欧州ラーメン市場の新鋭勢力!テーマ型ラーメン店の松竹を徹底解剖
注:本記事は筆者の主観に基づき、欧州での経験や観察をもとに書かれています。そのため、内容には個人的な意見や印象が含まれることをご承知おきください。
欧州には、いわゆる「テーマ型ラーメン店」と呼ばれるスタイルの店舗が数多く存在します。一口にテーマ型といっても、その種類は多岐にわたります。本記事では、それらを「松」「竹」「梅」の3つのタイプに分類し、それぞれの特徴を考察していきます。
松:コンセプト型ラーメン店
ラーメンの明確なコンセプトを掲げ、それに基づいた体験を提供する店舗です。店全体でコンセプトに合った雰囲気を作り上げ、顧客に特別な体験を提供することを目指しています。
例えば、魚出汁のラーメンをコンセプトとした店では、築地市場を彷彿とさせる内装を取り入れるなど、細部にまでこだわるケースがあります。
こういった店のオーナーは、ラーメンへの情熱が非常に強く、いわゆる「ラーメンオタク」の印象があります。また、潤沢な資金を持ち、スタッフ教育にも力を入れているため、味やサービスのクオリティが高いのが特徴です。
その分、店舗展開は慎重で、多店舗化よりも1店舗ごとの完成度を重視しています。
日本人が訪れても感動を覚えるレベルの店舗が多いのも、このタイプの特徴です。
竹:体験特化型ラーメン店
ラーメンそのものではなく、店舗内の雰囲気や体験に重きを置くタイプです。店内は日本の縁日や昭和風の装飾で彩られ、日本文化のイメージを演出しています。しかし、ラーメンの味そのものはあまり良くないことが多いです。
こういった店舗は、ラーメンがまだ一般的に認知されていない地域や、食文化が未成熟なエリアで人気を博す傾向があります。
オーナーの特徴としては、日本のラーメンや文化を深く知らない場合が多く、「自分の中でイメージする日本」を基に店舗のデザインを作り上げています。このタイプの店舗は、資金力を背景に内装デザインやメニューをパッケージ化し、多店舗展開を行うケースが目立ちます。
特に中華系のオーナーが多い印象で、ビジネスとしての成功を優先する傾向が強いです。
ただし、日本人が訪れるとやや物足りなさや違和感を感じることが多い店舗でもあります。
梅:模倣型ラーメン店
「松」や「竹」の成功例を見て、見よう見まねで立ち上げたラーメン店です。このタイプは、味も店内のデザインもどこか安っぽく、手抜き感が否めないのが特徴です。
オーナーは「今ラーメンが流行っているから、とりあえず始めてみよう」という考えを持っていることが多く、過去には寿司屋や丼物のレストランなど、他の日本料理を扱う業態で失敗を重ねてきたケースも散見されます。
こういった店舗は、日本人が外観を見ただけで近寄らないレベルのことが多く、ラーメンに対する愛やこだわりはあまり感じられません。
欧州の現状と今後の展望
現在、欧州で最も勢力を拡大しているのは「竹」に分類される体験特化型ラーメン店です。このタイプの店舗は、味においては「60~70点程度で十分」と考えている場合が多く、品質向上への意欲はあまり期待できません。
しかし、もし日本から有名チェーン店や高品質なラーメン店が進出してきた場合、圧倒的な品質の差が顕在化し、「竹」の店舗は厳しい競争にさらされる可能性があります。
欧州のラーメン市場は今後も拡大していくと予想されます。その中で、テーマ型ラーメン店の「松」「竹」「梅」のランクがどのように推移し、それぞれがどのように進化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。