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応援したくなるバイオリニスト

最近、ラヴェル先生の曲でバイオリン用に編曲したものはないかと色々と検索していたところすごいバイオリニスト&編曲者を発見しました。ラヴェル先生の作品を他人が編曲した物ってバイオリン弾きの視点からみると満足できるものが少ないのですよね。

『モーリス・ラヴェルに駄作なし』というのがクラシック界の格言がありまして、作曲家たるものそうあるべしと思って、先生の作品をほぼ全曲聴きましたが、その妥協なき精度を誇る作品群に対し格言は正しいと確信しております。ただ残念なことに『ラヴェル作品を編曲した物には駄作多し』というのが正直な感想です。

私が高校生のときに声楽家の先生が「作曲された作品はすべて素晴らしいものであるから、駄作に聴こえてしまうのは演奏家の責任です。」とおっしゃっていたのですが、生意気にもそんなことは迷信であると思っており、今もその考えは変わっていません。特にバイオリン曲の場合、G線、D線、A線、E線の音色の違い、使える和音、開放弦、ハーモニックスを作曲家が理解しておく必要があります。

そんなこんなで、先生の自他共に認める20世紀の最高音楽であるラ・ヴァルスのバイオリン編曲物にはまったく期待はしていなかったのですが、ようやく納得できる編曲が出てきました。

この編曲の良さは、最初にオリジナルであるオーケストラ版を聴いてもらわないといけませんから以下に貼っておきます。ラ・ヴァルスはフランスのオケでないとなかなか雰囲気がでないですね。

そしてこの曲の凄さを解説してくれている動画がこれです。

YouTubeには自動翻訳機能があるので日本語での解説字幕を表示可能です。海外のマニアックな情報を知りたい人にとっては必須機能ですね。

ラベルスクリーン

この曲は、「我が仕事のクレド(綱領)」という位置づけなので、自身のピアノデュオとピアノソロ版があります。ピアニストにとっても演奏至難の曲として有名です。

こちらはソロ版。グールドの貴重な映像ですね。こんなのがあったんだと。それにしてもグールドですらもたどたどしいですね。歴史を感じます。この曲をまともに弾けるピアニストが出現するようになるのは、1970年以降ですよね。

こちらはデュオ版の代名詞というべきアルゲリッチ の演奏です。生で聴いたときはすごかった。

なのでバイオリニストの矜恃としては、この編曲を超える編曲をしなくてはいけないのですが至難すぎて誰もしようとしなかったのですが、ようやく出てきましたよ。

このPokhanovskiさん、バイオリニスト&編曲家のようでたくさんのラヴェル先生の作品を編曲しているようです。私はバイオリニストを評価する基準は新しい時代を切り開こうとしているかどうかということで、イザイ、ハイフェッツ、クライスラー、オイストラフ、クレーメル、最近ではイザベル・ファウストが好みなんですけども、このラヴェル愛、そして意欲は大いに買いたいですね。すっかりファーンになりました。この編曲で日本で演奏してくれないかな。ただ、日本のバイオリン愛好家は耳がものすごいことになっているので猛練習して挑んでほしいですね。イザベルさんはその雰囲気が好きなようですが、胃が痛くなるほどのプレッシャーすごいですからね。特にトッパンホールでやる場合はね。

楽譜は、デジタルデータとして販売しておられるようですね。


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