見出し画像

食道がん日記#46 新型コロナ罹患

2月は予定していた検査入院、輪状後部がんの再発検査のために入院していた。退院した翌日に病院から電話があり、同室から新型コロナ陽性者が出たとのこと。そして連絡を受けた夜、私も発熱した。

◆原発巣:胸部下部食道ステージⅣ
・抗がん剤4クール+放射線治療【2023年9月~2024年2月】
◆重複がん①:下咽頭(梨状陥凹部・喉頭蓋)、頸部食道ステージⅠ
・内視鏡手術(ELPS) 下咽頭【2024年4月】
・内視鏡手術(ESD) 頸部食道【2024年6月】
◆重複がん②:下咽頭(輪状後部)ステージⅢ(T3N0M0) ←残存/再発
・胃ろう造設【2024年8月】
・抗がん剤+放射線治療【2024年8月~10月】
◆重複がん③:胸部上部食道ステージⅠ
・内視鏡手術(ESD)【2024年12月】
◆重複がん④:下咽頭ステージⅠ
・内視鏡手術(ELPS)予定

入院・検査は予定通り行なわれ、悪い予想通り「がん疑い」という結果だった。検査方法について詳しい説明はなかったが。直達鏡下生検という方法で患部を確認しながら生体採取したものと思われる。迅速検査(術中に行われる簡易検査)の結果、がん陽性だった。医師からは、正式な生検結果は1週間後になるけど、この結果がひっくり返ることはめったにないと言われた。

検査結果の陰性を願ってはいたけど、陽性だろうとの予想は出来ていた。ただの一時的な腫れものでこんなに喉と耳が痛いはずないのだ。再発というよりは残存に近いように見えた、と言われた。医師と話しているときもパートナーと面会で話しているときも、どこか他人事のように思えて、どこか遠い親戚の話をしているみたいだった。喉頭・下咽頭の摘出がまだ自分事に降りてきていないのだ。

入院4日目に退院した。翌日に病院から同室者のコロナ陽性の連絡があり、熱を測ってみると37.5度。熱があるか微妙な数値だ。私は平熱が36.8度前後あるのでこのくらいであれば微熱である。平熱+1度を超えたら発熱だと思っている。

翌朝、39.6度。これは確実に発熱でありコロナ感染で間違いないだろう。この頃の症状は発熱のみ。病院に電話連絡してみると、診察は可能だが来院可能かを聞かれ、今は無理!と断った。病院が遠いのだ。車に乗ったら眩暈で倒れてしまいそうだ。きっと病院に行っても症状への対処薬(解熱薬、咳止め等)が出されるだけだろうと思い、自宅で寝ていることにした。

その後は一時的に平熱に下がるものの、38.9度までぶり返したりと病状が安定しなかった。コロナの怖さって、この先何が起こるかわからないことだなと思った。発熱が断続的に続くかもしれないし、咳が止まらなくなるかもしれない。同時期にコロナにかかった人の情報は参考にはなるけど、同じ経過をたどるとは限らない。

発症から4日経っていたが病院の診察を受けることにした。普段飲んでいる他の薬がなくなってしまうので何にせよ病院に行かなければならないのだ。病院に着いて駐車場で待機。駐車場まで看護師さんが来てくれて、PCR検査と必要な薬の確認をして戻っていった。

PCR検査結果は陽性。コロナじゃないと言われたらむしろ怖い。
熱は37度程度まで下がっていたが鼻水と痰が延々と出てくる。私は発熱よりも鼻水・痰のほうがつらい。

コロナに対しては治療薬ラゲブリオが処方された。重症化を防ぐ薬のようだ。私は重症化リスクが高いということなのだろう。1回4カプセルを1日2回、5日分。4カプセルを飲むのがつらい。咽頭痛も出てきたみたいだ。(がんでもともと喉が痛いのでわかりにくいけど)真面目に安静にしているのに雪だるま式につらいことが増えていく。

クラクラして痛くてつらくて眠るのも食べるのも大変なのだけど、今しばらくコロナ患者でいたい。不謹慎な考えであることはわかっている。でも、がん患者であることを少しの間、忘れていたい。そんなことを考えちゃう。



いいなと思ったら応援しよう!