簿記2級から始める証券アナリスト試験:ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門
目次
Introduction
ゴミ投資家だって株に勝つ!?
Prologue
こうすれば援助交際で「生活」できる
PART 1 史上最強の「儲かる法則」を探せ!
STEP 1 お金儲けの方法って本当にあるの?
1.道端に「働かる法則」は転がっているか?
2.ウォール街は酔っ払いの千鳥足
3.未来は謎に満ちている。では、どうする?
STEP 2 「現代投資理論」をめぐるちょっとだけ長い旅
4.青年マーコウィッツの大発見
5.ギリシャ文字βに隠された秘密
6.「ベータ革命」と資産運用の終わり
STEP 3 ゴミ投資家流「お金儲けの法則」
7.インデックス・ファンドの誕生
8.アセット・アロケーション基礎の基礎
9.複雑系でマーケットを読む・超初級編
10.「厨者の呪い」は株式投資必勝法か?
PART2 インターネットで外国債券投資
STEP 4 債券の不思議を解明する
1.金利と價券のあやしい関係
2.数式を便わない「債券数理」基礎の基礎
STEP 5 日本の債券投資は転換社債から
3.日本の国價を買う気になりますか?
4.誰でもわかる転換社價の仕組み
5.ギャンブラーのためのワラント債講座
STEP 6 ゴミ投資家のためのアメリカ債券市場
6.アメリカの債券を買うということ
7.インターネットでかんたん價券売買
PART3 初めてのミューチュアル・ファンド
STEP 7 ミューチュアル・ファンドって何だろう?
1.株式ファンドと個別株投資
2.ミューチュアル・ファンドの仕組み
STEP 8 ミューチュアル・ファンドを買ってみよう
3.オンライン・トレーディングでクローズド・エンド型ファンドを買う
4.Datekでミューチュアル・ファンドを買う
あとがき
2000年頃に発売された「ゴミ投資家のための」シリーズの中の1冊で、証券投資論について書かれた本です。今読んでも非常に面白い本でした。
数学的なものとしてはσ(標準偏差)とΣ(総和)の意味について書かれているくらいで、あとは平易な文章で目次のような内容について解説されています。
一番有り難いのは、証券投資論で紹介されていることをExcelではどうやればいいのか、具体的なステップをスクリーンショット付きで解説していることです。具体的な計算方法は分からなくてもExcelにやらせることで、欲しい情報が得られるという点は有り難いです。ただ、証券アナリスト試験では、その具体的な計算方法や、実際に数字を当てはめて計算して求めるといったことをやらされるので、そういう意味では入門の入門といった立場の本とも言えます。
この本が出た当時、理屈は分からなくても、ポートフォリオの各銘柄にどのようなウェイト付けをすれば最適なポートフォリオが求められるのか、といったことをひたすらやっていた記憶があります。当時は12銘柄くらいを持っていたけど、最適解と求めていくと、ウェイトが増えていったり、反対に減っていったりする銘柄がある中、ずーっとゼロのままな銘柄(つまり持っていてもしょうがない銘柄)もあって、結構ショックを受けた記憶があります。ファンド・マネージャーやポートフォリオ・マネージャーって、こういう場合、やはり貢献しない銘柄は売るというか、それ以前に買わないんですかね。
20年前の本と言うこともあって、当時と現在では環境が違ったりもしますが(例えば当時はヴァンガードのETFは日本人は買えませんでしたが、今はネット証券を通して購入することができるようになりました)、そういうのがあっても、今読んでも古くささを感じさせない内容になっています。
証券分析をやるにあたって、概観を知りたい人にとってはいい本だと思います。
今でもゴミ投資家シリーズのWebページがあるのかなと思って検索したら、ありました。こちらではOCR付きPDFとして、ゴミ投資家シリーズの本が売られています(1冊税抜500円)。興味のある方は古本を探すのではなく、こちらからPDF版を購入するのもいいかもしれません(いつ無くなるのか分からないので、この本とデリバティブ編の2冊を買いました)。他にも「ゴミ投資家のための人生設計入門」や「ゴミ投資家のための人生設計入門(借金編)」といった本も売られていますが、それらは橘玲の『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』(講談社+α文庫)や『「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計』(講談社+α文庫)といった本として発売されているので、これらに関してはそちらを入手した方が良いと思います。
書籍版『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』(講談社+α文庫)
Kindle版『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』(講談社+α文庫)
書籍版『「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計』(講談社+α文庫)
Kindle版『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』(講談社+α文庫)
それから、先にも紹介しましたが、Excelでのやり方がスクリーンショット付きで説明されているので非常に有り難いのですが(これを見てもうまくできない人はExcelの使い方についての勉強から始めた方がいいと思います)、当時のExcelと今のExcelでは、Excelのメニュー構成が大きく変わっているので、混乱するかもしれません。
ということで、今のExcel(Office 365版Excel)でやる場合について、紹介できればと思います。とりあえず本書で紹介されているExcelを使ったやり方は以下の通り。
Excelでつくる株式市場
Excelでつくるロウソク足の日計表
Excelでロウソク足をつくる
Excelで株価の移動平均を計算する
Excelでソニーの「リスク」を散布図にする
Excelでソニーとソフトバンク(ソフトバンクグループ()のリスクを比較する
Excelで収益率(リターン)の平均値を求める
Excelで分散を計算する
Excelでソニー、富士通、イトーヨーカ堂(セブン&アイ・ホールディングス)の株価を比較する
Excelで2つの銘柄の相関係数を計算する
Excelで3つの銘柄の共分散と標準偏差を計算する
Excelでポートフォリオを作成する
Excelでポートフォリオの最適な構成比率を求める
Excelでベータを計測する
Excelで個別銘柄のαとβを求める
Excelで割引債の利回りと価格を計算する
Excelで利付債の利回りと価格を計算する
Excelで投資利回りを比較する
Excelで現在価値を割り引いて利回りを計算する
Excelで債券の実効利回りを計算する
Excelでスポット・レートから価格を求める
Excelでヂュレーションを計算する
Excelで修正デュレーションを計算する
ゆっくりだらだらとやっていこうと思いますので、よろしかったら参考にしてください。