチャットシステムだなあ。マミはこれを使わないと、あの子とは連絡取れないのよねと言った。黒アリスは大体のことは知ってるわね。ネットのことに限れば。引きこもりなので外にはもう20年出たことないらしいわ。
コンソールから連絡が来た。
>あなたはいつも情報が遅れているわね。ついさっきBinancoがハックされたらしいわよ。イーサリアムおよそ700億円ができたばかりのウオレットに移動させられたらしいわね。
。。。。
さっき。さっき?
まみはいった。
あらどうやらあなたBinancoの資金を流出させたみたいね。
まみはなんだか恍惚とした顔をしている。この状況に興奮しているようだ。
僕はもう顔面蒼白だ。犯罪者ってことだよね。
続く