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靴磨きの少年の話 - 1929年世界恐慌の噂話


取り急ぎ、ざっくりと

NVIDIA(NVDA)の下落でほにゃらら書こうと思っていたら、こちらのポストを見て「あっ」と忘れていたことを思い出しました。

いわゆる世界恐慌(1929年)直前の靴磨きの少年の話です。いろいろ派生バージョンがありますが、ざっくり言えば「株とは縁の無いような靴磨きの少年まで株の話をするようではそろそろ危ないから逃げなきゃ」という話。

元々はバーナード・バルークという人物について調べていたのですが、英語の自伝等はあるものの日本語版がなくて彼に関する資料をあたろうとしたら原著である英語版を読まなければいけない状況です。強いて挙げるなら以下の書籍で彼の投機に関して知ることができるくらい。あとはずっと下のおまけの方の本くらい。

黄金の掟―破産回避術 (2009年) : ジョン ボイク

Kindle版はありませんが、楽天Koboならあります。ほかでもあるみたいです。

黄金の掟 ──破産回避術 [電子書籍版]

ジェシー・リバモア、バーナード・バルーク、ジェラルド・ローブ、ニコラス・ダーバス、ウィリアム・オニールの投機に関する本です。こちらの本でジェラルド・ローブあたりまで読みましたが、読んでみると投資も投機もあまり変わらないなと思いましたし、どなたも投機の最大の敵は自分自身と言われてて、このどうしようもない自分自身を上手く動かすためのマニュアルを作られてましたが、マニュアルに書かれてないことをすると損するのはどなたも同じでした。投資にしても投機にしても、まずは勝手に狼狽売りしちゃう、このとんでもねー自分自身の操作マニュアルを作られるのが最優先ではないかと思いました。

これ以外に彼に関するものといったらWikipediaくらいです。

バーナード・バルーク - Wikipedia

バーナード・マネス・バルーク(Bernard Mannes Baruch [bəˈruːk]、1870年8月19日 - 1965年6月20日)は、アメリカ合衆国の官僚、政治家、投資家。サウスカロライナ州カムデン出身のユダヤ系アメリカ人。戦争を一種の公共事業と認識している人物で、第一次世界大戦ではウッドロウ・ウィルソン大統領の側近(大統領選挙に協力した見返りとして大統領府へ自由に出入りできる立場)となり、戦時産業局長官を務め、当時世界最大の工業国家となったアメリカにおける軍産複合体の実権を握った。外交分野でもドイツに巨大な賠償金を課した賠償委員会の議長として活躍した。

バーナード・バルーク - Wikipedia

なかなか恐ろしいことが書かれていて、これを見たときはドン引きしました。

下の方を読むと下記の部分を見つけました。

エピソード

暗黒の月曜日が起こる前に、ある浮浪者のような老人にいいネタがあると呼び止められた。その老人に株を買うことを勧められ、当時統計分析から既に株価の下落を予想をしていたが、このような老人ですら株を買っている事実に需要は完全に出尽くしていると判断。このダメ押しとも言うべき一件から株を売り払い。世界恐慌でのダメージを最低限に防いだ。
もっとも、本人の秘密主義的な行動様式を考えると、大恐慌到来のタイミングを伝えてきた真の情報源をごまかすためのカバーストーリーとも解釈できる。

バーナード・バルーク - Wikipedia

この元ネタみたいなのを探していたら、ジョン・F・ケネディの父であるジョセフ・P・ケネディにぶち当たりました。

彼はまだ証券取引に関する法律がなかった頃にインサイダー取引、仕手株、相場操縦などやりたい放題。これらを罰する法律がなかったのですから、そりゃやります。今でも一部の人たちにとっては羨ましい時代とも言えそうです。

1929年の世界恐慌の時には空売りのポジションを持っていたようで大儲け。流石にこれはマズイと国は思ったのか、「毒には毒を」とSEC(証券取引委員会)の初代委員長となり、同業者をバッサバッサと刑務所送りにして、ある人からは褒められ、ある人たちからは恨まれたという人でもあります。日本でいったら鳶沢甚内(とびさわ じんない)になるのでしょうか。

鳶沢甚内 - Wikipedia

Wikipediaには以下のように書かれています。

ジョセフ・P・ケネディ - Wikipedia

ジョセフ・パトリック・ケネディ・シニア(Joseph Patrick Kennedy Sr.、1888年9月6日 - 1969年11月18日)は、アメリカ合衆国の政治家・実業家、第35代大統領のジョン・F・ケネディの父である。「ジョー」は「ジョセフ」の短縮形。

ジョセフ・P・ケネディ - Wikipedia

いろいろとあった人のようですが、この下の方に「ウォール街の相場師」という部分があり、例の靴磨きの少年の話が出てきます。

ウォール街の相場師

1929年の大暴落のとき、ジョーは暴落を予期して直前にほとんどの株を売り払っていたため、被害を受けなかった。このときの彼の慧眼(けいがん)を示すエピソードとして「ウォール街で靴を磨いていたパット・ボローニャなる男までが株式取引に精通しているのを見て、株式市場はそろそろ危ないと気づいた」という話がなされるが、これはジョーの作り話であるといわれ、実際にはパトロンのガイ・カリアの「株式市場はそろそろ危ない」という忠告に従ったものだったといわれている。

ジョセフ・P・ケネディ - Wikipedia

これの元ネタとして「呪われたケネディ王朝 汝の父の罪」があったので本を買いました。

汝の父の罪: 呪われたケネディ王朝 | ロナルド ケスラー

汝の父の罪: 呪われたケネディ王朝 | ロナルド ケスラー

Wikipediaにどのページかも書かれていたので見つけるのは簡単でした。ありがとうございます。

汝の父の罪: 呪われたケネディ王朝 | ロナルド ケスラー

読むと分かりますが、ここにもバーナード・バルークの名前が出てきます。交流はあったようですが、どの程度なのかまでは私には分かりませんでした。

バーナード・バルークとジョセフ・P・ケネディの両方で似たような話が出てきました。どちらが先なのでしょうか。

1929年の世界恐慌がなぜ起こったのかは諸説いろいろありますが、いろいろ調べてみると株価の下落はきっかけでしかなく、国のやらかしが世界恐慌の原因というのが一般的な認識の模様。ピーター・リンチの「ピーター・リンチの株で勝つ」にも以下のように書かれています。

ピーター・リンチの株で勝つ[新版]―――アマの知恵でプロを出し抜け

ピーター・リンチの株で勝つ[新版]―――アマの知恵でプロを出し抜け(1990年。こちらは2001年にミレニアム版として出されたもの): ピーター・リンチ, ジョン・ロスチャイルド。1990年の方の訳者あとがきを読むととんでもねぇことをしています。ほんと、日本市場なんてただの賭場でしかなかったようです。いまもその延長線にいるように感じます。ね、単元株。

ちなみに1987年のブラックマンデーのときはS&P500が1日で20%ほどの下落をしましたが(でも年初来ではプラス)、このとき1929年のような世界恐慌を起こさないように裏で必死に頑張っていた様子は書籍「マネー革命 3」に書かれています。かなりヤバい状況だったようで、本当にギリギリセーフのようでした。この部分はテレビで放送されてなかったと思いますし、読むとテレビで放送されてないこともアレコレ書かれてて面白いです。興味のある方はどぞ。私はこれでフェド・ワイヤーというものを知りました。ぐぐれば簡単にヒットしますが、個人投資家で知っている人はあまりいないような気がします。直接投資には関係ありませんが、裏舞台が見られるので読んで見てもいいのではないかと思います。

マネー革命 3 (単行本:1999年、文庫:2007年) | 相田 洋, 藤波 重成

また1929年の株価下落は数名の投機家による空売りが原因だったようで、あとは信用取引などしていた人たちがパニックになって売りまくって余計に下落に拍車がかかったのが株価に関しての顛末のようです。テレビで1929年の株価下落でビルの上から人が沢山降ってくる映像を見たことがありますが、編集されているからなのか、言葉は悪いですが本当にポロポロと降っていました。今でもそのときの記録映像を見ることができるのでしょうか。

あとは国のやらかしによってお金が回らなくなって世界恐慌となったようですが、これは私が調べたことなので、当然違うことを言われる方もいると思いますが、私なりに調べた結果はこんな感じです。自分なりの答えを探しに行ってもいいのではないでしょうか。自分探しの旅に出るより簡単のような気もします。

バーナード・バルークについて、ざっくりと

本当に日本語で手に入るものが無くて事実上八方塞がりの状態です。あれこれ探していてみつけたのがこちらの本。

操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール

操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール

「恐慌と革命」という訳者が書いた部分ではジョセフ・P・ケネディと一緒にこんな風に見られています。

操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール
操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール

訳者による簡単な人物紹介がこちら。

操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール

どのくらい影響力のあった人なのかは原著者によるインタビューを読めば、それとなく分かるのではないかと思います。

操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール
操られたルーズベルト: 大統領に戦争を仕掛けさせた者は誰か | カーチス・B. ドール

あとはピーター・リンチやインデックス投資の提唱者であるバートン・マルキール、ジム・ロジャーズなんかでちょろっと出てくる程度です。

ピーター・リンチの株の法則(1994年。こちらは2015年に改題したもの): ピーター・リンチ。「ピーター・リンチ、日本を嗤う(わらう)」を読んだせいか、日本で株式投資をしようと思わなくなった1つの要因になったのかもしれません。

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)(2023年) : バートン・マルキール

マーケットの魔術師(2001年): ジャック·D シュワッガー。ジェームス・B・ロジャーズ・ジュニアのところで「バーナード・バルーシュ」というのがそうだと思います。ちなみにチャートの見方だけでなく全体的にジャック·D シュワッガーが相手にされてないところも面白いです。ジム・ロジャーズはトレーダーなのでしょうか?私は歴史の定石みたいなのを知っている人だと思います。

あとは最近になって出てきたルーズベルト批判本なんかでちょろちょろっと名前が出てくる程度です。

アメリカで有名なのは確かみたいですが、どういうわけか日本では知られてないみたいで、あきらめて自伝とされているこちらを先ほど買い、アレコレして翻訳して読もうと思っています。アルファベットの方の名前で検索すると、いくつか本を出されているみたいです。

Baruch My Own Story | Baruch, Bernard

「戦争を一種の公共事業と認識している人物」というところで何かいろいろとマズイのでしょうか。謎です。

ジョセフ・P・ケネディについて、ざっくりと

「呪われたケネディ王朝 汝の父の罪」しか手元にないのですが、探せばいろいろと見つかりそうです。

ある方々にとっては羨ましい存在、もといとんでもねぇヤツなのかは以下の部分を読んでいただければそれとなく分かるかと思います。

汝の父の罪: 呪われたケネディ王朝 | ロナルド ケスラー
汝の父の罪: 呪われたケネディ王朝 | ロナルド ケスラー

やるならやるで徹底的にやっていただき、あとはかくれんぼです。海外に行くと延長らしいので、国内でかくれんぼです。ゲームのルールは守りましょう。

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