信じられるのは漢の友情だけ『アートオブウォー2』
前作のラストで死を装い、その後穏やかに暮らしていたという点では『メカニックワールドミッション』と同じ映画、『アートオブウォー2』(2008)についてです。
前作でまあまあ暴れたニック・リー(ウェズリースナイプス)、恩師「マザー」の訃報を受け散骨式へ。そこで「マザー」の娘と名乗る女に「あんたのせいで父は死んだ。」という意味深発言を受ける。
その後、現在の仕事の友達から「政界進出を邪魔してくる人を調査してくれ。」と頼まれ渋々引き受けることに。知り合いの天才ハッカーに協力を頼んで調査を進めるが、武器会社やFBI、政治家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれていく…
陰謀と書いたものの、途中まで色んな出来事が起きすぎて複雑になってよく分からないのであまり気にしなくて良い。
話は仲間が死んでから面白くなる。仲間が死んで悲しみに暮れるウェズリーさん、そんな時に寄り添ってくれるのは昔からの友人。「お前の為なら何でもしてやる。」と言うばかりか、ラストバトルに付いてくるという漢っぷり。
アートオブウォーシリーズ、裏切られる事が多いがこの漢だけは信じられる。
また、「マザー」の娘(と名乗る女)と出会ってなるべく人を殺さない決意をし、ネズミ駆除業者に変装し潜入して戦闘を回避する努力をするのだが、仲間が死んだ瞬間殺人マシーンに変わるのが良い。
殺人マシーンに変わってからのラストバトルは中々なモノなので是非観ていただきたい。
話の本筋とは別に、序盤でウェズリーが「ボディーガードがヒーローぶるな。」と言うシーンがあるのだが、今まで賞賛を浴びることなく影で人々を救ってきたニック・リーなりの「褒められたいから人助けするんじゃないんだ。」という主張なのではないか。
確かに最近の世の中自分の功績をアピールする輩が多いが、私はウェズリーのように黙々と仕事が出来る男になりたい。
手先のコネコネアクションと、カチコミ宣言ウェズリーが観たい人には超絶おすすめです。