ピーター・リンチの株で勝つ - よい銘柄さえ選べば相場のほうは気にしなくてもよい。

投資本を読んでいて、印象に残る言葉については「読書メモ」としてEvernoteに記録しています。で、相場が下落しているときなどに読み返しています。

今回の下落相場でも読み返しており、その中でも一番最初に読み返すのが「ピーター・リンチの株で勝つ」です。

他の投資本はイケイケドンドンといった内容なのに対し、ちゃんと「相場は下落するものなんだよ。そんなときのために、こんなことをしておくんだよ」といったことが書かれています。

今回のような相場の下落局面についてはどうすればよいか。本書から引用します。

歴史はわれわれに、調整(10%以上の下げ)は二年ごとに、弱気相場(20%以上の下げ)は六年ごとに起こると告げている。そして暴落(30%以上の下げ)も、悪夢の1929~32年以来、五回起きている。

ピーター・リンチの株で勝つ

大きな下げをタイミングよく売って逃れられればそれは素晴らしいことだが、誰もそれを予想は出来ないということである。また、もし株を売り払って下げを避けたとしても、次の上げ相場に備えて買い戻すことができるだろうか?

ピーター・リンチの株で勝つ

ある非常に成功した投資家が「弱気の発言は知的に聞こえる」と言っていた。

ピーター・リンチの株で勝つ

もしあなたが50ドルで買いたくなり、60ドルになると「ほら、思ったとおりだ」とばかり買い足したり、逆に40ドルになると絶望的になって売りたくなるタイプなら、どんなに株のハウツー物を読んでもまず成功しないだろう。

ピーター・リンチの株で勝つ

相場の先行きを予測するには、人の意見を聞くのではなく、むしろいびきをかくことだ。また、自分の相場観を信じるよりは、むしろ無視できるように心掛けることだ。会社の業績など先行きに変化がない限り、持ったままでジッとしていることだ。

ピーター・リンチの株で勝つ

当時の失業率は一四%で、インフレ率は一五%、プライムレートは二〇%だった。これらの数値を事前に予測して私に教えてくれた人は一人もいなかった。そのくせ、事実が明らかになると、たちまち立ち上がって予測どおりだったなどと言うが、事前にそれを教えてくれた人などいない。そして、一〇人中八人の投資家が絶対に一九三〇年代のような不況になると言い始めたとたんに、株式市場はそれに復讐するかのように反発し、突然、世の中のすべてが丸く収まってしまった。

ピーター・リンチの株で勝つ

私としても、もちろん相場や景気の予測をしたいが、それが不可能なので、バフェットと同じで儲かる会社を探すことで満足しているのである。

ピーター・リンチの株で勝つ

よい銘柄さえ選べば相場のほうは気にしなくてもよい。

ピーター・リンチの株で勝つ

最近たまたま知ったのですが、Seeking-Alphaという米国の投資情報サイトで、登録したポートフォリオの各銘柄がバリュー、グロース、収益性といった項目でどのグレードにあるかを教えてくれます。私のポートフォリオについては以下の通りです。

Seeking-Alphaで自分のポートフォリオをレーティング表示

収益性(Profitability Grade)が高いのが分かります(ほとんどがA+で、最低でもA-。CUREはヘルスケアセクターのレバレッジETFなのでグレード表示はされてないのだと思います)。

全ての銘柄をSeeking-Alphaのレーティングを見て銘柄選択していたわけではないのですが、それでも収益性の高い銘柄を選んでいたというのはちょっと驚きです。

いくら収益性の高い銘柄を選んでいても、バリュエーションが高いと・・・というのがありますが、私の場合、高いか安いかは過去のPER推移から「今はこの辺なのかぁ」「年々PERが上昇しているなぁ」といった情報は見ますが(Seeking-Alphaだと銘柄を選んだ後、Charting→P/E GAAP (TTM)で見ることができます)、さらに上がるかも知れないという欲の方が大きいので、結果、下げた場合は「割高だったんだねぇ」と納得することにしています。

「割安なときに」といった買うタイミングを探ることは自分にはできないので、せめて財務の良いものを、とやっていたら、上記のような銘柄を選んでいました。ピーター・リンチの言うとおり、「私としても、もちろん相場や景気の予測をしたいが、それが不可能なので、バフェットと同じで儲かる会社を探すことで満足しているのである。」

話は戻って、今回の下落相場ですが、どこまで下がるかサッパリ分からないので、繰り返しになりますが「儲かる会社を探すことで満足」しています。

また、「米国株:バブル崩壊前に100ドル投資したら2020年末にはいくらになっているか、調べてみました」で、ITバブルとサブプライムローン・リーマンショック前に投資したら最大何%下がるか、どのセクターが負けセクターで、どのくらい後を引きずったかといったことを調べています。今回の下落がバブル崩壊によるものだとしたら、参考になるかもしれません。


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