国民的アイドルの姉が突然襲撃してきた

〜岩本蓮加　中編〜

ピンポーン。



ん？
なんか頼んでたっけ...



何か物を注文してたか思い出そうとするが
記憶になかった。



ガチャッ。



〇〇：はーい


蓮加：よっ！

〇〇：...お引き取り願います


蓮加：無理


〇〇：ですよね...
じゃあさようなら



そう言ってドアを閉めようとすると、



蓮加：ここで叫ぶよ？


〇〇：え？


蓮加：どうなるんだろうなー？
アイドルの私がここで叫んでたら


〇〇：...ご用件は


蓮加：まぁまぁ、とりあえず中に入れてよ


〇〇：...どうぞ


蓮加：お邪魔しまーす！


〇〇：先に連絡ちょうだいよ


蓮加：連絡したら居留守するでしょ


〇〇：ごもっともで


蓮加：だから何も言わずにきた


〇〇：本当にいなかったらどうするのよ


蓮加：その時はその時よ


〇〇：で？何で来たの


蓮加：〇〇に写真集を渡そうと思って！

〇〇：いいよ、大丈夫


蓮加：まぁまぁ、そんなこと言わずに、ね？


〇〇：まぁ、見ないけどね？


蓮加：なんでよ


〇〇：姉の写真集なんか見れたもんじゃない


蓮加：それはそうなんだろうけど受け取ってよ笑


〇〇：ありがたくもらうよ


蓮加：うん！サイン書いといたから


〇〇：よし、これをメルカリに売れば...


蓮加：おいこら


〇〇：え？


蓮加：姉を利用してお金を稼ごうとするんじゃない


〇〇：...生写真にサインしていただいても？


蓮加：お金にするだろそれ笑笑


〇〇：冗談だよ


蓮加：冗談じゃないとだめなんだよ


〇〇：大切に保存しとく


蓮加：うん、そうして

しかし、本当に姉に会うのは久しぶりだなと思った。
前回会ったのは夏の神宮のライブだったか。



なんて思っていると。



蓮加：〇〇ってやっぱ推しいるんだよね？


〇〇：うん


蓮加：単推し？


〇〇：一応単推しでやらせていただいてます


蓮加：さすが〇〇！
蓮加単推しだよね！


〇〇：あっ、えっとー、うん


蓮加：おいっ、何だその返事は


〇〇：えっ？気のせいじゃないですかね...


蓮加：誰推しだ


〇〇：史緒里さんです


蓮加：はあっ！？


〇〇：うるさっ笑


蓮加：何で！？


〇〇：なんでって...史緒里さんが好きだから笑


蓮加：蓮加は！？


〇〇：姉ちゃんは姉だから別に...


蓮加：信じらんない！
応援してるって言ってたじゃん！


〇〇：姉だから応援してるってことだよ笑
推しとは違うよ


蓮加：よりによって同期の史緒里...


〇〇：史緒里さんめっちゃかわいいじゃん
全部が


蓮加：...つまり、史緒里単推しだと？


〇〇：うん
だから久保チャンネルのリアイベ行ったんだよ？


蓮加：私がゲストの回だったのに...

〇〇：史緒里さんまじ女神...


蓮加：蓮加単推しにさせるから！


〇〇：え、無理だよ


蓮加：無理じゃない！
絶対に蓮加を推させるから！



〇〇：え〜...


蓮加：覚悟しとけよ！




この日以来、蓮加による
「蓮加を推しにさせる大作戦」が始まった。