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食道がん日記#41 内視鏡手術(ESD)胸部食道

胸部食道がんの内視鏡手術(ESD)を受けた。下咽頭の放射線治療から2か月しか経っていないため、浮腫・気道狭窄のリスクが高いと言われていたけど、気管切開は免れた。

◆原発巣:胸部下部食道ステージⅣ
・抗がん剤4クール+放射線治療【2023年9月~2024年2月】
◆重複がん①:下咽頭(梨状陥凹部・喉頭蓋)、頸部食道ステージⅠ
・内視鏡手術(ELPS) 下咽頭【2024年4月】
・内視鏡手術(ESD) 頸部食道【2024年6月】
◆重複がん②:下咽頭(輪状後部)ステージⅢ(T3N0M0)
・胃ろう造設【2024年8月】
・抗がん剤+放射線治療【2024年8月~10月】(効果判定待ち)
◆重複がん③:胸部上部食道ステージⅠ
・内視鏡手術(ESD)         ←今ここ

手術日程の調整時になって初めて聞いた「想定外」のうち、気管切開は行われなかった。
・想定外①:気管切開
・想定外②:非治癒切除(がんの残存)の可能性

手術前日の診察の時点で下咽頭の浮腫みはだいぶ引いていたようで、頭頚部科の医師の表情は明るかったように思う。気管切開の前提で手術をすると聞いてから、ずっとそのことが頭から離れず手術が嫌で嫌でたまらなかった。前日の医師の様子を見て、もしかして気管切開なしの可能性のほうが高くなったのでは、と希望を持ち始めた。

手術は気管切開の可能性を考慮して全身麻酔で行なわれた。麻酔から目が覚めて、最初に確認したことは声が出るかどうかだ。声が出た、出せた。気管切開は行われなかったことを知る。

気管切開なし=手術の成功ではないけれど、私にとってはとてもうれしいことだった。3週間、悶々と過ごした日々が消し飛んだ。浮腫まないで耐えてくれた自分のノドに感謝している。

まだ「非治癒切除(がんの残存)の可能性」が残っていて、こちらは病理検査待ち。結果を聞くのは1月になる予定だ。がん残存のほうが気管切開よりよっぽど重大な問題なのだけど、私はなぜか気管切開がとにかく怖かった。

事前の医師の伝え方に悪意などなく、その時点での最悪のケースを想定して説明をしているだけだということはわかっている。わかってはいるけど、手術にしろ検査にしろ結果を待つことになる患者側はつらい。医師もつらいのかもしれないけど、医師の慣れはあっても、患者が慣れることはない。

手術が終わり、絶食2日目。おなか空いたと思う度に、無事手術が終わったことの感謝を思い出し、我慢せよと自分に言い聞かせている。


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