ヤマハらしからぬピアノ
私のピアノ選びの基準は弦楽器に合う音色のピアノ。バイオリンの高音域を邪魔しない煌びやか過ぎない音色、ジャズでいうところゴーストノートという鳴っているかどうかわからないかすかな音、影になるような音の音色。弦楽器と合わせるのであれば、中低域もっさりした感じの少し音色が鈍い感じ、ビオラのようなイメージのピアノ。音量バランスを考えて3型から6型のピアノがいいではないかなと思っている。
そういうイメージなのでヤマハのCXシリーズのピアノは弦楽器には合わないかなあと思っていたのだが、たまたまC3X espressivoの演奏動画を見て、これって今までのヤマハのピアノのイメージと随分と違うなと思い、銀座の山野楽器で試弾しに行ったところ、パーンとなる音の立ち上がりはヤマハなんだけど、その後にフワッとする上品な音の立ち上がりをする。これには結構びっくり。ピアノスタジオにおいてあるCシリーズのピアノとは明らかに違う。お店の人の勧めでS3Xも弾かせてもらったのだが、流石にこちらのがタッチとかは上質と思ったけども音色はどちらもいいね。C3X espressivoの方が明るい感じで、S3Xの方は端正という感じ。ノーマルのC3Xは調整中ということで比較するのはかわいそうだったけれども。
特に譜面台の両脇の穴がすごいいい感じで音を届けてくれるんだよね。低音弦の手巻きの巻線でSシリーズと同じものを使っているだけあって、低音をガツンと鳴らしても金属的な嫌な音がしない。高音域がキンキンせずやわらかさがあって良い。ペダル音も変なノイズが乗ってこないし、弱音ペダルの踏み替えもスムーズ。弾いていて楽しいピアノでこれはいいかもと欲しくなったけど。如何せん置き場所が問題で、防音ルームを検討しなくてはおけないね。防音ルームの方も色々見てきたのだけれども書くと長くなるので、次回の記事にしますかね。
⚫️参考動画
私の脳内の理想とは随分と異なってはいるが、弦楽器と良い具合に溶け合っていると思った動画。解説が長いので10分20秒あたりのラフマニノフのヴォーカリーズを先に聴いて見るのがいいでしょうね。ラスト曲のラフマのプレリュードの音の立ち上がり、音の消え方が素晴らしい。調律整音で中音域の音色をもう少しくぐもった感じで抑えてくれたらさらにとよい感じかな。espressivoは音色が明るいのでモーツアルトではこの調律で合うかもですけど。
⚫️試弾してみて
C3X espressivoは手作業の部分が多いので個体差が大きいのではないかと思い他の店でも試弾してきたが、銀座ヤマノ楽器においてある個体が良いかなと思った。ただ床に敷いてあるのがカーペットであるかフローリングであるかによっても随分と印象が変わる。特にフローリングの場合だと、C3Xとの違いわからない場合もあった。中古のC3Xでかなり良い調整のものがあったのでコスパ的にも100万くらいの差があるのでこちらも良いかなと。
前々から気になっているシゲルカワイSX2、SX3、SX5も表参道のカワイ楽器へ行って試弾してきたが、こちらの音色もかなり良いし、ガンガン鳴らしても金属的な嫌な音はしない。タッチは少し重め。高音部はもっと柔らかく調整できないかと尋ねてみたところ、これはできますよとのことだった。
シゲルカワイの場合は、調律師さんが資格を持った人しかできないのでメンテナンス費用が少し上がりますかね。2万5千円程度と言ってましたけど。
10月から価格改定されるので、C3X espressivoは400万を超えてくる予定。シゲルカワイSX3はすでに超えているけども。これに8畳クラスの防音ルームを足すと750万を超えてくるのでしばらくは保留かな。いずれにしても防音ルームは欲しいところではありますが。