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文化祭に向けて―展示模型製作①

こんにちは。洛星鉄研です。

来る9月13日、洛星中学校・高等学校では、第73回文化祭が開催されます。期間は9月13日〜15日の3日間で、私たち洛星鉄道研究会を含め、たくさんのクラブ・同好会・展示団体が様々な展示・企画を行います。

さて、この文化祭で洛星鉄研は、運転シュミレーターや特集展示などの企画・展示を行う予定ですが、やはり目玉となるのは鉄道模型ジオラマです。例年、洛星鉄研は文化祭で鉄道模型ジオラマの展示と鉄道模型の運転体験を行っており、毎年多くのお客様に来ていただいています。
今回は、この模型製作の裏側を紹介したいと思います。最後まで読んでいただけると幸いです。

計画段階

例年文化祭で展示している模型は、過去に先輩方によって製作された模型
を毎年少しずつ改良・改変しながら展示しています。今回の文化祭に向けては、かつて工場や車庫が置かれていた模型右奥の部分などを新たに作り直すことになります。

模型製作は、まず作るジオラマのコンセプトを決めるところから始まります。どんなジオラマにするべきか、模型製作を担当する会員の間で意見を出し合い、予算や製作にかかる時間などを考えて一つに絞っていきます。今回製作するジオラマの一つは海に近い場所であるため、その条件を生かしたジオラマが求められました。
海水浴場、変電所、ホテル街……いろいろな意見が出ましたが、最終的には「栄えた港町」をコンセプトとすることに決まりました。

コンセプトが決まれば、次に必要な建物や道路の位置などを大まかに決めていきます。建物の大体の配置が決まると、いよいよ製作に取り掛かります。

ジオラマ製作―港町

さて、ここからジオラマを作っていくのですが、実は今回ジオラマを作る場所は、先述した港町を含めて4ヵ所あります。そのうち、今回は「港町」と「駅の近くの街」の2つの製作過程を紹介します。すべての製作を紹介できない点についてはご容赦ください。
まずは1つめの、「港町」の製作過程を紹介します。

工場の高台撤去作業

早速ジオラマ製作……としたいところですが、まずは工場があった場所の段差になっている部分を撤去しないと製作に取り掛かれません。そのため、私たちの作業は段ボールカッターやバールを使った高台の撤去作業から始まりました。

高台として使われている発泡スチロールの接着が思ったよりも強力で、剥がすのには相当の苦労を要しました。数人がかりで発泡スチロールを取り外した後は、土台に残った接着剤を剥がす作業が待っていました。地道な作業でしたが、終わった後にきれいになった土台を見るとそれなりの達成感がありました。ですが、これで終わりではありません。むしろ、ここからが始まりです。

建物・道路の位置決定

ようやく、ジオラマ製作の作業に取り掛かれます。最初に、建物・道路の位置の最終決定を行います。
先述した通り、計画段階で既に建物や道路の位置は簡単に決めておいたのですが、建物を配置してみないと分からない問題もあります。そこで、鉄研が現在所有している建物や車の模型を実際に置いてみて、どのように建物を置き、道路を配置するかを確定させます。

建物の仮配置。ここからどのように道路を作るか話し合って決めていく

傍から見ると遊んでいるように見えるかもしれませんが、これを行うことで意外と致命的な問題が見えてくる場合もあるため、この作業はとても重要です。

港の製作

次に、今回のジオラマの要ともいえる、港の部分を作っていきます。漁港の建物、海に設置する船やテトラポットなどのオブジェクトには、既製品を使用しました。
堤防の位置や向きなどの構成は、会員内で話し合いながら決めていきました。また、堤防をジオラマの端から設置するために、わざと陸に近い部分の岩場を削るなどの作業を行いました。最終的には、かなり本物に近い港を作れたのではないかと思っています。

完成した港

道路の製作

その次に、道路を製作します。道路を作るときの土台となるのは、厚さ5㎝の巨大な白いスチレンボードです。このスチレンボードに道路上の白線を描き、灰色のスプレーで塗装することで、舗装道路を表現します。

道路上の白線は、1㎜幅のマスキングテープを線に沿って貼って表現します。テープの上から塗装することで、テープを貼っておいた箇所が白く残り、白線を表現することができます。
白線を作る上で苦戦したのは、やはり曲がり角や曲線道路などの線が曲がっている部分です。曲線をその先の線に合うように、そしてできる限り自然に表現するのは至難の業でした。
また、白線だけでなく、横断歩道や停止線、駐車場の線など、細かなところも一つ構成地道にテープを貼っていきました。これはかなり集中力と根気がいる作業で、会員みんなで協力して作業を進めていきました。

道路製作時の様子

全てのテープを貼り終わった後は、建物を置く場所の板をカッターでくり抜いていきます。これは、建物の模型には元から地面がついていることが多く、そのまま接着すると道路との間に段差ができてしまうためです。塗装後だと、板に印を付けにくくなってしまうため、この作業は塗装前に行う必要があります。

塗装 そして…

これらの作業が終われば、いよいよ板をスプレーで塗装していきます。色ムラが出ないように少しずつ塗り重ねながら塗っていきます。塗装が乾いたら、テープを剥がして白線を表面に出します。こうしてできた道路がこちらです。

塗装後の道路

これで完成でもいいような気がしますが、まだ終わりではありません。ここに建物や、信号機・ガードレール・標識などの小物を配置して、ようやく完成となります。

建物の一部は設置する前に、「かさ上げ」をしておく必要があります。「かさ上げ」とは、建物に付いている地面の厚さが5㎜より薄いとき、下に同じ大きさに切ったプラ板貼り付け、道路と同じ高さにする工程のことです。これは外から見えない地味な作業ですが、建物の周りを陥没させる訳にはいかないので、重要な作業です。1㎜と3㎜のプラ板を駆使して、厚さの違う建物を必要な高さだけかさ上げしていきました。

最後に、信号機やガードレールなどを塗装し、ジオラマに固定していきます。これでようやく、「港町」のジオラマの完成です!

完成だー!

後編へ

1つめのジオラマ製作の紹介だけでもかなりの文量になってしまったため、2つ目のジオラマ製作の紹介は後編にすることにします。コンパクトにまとめられなくて申し訳ありません…
後編では2つ目のジオラマ製作とジオラマ作りの魅力を紹介します。ここまで読んでくださってありがとうございます。


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