経理・監査・アドバイザリー業務で頻繁に使用する「内部統制の整備状況」という言葉。この「整備状況」とはどのような意味でしょうか?
結論から言うと、内部統制の整備状況とは、「内部統制のデザイン及び業務への適用の状況」のことです。
基準等において「整備状況」の定義が直接記載されていないためそれぞれの「整備状況の評価方法」を参考に「内部統制の整備状況」の意味を考えていきます。
1.財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準
業務プロセスに係る内部統制の整備状況の有効性の評価を例にとると、整備状況の評価については以下のように記載されています。
2.財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」
全社統制の評価方法に関する記載では以下のことを評価することになっています。
また、業務プロセスの評価方法に関しては以下のことを評価することになっています。
3.監査基準報告書 315
監基報では内部統制の整備と整備状況の評価について以下の通りとされています。
4.まとめ
以上の基準等における内部統制の整備状況及びその評価方法に関する定めを見ると、内部統制の整備状況とは「内部統制のデザイン及び業務への適用の状況」だと言えます。
なお、「適用」とは捉えにくい言葉で「運用」との違いがハッキリしません。
ここは別の機会にお話します。