見出し画像

EUの食品規制の行き着く先は地産地消

みなさんこんちは。樋口(@HIGUCHI_ramen)です。
今回は、EUへの食品輸入について、個人的の未来予測を書いてみたいと思います。

私は日本からラーメンの麺(小麦製品)を日本から輸入し、欧州域内に販売をしています。2021年後半ごろからコロナの影響もあるがEUへの食品輸入の規制が一層厳しくなり、甚大な被害(コスト)を払う経験をしたことから、将来の予測について書いてみようと思います。

現在のEUの混合食品輸入規制について

欧州の食品安全規制は、世界で最も厳格とも言われています。
世界基準の食品安全、品質保証の考え方のベースはEUの規定が基になっています。
そんな厳しいEUの規制が2021年4月末より新たに始まりました。
詳しくは、いくつか記事を書いているので、どんなことが起こっていたかきょうみがある方は、下の記事をご参照ください。

欧州食品輸入規制の過去を振り返ってみる

EUの食品輸入の規制は、厳しくなる一方です。
規制の対象になっているは動物性原料を含む食品の輸入です。
今回の規制強化の対象も同様です。
食品カテゴリー、包装形態、温度管理の有無など、細かく分類され、それぞれの分類で運用ルールが異なるのが今回の規制です。
様々な利権や業界団体の圧力などもあると思うがあまりにも細かくて自分達の商品がどのカテゴリに属するか探すのも大変です。

簡単に言うと、EUが認可した工場で加工されたものか、EUで生産したもの以外の動物性原料を輸入できない規制になっています。

しかし、4月以降は、EU認可工場で製造されたもに加え、含有量の制限も厳しくなりました。
※細かくは、業務用、小売用によっても分類が異なり、温度管理が必要かどうかでも細かく規定が細分化されている為、詳細については、EUのサイトを参照してください。

EU域内からの動物性原料の輸入を極力受け入れないように細分化・複雑化が進み、規定がどんどん厳しくなっています。

今起きていること

上記のように、EU基準の食材であれば第3国で最終加工された商品も輸入が可能です。
一方、あまりに複雑すぎて、港スタッフがルールを充分に理解していないのか落とし込まれていないのか、手続きが全く進まない。または、 担当者によって検疫局で停められてしまったり、通過したりと基準が明確ではありません。
EUで製造された原料を使い、日本で最終加工した商品(EUの基準に準拠した原料)も港で止められてしまうこともありました。※実体験

港でコンテナが止まると追加費用が多大に発生し、ビジネスとして成り立たちません。1コンテナあたり滞留費だけで数百万かかってしまうこともあります。

今後の展望

この流れを鑑みると規制はますます厳しくなると想定しています。
例えば、ウクライナとロシアの戦争は将来的に大きな影響をもたらす可能性があります。

目先のことで言えば、小麦の生産量が減ることで相対的に小麦価格が上昇する。※ウクライナ・ロシアで世界の小麦の生産量の3割近くあるらしい

ドイツ政府は、国内の小麦の生産を増やすように働きかける

将来的に戦争が終わると、ウクライナの小麦粉も市場に出回り(2022年8月時点で一部出荷が開始している)EU内の小麦の供給過多になる

EUの小麦産業を守る為に第3国からの小麦製品の輸入を規制する

EUの小麦粉の産業は規模も大きいので産業保護という観点でも小麦製品の輸入規制の可能性がゼロとはいえないと思います。

まとめ

今まで書いてきたことは、あくまで個人的な予測です。
しかし、全く検討外れな事でもないと思ってます。
輸入をメインのビジネスとする身としては、将来がとても不安ですが、感度良く情報を取集していく必要がありそうです。
新しい情報がありましたら、少しずつ シェアしていきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!