高橋葉介・原作、みもり・作画『ガラガラポン』第5話について
秋田書店、チャンピオンRED、
2024月11月号(発売は、 9月19日)、
高橋葉介・原作、
みもり・作画による、連載漫画、
『ガラガラポン』の第5話について、
私の感想を述べたいと思います。
01.孤の島へ向かう途中で
この世界の誤情報である、「妄想体」を、秘密裏に消去する公的機関、修正局。
そこに、奉職というか、所属する、大也と、翡翠。
今回、彼等が向かったのは、日本の戦国時代からの、海賊の末裔が暮らすという、「孤の島」です。
そこでは、互いに、「孤の島の長」と主張する者達がいました。
東家の、鬼多、
西家の、魅波です。
それぞれに、護鬼、水亡という、妖怪のような存在がいます。
東家と、西家は、もとは一つの一族でしたが、
東西に別れてからは、仲違いをするようになりました。
実は、孤の島には、隠された財宝があり、
東家と、西家は、財宝を巡り、死人が出る始末で、
長年、互いに憎み合っていました。
何も知らない翡翠は、ちょっとした旅行気分でしたが、
突如、海から出現した、水亡によって、大也と、翡翠は捕えられ、
離れ離れになってしまいます。
02.作品の特徴
この作品は、「日常の中の非現実」がテーマです。
銀髪で、八重歯の、翡翠のアイドル的な存在が目立ちますが、
実は、彼女は、「妄想体」であり、人間ではありません。
「妄想体」を消去する事に対して、飽くまで、無表情に、事務的な態度を取る、大也と、
公務員にしては、垢抜けておらず、
少し、間の抜けている印象の、翡翠の関係が、どうなってゆくかが、見所です。
03.今後の展開
今後、おそらく、東家と西家は、和解するだろうと思いますけど、
その展開が楽しみですね。
東家に捕えられた、翡翠の前に、シンジという青年が現れ、
西家に捕えられた、大也の前には、謎の美少女が現れます。
お互い、普段、意識している相手がいない所で、
別々の異性に出逢ったら、どうなるか、という、遊びが入っています。
二人は浮気するでしょうか。
それとも、節度ある態度を取るでしょうか。
今回のエピソードは、「海賊」がテーマになっていますが、
どことなく、ジブリ映画を思わせる雰囲気が漂っています。
おそらく、作者が、ジブリ映画が好きなんでしょうね。
東家のシンジは、着物と袴、西洋式のシャツを、
和洋折衷に着た、書生姿で登場しましたが、
小説や、映画の『金田一耕助』シリーズを思わせる、謎めいた雰囲気も、あります。
突然、牢屋に閉じ込められたり、
島に隠された財宝が存在したり、
島の東、西、いずれから攻めるかという、
あたかも、『ロマンシング・サガ』のようなゲーム的な要素も、感じます。
これからも連載が続いて欲しいと、個人的に思う作品です。