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Voicyの放送を紙面化してみました

Voicyで毎朝届けている「京の歴史NAVI」を紙面に再現してみた。
(基本Wordで読み込ませて微調整かけてます)
https://voicy.jp/channel/1134

~ 2022年12月22日放送分 ~
「今年最後の散策講座は終い弘法へ!東寺と西寺跡を巡る」

 それでは京の歴史NAVI始めてますけれども、今日は12月22日木曜日と言うことになりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さあ昨日は昼から散策ツアーに行ってまいりました。大阪シティアカデミーという吹田のカルチャーセンターのツアーなんですが、現地集合現地解散でやらせていただいております。毎月第四水曜日にやってるんですけども、今回は第四水曜がかなり年末になりますので、第三水曜に実施。そして昨日は「終い弘法」ということでしたので、東寺の方に寄るコースに仕立て上げたんですが、まあ仕立て上げたというか普通に組んだんですけれども笑。

 さあこの東寺なんですが、いや昨日は本当に空いてましたね。びっくりしました。普通は10万人とか言われてますんで、すごい人かなと思いましたけど、そうではなかったのがちょっと意外でした。じゃあどんなコースへ行ったのか、どんな内容だったのかそれをお話したいと思います。それでは参りましょう!

 まずJR西大路駅に集合しまして、コースから申し上げますと、最初に行ったのが、若一神社ですね、そこから稲住神社、そして梅林寺、さらには円光寺、この辺は土御門家ゆかりの場所になります。そして高架をくぐりまして、西寺跡へ。まずは鎌達稲荷神社へ行きました。そして西寺跡、その後は羅城門跡矢取地蔵、そこからは東寺に向かいまして、東寺の蓮花門、さらに境内へと入りました。こちらでは御影堂前で解散、皆さんに「終い弘法」でのお買い物を楽しんでもらった後に再集合しまして、その後は櫛笥小路(くしげこうじ)を通って京都駅までというコースでした。

 今回「終い弘法」ということですので、やっぱり東寺の方がメインなんですけども、東寺に行くならやっぱり西寺もということで、西寺ももう一つのメインだったんですね。まずそこへ行くまでに若一神社に立ち寄りました。この辺はざっくり言いますと、京都の朱雀大路より西側になりまして、基本的には寂れてしまった地域になります。人があんま住んでいなかったために、平安末期に平清盛が西八条殿という巨大なというか、大きな屋敷を構えることができたんです。現在の梅小路公園の南半分がその場所だったと言われています。
 ですから若一神社の場所というのは西大路通に面してますので、ちょっと西へずれてるんですね。しかしこちらが清盛の屋敷の鎮守社だったのは間違いないとされています。もともと奈良時代から熊野大社にお祀りされている若一皇子を勧請して来ていたようですが、清盛の時代にはすたれており、清盛が熊野の神様のお告げを受けて、屋敷内に埋もれていたご神体を再度祀りなおしたと伝わります。これが西暦の1166年のことなんですが、なんと翌年に清盛は太政大臣に昇格できたということで、出世の神様、開運の神様としても信仰されてきたようです。
 クスノキが数本植えられておりまして、特に鳥居前にそびえ立つクスノキは清盛お手植えと伝わる樹齢800年の立派なもの。西大路通が南北に貫通する際に、このクスノキがじゃまになったのですが、伐ってしまうと祟りが怖いので、それを避けるように道が造成され、現在もその名残を見て取ることができます。

若一神社前の西大路通の曲がり

 そこから住宅街を東へ向かって稲住神社へ到着。安倍晴明がご祭神となっているのは、おそらく子孫の土御門家がこの地域を支配しておりましたので、もともと神社名から農耕の神様が祀られていたのを安倍晴明に変えたのではと推察されます。非常に見つけにくい場所にありまして、ギリギリ住民の方の努力で残っている。そんな雰囲気の神社になります。そしてここから梅林寺ですね、こちらは土御門家の菩提寺ということで、境内の墓地には安倍家の墓がたくさん並びます、安倍というか土御門家なんですが、お墓に入ったらみなさん安倍になるようです。そして南側に円光寺がありますが、これは土御門家の邸宅跡に建つ浄土宗の寺院で、梅林寺もそうなんですが、この円光寺にも境内には台石が残っておりまして これはおそらく星を観察するための道具をこの上で使ったんじゃないかと考えられています。

稲住神社の入口、見つけるのは難しい

 そこから南へ下って高架をくぐり、西寺跡に行きましたが、まずは鎌達稲荷神社へ。ここがね、すごく面白かった。パワースポットと言うことなんですが、伏見稲荷よりも古くからあったとも言われており、「元稲荷」とも呼ばれています。土御門家が鎮守社としたという事実だけでもしっかりパワーがありそうですが、社殿裏には父の三善清行の命を蘇らせた浄蔵貴所の塚がありますし、ここは何と言いましても「サムハラ」のお守りがあると言うことで、このサムハラというのはご存じない方多いんですけども、岡山県とそして大阪に神社があります。このサムハラという字、一瞬、日本語の漢字に見えますが、実際には無い文字で「神字」と呼ばれるものだそうです。この字自体に奇跡的なパワーが宿っているとも言われ、特に難を避けるという意味では、例えば戦場に出て行った兵士たちがこれを持っていると弾に当たらない などと言われまして、密かに大きな信仰を集めてきたんですね。京都ではここでしか手に入らないということで、そんな話をしてますと皆さんで結構買ってくれてました。おそらく半分くらいの人が買ったんじゃないかな。私の言い方がそういった形でまあなんとなく買わねばという気持ちにさせてしまったのかもしれませんが笑。非常に皆さん喜んでいらっしゃいました。ここは神社の方がいらっしゃらないので、そのお守りが箱に入ってるんですけども、それを取ってそしてお賽銭にお金を入れるという非常に善意に基づくシステムになっております。

 そこから西寺跡に行きましたが、これいつも思うんですけどもやっぱり東寺と西寺のこの対比があまりにも面白いわけですね。東寺というのは世界遺産で、完全な形でほぼ残っている。しかし西寺は同じ歴史を歩みながら、今や石碑が一本だけ。まあ少し基壇も残ってるんですけれども、そういった栄枯盛衰というかあまりの落差に愕然とするわけです。
 なぜこうなったかというと、おそらくこの寺院を任された人物の力に差があったのかなと。西寺の方は守敏大徳、東寺の方は弘法大師空海だったわけですね。そしてやはり西の方は湿地帯で住みにくく、土地柄も衰退しやすかったというのがあると思います。
 南側が唐橋小学校という学校があるんですが、この学校のグランドが金堂跡になり、石碑がある場所が講堂跡(西寺公園になってます)になるそうです。小学校の敷地も史跡に指定されていますんで、子供たちは史跡の中で学んでいるということになります。ちょうど小学生が下校時間だったんですけど、まあそういった学生さんの間を抜けながら羅城門跡に進みました。ここも公園に石碑が一本と説明板があり、さらに南側には弘法大師を守敏大徳の弓矢から守ったとされる矢取地蔵にお参りできるようになっています。

西寺公園にある西寺跡の石碑

 そしていよいよ東寺のエリアに入って行きました。東寺に入る時はだいたい南大門もしくはそうですね、東のほうの慶賀門から入ったり、あるいは北大門から入ったりする場合があるんですが、基本的には東か南だと思うんですね、西から入る人はあんまりいないと思います。そもそも西の方には蓮花門と小さな西門があるんですけども、蓮花門は空海がこちらから高野山に向かって出て行った時に、念持仏の不動明王が見送り来てたという逸話あります。その不動明王が立っていた場所と、弘法大師が歩いて行ったその後に蓮華の花が咲いたと言われており、門の名の由来となりました。 いよいよ西門から中に入って、御影堂前で一時解散と言うことだったんですが、本当にね、冒頭言いましたように昨日は参拝者が少なかったです。15時前の解散でしたが、もうそろそろ店仕舞いされてる方がちらほら出てきてまして、おそらく夜は雨にある予報が出ていて、そしてまあ一番日が暮れるのが早い時期ですのでね。ただ時間帯的には値段が安くなるということですので、結構お得な買い物できた人もいらっしゃいました。そして集合しましてそこから京都駅に向かったのですが、櫛笥小路を通りました。こちらが平安京の小路の最後の生き残りなんです。幅12メートルを保っている唯一の小路で、その横にある観智院も少し説明しながら歩いていただきました。ではこちらで一旦切らせていただきます。

いいかがでしたでしょうか?昨日二つ嬉しいことがありまして、一つは解散後、弘法市で私もウロウロしてたんですけども、パッと目が合った方がいらっしゃって、すぐにご挨拶をしてくださったんですね。実はVoicyを聴いてますと。今朝も聴いてたので、今日弘法市にいらっしゃることは知ってましたが、まさかお会いするとは!と。いつかツアーに参加したいと思っていますと。嬉しかったですね。そして講座が終わった時に参加してくださっていた親子の方から、子供さんの方が若い男性だったのですが、この方もVoicy毎日聴いてますと伝えにきてくれました。やっぱりこういった全く知らない方が声を聴いてくださっていて、実際にリアルで会えるというのはほんとに幸せなことだなぁと思いました。よかったらこうして聴いてくださってる方(これはnoteで読んでくださってる方)よかったら、ぜひお会いしましょう!楽しみにしております。それでは今日はこの辺りにさせていただきます。 らくたびの山村純也でした。ほなまたね。

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