10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。他にも危険な月は7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、6月、12月、8月、そして2月だ
海外の投資本を読むとたまに見かけるこのセリフ。初めて見たのは投資を始めた頃に読んだ「ピーター・リンチの株で勝つ」だったと思います。
新版が出る前の本で、訳者が「日本の市場とあわない部分があるため一部翻訳しませんでした」とあとがきに書かれていたのですが、その部分が新版を読んでPERや財務分析について書かれている部分だと分かったとき、ずいぶんとひどいことをするし、日本はファンダメンタルを軽視してテクニカル一辺倒だったのかなと思いました。確かに林輝太郎(https://www.h-iro.co.jp/)の本が多く書店に並んでいたことを思い出すとそうだったのかもしれません。もっともその林輝太郎も他の人の著書の中で同業者に「株で勝てなくなったから本を書いているんだ」なんて言われてましたが。
2024年2月19日 10:15 追記:
「ピーター・リンチの株で勝つ(1990年)」を本棚から引っ張り出し、割愛したと書いてある部分を写真に撮ったので貼っておきます。改めて読むとずいぶんと馬鹿にしており、日本は市場ではなく鉄火場なんだなと思い知らされます。私が読んだ投資関係の本で、この頃までにファンダメンタルズで日本に投資した人ってピーター・リンチ(スバルに投資)とマーク・モビアス(新興市場という名の発展途上国への投資を専門とするファンドマネージャー)しか思い出せないです。是川銀蔵は積ん読してるだけで著書は読んでないため分かりませんが、「相場師」なんて呼ばれているあたり違うんじゃないかなぁという気がします(そのため読む気が起きない)。いまふと思ったのですが、ジョージ・ソロスって相場師なんですか?
「投資にプロもアマも関係ない。アマチュアだからってハンデをもらえるわけではない。誰もが平等で実力勝負の世界だ」といったことを学んだのも同じ時期だったと思います(糸瀬茂の著書だったように思います)。ちょうど金融ビッグバンなんて言われていた頃で、仕事のやり方も外資系企業のようになるなんて言われて、「実力だけの世界なんて凄い!」と感動と憧れで胸を膨らませていた時期でもあります。
それはさておき、この「10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。...」というのを見て「そうなんだ。じゃあいつならいいんだろう」と確認していったら「おい!」となりました。
マーク・トゥエインからの言葉なのですが、先日までマーク・トゥエインが誰なのか知りませんでした。
「トム・ソーヤーの冒険」の著者とのことですが、本のタイトルは聞いたことがある程度で読んだことはありません。
Wikipediaを見ると著書がヒットして資産家になったものの、浪費や投資などで資産を減らし、破産するのですが、助力を得て借金返済をし、再び資産家になったそうです。そういった経験から「10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。...」というのが生まれたのかもしれません。
では、著書や講演など、どこから出てきたものなのかずっと分からなかったのですが、先日調べ物をしていたら偶然見つけました。
こちらの記事では「Pudd'nhead Wilson」という本が出典元とのことですが、Wikipediaには『ノータリン・ウィルソンの悲劇』"The tragedy of Pudd'nhead Wilson"と記されています(この記事を書き終わる頃に気づいたのですが、次の行に「新訳『二人の運命は二度変わる』」と書かれていました)。
「ノータリン・ウィルソンの悲劇」というタイトルで翻訳されたのかと思ったのですが、Amazonで検索した限りでは見つけられず、ぐぐってみると「イギリス・アメリカ 名作集」に収録されているそうですが、1966年に出版された本らしいので入手困難だと思います。
読むことができないのかなと「Pudd'nhead Wilson」でAmazonで検索してみると「二人の運命は二度変わる―Pudd'nhead Wilson」として翻訳本が出ていました。
ずいぶんとタイトルが違っていますが、どういう流れでこのセリフが出てきたのか気になったので本を注文しました。
ちなみに10月といったら世界恐慌が始まった月でもあり、それで「10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。」と10月が最初に来ているのかと思ったのですが、小説が発表されたのが1894年と世界恐慌(1929年)よりずっと前なので関係ありませんでした。「ムー」とか陰謀論大好きっ子は無理矢理こじつけて「予言していたんだ!」と言いそうな気はします。「ネッシーはいたずらだったんだ」と言い出しっぺが告白したにも関わらず、何年か前にニュースである人達がネッシー探しを始めると報じていて、ネッシーがいないと自我が崩壊する人達なのかなと思いましたが、それと同類なのかも。