R3事例Ⅰ 再現答案 75点

とりどしです。令和3年度の事例Ⅰの再現答案です。(再現率95%以上)

はじめに

直後の自己採点:16+12+10+10+10=58点

得点開示の結果:75点、と手応えとまったく一致しない結果でした。

ただ、このR3の結果とR2の結果から、「文章の読みやすさや印象が、やはり大きな得点差に繋がっているのでは?」という仮説を個人的に立証できているように思います。

以下は、「当日中に作った再現答案」「再現直後の所感」「各予備校の回答要約」です。R4試験に向けて自分用に作っていたメモなので、所感が独り言チックですがご容赦ください。

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第1問

理由は①環境変化に対する経営リスクを低減させ②図面作成や顧客対応に経営資源を集中し中核能力を強化するとともに外部企業の専門性を活用し、差別化集中、高付加価値化し、高精度な印刷領域の需要を獲得するため。(100字)

(直後所感)この問題だけが唯一のEasy問題だったので、安心するため解答プロセスを崩してでも早々に書き上げた。「美術印刷」のKWも入れたかったが字数的に含められず。リスクヘッジと特化集中の軸に触れたので60%はあるはず。(予想点数16点/20点)

KEC:①技術進化や陳腐化へのリスク低減、②経営資源集中、高精度な美術印刷のニーズに対応。
大原:競争環境回避し高付加価値事業を行うため。専門特化、SC構築で美術印刷に絞り需要獲得。
TAC:環境変化に対し高精度ニーズへ差別化図るために専門特化した制作工程が得策。
TBC:①環境変化対応、②ディレクションに経営資源集中、③専門性確保で顧客ニーズに柔軟対応。
MMC:①人材設備の社内保有不要②ディレクションに経営資源集中③美術印刷の顧客ニーズ対応。
EBA:①経営資源集中②外部の専門性活用し、顧客ニーズ対応、美術印刷に絞り収益改善。

第2問

理由は①3代目の広告代理店での経験を活用しデザイナー等との進行管理体制を強化するため②権限委譲し意思決定の迅速化で必要な人材を確保するため③紙媒体以外の領域参入に向けた強みを強化するため、である。(98字)

(直後所感)「デザイナー2名採用を人脈で採用した」以外の記述がなく、類推割合が高い問題。経験の活用、権限委譲で迅速化、将来への展開、の3軸としたがいかがか。
(後日所感)読み返してみたら、3代目は外部人材ではなく同族の息子なのか?明確には書いていないからどっちとも取れるが。。同族なら最初から後継者育成を前提にした登用の可能性は極めて高くなる。捉え間違ったか?(予想点数12点/20点)

KEC:前職の経験と人脈を活用し、事業拡大、ニーズ対応、円滑な事業承継に繋げる。
大原:従来発想に捉われない新視点で事業展開するため。デザイン中心の新組織が必要と判断。
TAC:社外経験や人脈が活かせる、前例に囚われず事業変革できる。経営者教育。
TBC:①新しい考えで新規事業を展開、②前職の人脈や経験を活用し外部連携を促進。
MMC:①専門的知識取得②人脈による専門性人材確保③既存顧客への需要の創造・拡大。
EBA:①A社文化にとらわれない意思決定②広告代理店の人脈と経験活用③後継者育成。

第3問

利点は①既存顧客経由での需要獲得による売上増加と経営リスク分散②スラック資源の有効活用③アイデンティティの確立である。欠点は①経営資源の分散による経営の非効率化②費用増加に伴う経営リスク増大である。(99字)

(直後所感)超難問。まず多角化が上手くいっていないため、利点から書き出すのが非常に難しかった。「多角化のメリットデメリットの1次知識をまたしても2年連続で「シナジー」という言葉を思い出せなかった。「アイデンティティ確立」は良く思い出したという感じ。(予想点数10点/20点)

KEC:既存顧客へのビジネスの幅が広がる。競争環境厳しく営業人員や資源の投入が必要。
大原:価格競争の回避、新たな協力関係の実現。競合多数存在し受注拡大が難しい。
TAC:紙媒体依存脱却体制、シナジー効果。厳しい競争環境で営業に経営資源投下が困難。
TBC:既存顧客へ新規価値提供で業務拡大の可能性。競争優位性がなく事業が進展しない。
MMC:経営リスク分散、新知識の有効活用。厳しい競争環境への参入、営業人材不足。
EBA:紙媒体依存しない分野での収益獲得。セクショナリズム発生、資源分散。

第4問

①協力会社ネットワークを拡大・分散させ、特定業者への依存リスクを軽減しつつ②各工程の業務標準化やコミュニケーション円滑化、ビジョンや情報共有の強化を行い、バリューチェーン全体の付加価値を向上させる。(98字)

(直後所感)「バリューチェーンを強固にする」以外の方向を思いつかなかったので、これも大外しの可能性はある。関係性を強化することはあっても、「優位に立つ」や「支配を強める」はないだろうし。依存リスクに触れつつ、強固にするための具体策として、標準化、円滑化、情報共有、に触れたがどうだろうか。(予想点数10点/20点)

KEC:プロジェクト単位から恒常的アライアンスに深化。情報共有、緊密な連携、変化へ共同対応。
大原:プロジェクト単位から継続的関係に発展させ、社内外資源を柔軟に活用する体制へ。
TAC:コミュニケーションの一方向から双方向化し新製品開発、顧客提案、価値共同創造。
TBC:①関係強化、協力会社拡大で依存低下、②異能人材と交流強化、学習機会獲得。
MMC:印刷事業、デザイン事業、サプライチェーン事業、等で関係し発展。
EBA:業務提携等の戦略的提携に発展。外部人材との交流、広告代理店経験での営業活動。

第5問

課題は①広告制作領域の需要獲得のための営業力強化②バリューチェーン最大化③3代目の意思決定権限強化である。解決策は①営業部新設し部員採用、教育で提案力強化②2代目の株式分配や支援で意思決定迅速化する事。(100字)

(直後所感)「さちのひもけぶかいねこ」を活用し、採用:営業部員の採用、能力開発:提案力強化、部門:営業部門の新設、階層:営業部門の多重利用を思い付いたが、「全社の経営」「同族でない3代目」のポイントから、スムーズな事業承継や意思決定権の承継も想定し、加えた。100字で課題を3つ書いたのは欲張り過ぎた。(予想点数10点/20点)

KEC:既存顧客経由の受注獲得から脱却する体制構築。提案営業力を有する人材確保、営業部新設。
大原:印刷業撤退と広告制作拡大、提案営業体制の見直し。営業部新設、人員再配置、企画力強化。
TAC:新規顧客獲得能力向上。トップセールス、営業担当の採用育成、部門設置と段階的に進める。
TBC:ディレクション強化し成果創出、新規需要創造。探索専念者の選抜、権限付与。
MMC:①収益力ある組織体制構築、事業部制採用②人事制度整備、営業の中途採用や研修実施。
EBA:印刷と広告制作の相乗効果。アートディレクター育成、部門間交流、新規開拓。

(直後全体所感)
「外部リソースを活用したバリューチェーン」「新規事業が上手くいっていない」「同族外の3代目社長」というストーリーの根幹だが、作問者の要求ゾーンに綺麗に回答できた手応えはない。設問の分かりにくさ、与件文のヒントの少なさという事例Ⅰの典型的パターンに今回も苦戦したが、振り返れば、例年通りという感じなのだろう。「この観点で閃かなかったら負け」というゲームに参加している感じがして、国家試験としてはどうなんだろうと試験中に思った。

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おわりに

はい、こんな感じです。いかがでしょう。これが58点だと思っていたら75点だった回答です。何かの参考になれば幸いです。

ちなみにR2はこんな文章を書いていて、割とあってるはず!と思ってたら52点と散々でした。 ⇒ 「R2事例Ⅰ 再現答案 52点

事例Ⅱはこちら「R3事例Ⅱ 再現答案 73点
事例Ⅲはこちら「R3事例Ⅲ 再現答案 67点

ご覧いただきまして、ありがとうございました。

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