3Dプリンターと鉄道ジオラマ製作①
お久しぶりです。洛星鉄研です。
当研究会は、今年度からの新たな取り組みとして、3Dプリンターを用いた模型製作を計画していました。その試作として、ある駅とその周辺のジオラマの製作が進んでいたのですが、時間的都合により文化祭での展示が叶いませんでした。
ですが、11月16日に行われる洛星中学・高等学校オープンスクール2024で、製作していた模型を展示する予定となりました。文化祭とは違い、入学希望の小学生たちに向けた展示となるものの、私たちの作った模型がお客さんに見てもらえるのはとても嬉しいことだなと感じます。
さて、3Dプリンターを使って模型を作るにあたって、「CAD」というシステムはとても重要になってきます。しかし、この「CAD」というシステムがどういうものなのか、どのようにして製作に役立てられるのか、知らない人も多いでしょう。ここからは、CADに関する説明も交えながら、私たちのジオラマ作りの様子を紹介していきます。
「CAD」とは?
ジオラマの製作について紹介する前に、まず「CAD」というものについて簡単に説明しておきます。
CADとは、コンピュータを利用して設計や製図を行う技術のことです。主に製造業や建築業、機械工学、電子工学などの分野で使用されており、手書きでの設計よりも正確で効率的な図面作成が可能となっています。CADには「2D CAD」と「3D CAD」の2種類があります。2D CADは平面的な図面を作成・編集、3D CADは製品や部品を立体的に設計、モデリングすることができます。私たちは3D CADの方を用いて、駅舎などのモデリングを行いました。
3D CADのソフトはいくつかありますが、私たちはAutodesk社のAutodesk Fusionを使用しました。このソフトは高性能のCADに加えて、製品を実際に作るためのプロセスを支援するCAMや、シミュレーションや解析に役立つCAEなども搭載している上、学生であれば無料でライセンスを取得することができます。CADを使った3Dモデル製作を始めたいと思っている学生には、是非ともこのソフトをおすすめしたいです。
(引用元:CADとは?基礎知識からおすすめ製品まで|初心者でもわかりやすく解説 | 株式会社エービーケーエスエス)
CADを使った駅舎の3Dモデル製作
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは実際にこのCADを使ったジオラマの製作過程を紹介します。
今回製作した駅は…
ジオラマを製作するにあたって、まずどの駅の風景をジオラマにするか、ということを決める必要がありました。CADを使って製作するのはこれが初めての試みであったため、「駅のの3Dモデルの作りやすさ」「周辺のジオラマの作りやすさ」「現地調査の行きやすさ」などに焦点を当てて話し合いました。その結果、製作するジオラマの題材は、京都府船井郡京丹波町にあるJR山陰本線の「立木駅」にすることに決まりました。
立木駅を選んだ理由としては、駅舎がシンプルな形でモデリングしやすそうだったことと、駅の大きさがジオラマにするにあたってちょうど良かったことなどが挙げられます。
立木駅への現地調査
作る駅が決まったので、早速駅舎ののモデリングを始めたいところなのですが、やはりモデルを作るにはある程度駅舎の大きさやホームの長さなどのデータが必要です。もちろん、インターネット上の写真などを用いてある程度予測はできるのですが、細かい大きさや高さというものがどうしても必要となってきました。そこで、実際に計測を行うために、立木駅に行くことになりました。
立木駅は無人駅で、駅周辺には特に目立った施設はなく、閑散としていました。また幸運なことに、調査をおこなった時間帯に列車が無かったためか駅で待つ客も一人もおらず、私たちは思う存分駅のデータ収集をすることができました。
駅自体がコンパクトであったため、5メートルメジャーでも十分駅の奥行きや高さを測ることができ、写真を使った予測よりもはるかに正確なデータを得ることができました。また、駅舎の窓の配置や待合室の掲示物など、現地で見るまで分からなかった部分がはっきりしたため、ジオラマ製作にとって非常に有意義な現地調査となりました。
次回へ
駅のデータも収集できたので、いよいよここからCADを使ったモデルの製作を進めていくのですが、少々長くなってしまったので続きは次回に回そうと思います。CADを使った製作についてあまり触れられなくて申し訳ございません…
次回は実際にCADでどんなモデルが作れるのか、またどうやって作っているのかについて紹介したいと思います。ここまで読んでくださってありがとうございました。