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ここはぼかれびゅの墓場 #ボカロリスナーアドベントカレンダー2023


ごあいさつ

インフルエンザに負けました。楽宮です。
こちらは「ボカロリスナーアドベントカレンダー2023」の2枠目です。

ゆるめ枠ということで、な〜んかぼかれびゅ公式に投げ損ねちゃったレビューをここに墓碑として供養することにしました。
編集機能最高〜〜!!満足したらSNSで共有するね💕︎

ひと枠目で書いた本気note2023は⬇️です。DJについて、今年出演させていただいた「カラーレスジュエリーズ」を例に懇々と語っています。

ぼかれびゅ墓碑

カフェインロス/メレル

没理由
「うわあああ良すぎるぅぅううううくぁwせdrftgyふじこlp」となり、まともなレビューが出来なかったため。

恋人との別れ話の一瞬を切り取った切ないVOCAROCK。軽快なギターとドラムのトラックに抑揚のあるミクの声が切なさを際立たせる、安定感がありながら情緒的な1曲。

この曲を初めて聴いた時の感動をパックにして売りたいくらい、この曲の音が気持ち良すぎるんだよな〜〜〜〜‼️‼️
この曲のテンションならこういう音来て欲しい! と、思ったところにバチーンとハマる音! リズム!
いや天才か?
特におすすめなのは1番Bメロのタム連打でテンションを上げてからの、各楽器の主張がぶち上がって聴こえるサビ。これ聞いた時思わずガッツポーズしちゃった。

カフェインロスの天才性はメロディだけにとどまらない。

いつも通り斜め前 あなたは目を逸らしたまま 残ったコーヒー飲み干して 言葉を選び始めた

おわァァァ切ない……
この最初の2行だけで、慣れ親しんだ2人が大切な、さらに言えば切り出しづらい話をするために集まったことがわかる。「いつも通り」と「言葉を選び始めた」という言葉の日常/非日常のコントラストがそっと緊迫感を生む、描写のセンスが光る一説だ。

「正しい言葉ひとつ見つかんない」「「謝らないで」しか言えなかった」「時間が経ったら何も言えなくなる気がした」

これらの歌詞全てが、「僕」と「あなた」が普通の優しい人で、お互いが大切で、それでもすれ違った末に別れ話をしないといけないという苦しさが滲む。別れ話はいつの時もクソしんどいけど、これをここまで言葉で表現できるセンスに脱帽する他ない。

中でもお気に入りの歌詞がこれ⬇️

割ったグラスさえ直るような言葉を 与えてよ

うわあああああ……!!!

この歌詞で、この2人は決定的な「何か」をしてしまったのだと伝わってくる。部外者が何を言おうが、この2人にとってこの恋は「割ったグラス」と同じくらい不可逆に壊れてしまったのだ。
しかも「割れた」じゃなくて「割った」なのが、悲しいことに2人の重ねた選択の末だったことを教えてくれる。それでも元に戻るような魔法を求めてしまう切なさたるや……。

プルート/マリー

没理由
「ぼかれびゅ通信」のおにくるちゃんの紹介で知り(しかも知った時点で投稿からまぁまぁ経ってた)おにくるちゃんレビューするかな〜と思ってたら新曲の波に流された。
そして、どうせ⬇️みたいな構成もクソもないレビューになるんだろな…と思ったので。

8bit風のシンセサイザーがアクセントになっているポップ調なロックナンバー。全体の曲調はストレートながらも、1番の間奏からマーチっぽくなったり2番の間奏でリズムが半テンする(多分)など、細かい工夫が凝らされている。


この曲の推しポイントは、曲の構成が曲のストーリーと一致する点だ。

例えば私が星になって
誰かに見つけてもらえたら
それってちょっと素敵ね
諦めた君も救える

歌い出しのフレーズは、可愛らしいシンセサイザーに1音ずつのギターが響く。歌とシンセサイザーのシンプルな組み合わせは、歌詞中に出てくる「星」をイメージできるような静かな音作りになっているのだ。
このフレーズの「救える」の部分から、一気にギターとドラムが入ってきて楽器隊の力が強くなる。この部分の静かな音、静かな歌詞、静かな情景とのコントラストをしっかり表現して次のフレーズへ向かっていく。

口には出せない感情を
綴る君の鉛筆になってみたい
裸の言葉で私を粉々にして

楽曲も最序盤を過ぎてBメロへのブリッジとなるこの一節、突然音が強くなった楽器隊に合わせ「私を粉々にして」という強い言葉のチョイスが自然なテンションの上昇を引き出している。

裸足で駆け上がる
ダンサー・イン・ザ・ギャラクシー
放課後のラプソディ
家に帰る前に
スカート少し折って
くしゃみ弧を描いても
寂しくなるだけで

2番の冒頭で、初めて主人公が学生であると明かされる。間奏でリズミカルなビートに切り替わってからのシンセサイザーで、青春の煌めきを感じることが出来る(経験則としても、高校生の時の恋愛は実らなくても素敵な思い出としてパッケージングできているような気がする)。

好きになったの
別に平気だよって笑ってる
偽物の笑顔
優しく在ろうとする強さを

気づいて欲しい
君は綺麗だ
音の無い闇の中
私は歌うよ 歌うよ
届かないとしても

いわゆる「落ちサビ」と呼ばれる部分である。前半はほとんどピアノのみで「君」の控えめで健気な印象を、後半は他の楽器も合流して「気づいて欲しい」という訴えを力強く乗せていく。

てかこの落ちサビ、シンプルに歌詞が好きすぎるんだよな……。

「好きになったの 別に平気だよって笑ってる」
君の恋は、きっと叶うことがないと誰が聞いても最初から分かるような苦しいものだった。「私」に自分の恋心を打ち明けるまでにどれほどの時間がかかったのか、その胸中はどれほど葛藤を抱えたのか。
そしてその葛藤を「私」に移してしまわないように「別に平気だよ」って笑うのだ。

それに対応する歌詞が「私は歌うよ 歌うよ 届かないとしても」。
別に君の恋愛について何か言及するわけではないけど、「君は綺麗だ」と気づいてもらうために歌うのだ。「気づいて欲しい」というのはあくまで自分発信の要求で、「君は綺麗だ」と知って欲しいのはあくまで私だという明確な一線がある。

愛だねぇ〜〜〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️

猫背さん/Se

没理由:ウワァァーーーーーーーッッ!!!!!(童謡みたいにゆったりとした優しいリズムと好きな人を思い出す心があったまる歌詞が1分半に詰め込まれたあまりの尊さにオタクが大爆発する音)
↑こんなん出せるかい

シンプルなバンド編成に切ない歌詞が乗った短いロックナンバー。イントロとアウトロで印象の大きく異なるフレーズがあるのも面白いところ。

『猫背さん』という曲は、後奏に出てくる文章も合わせることで作品の物語が分かるようになっている。

この部分。良〜〜〜〜〜〜〜

あなたのことを時と共に少しずつ忘れてしまう不安が如実に現れている。歌詞の「いま、思えば全部が幸せだったな」という部分に少しの雑さが伺えて、幸せだったけど具体的に説明できないところに説得力がある。
多分人間はみんな好きな人が居なくなると幸せだったこと以外を覚えていられないのだろう。
そう思えば、「開け放った窓から風が吹いた
深く息を吸って背伸びをした」という歌詞も残酷に聞こえるかもしれない。「風」という流動的なもの、「息」という命を繋ぐものを出すことによって、思い出を取っておきたい気持ちと裏腹に自分を取り巻く時間だけが先に進んでいく無常さが表現されている。

この曲で私が1番推しているポイントはタイトルの『猫背さん』だ。
「〇〇(形容詞)さん」は通常相手に親しみを込めた呼び方だろう。「おばかさん」とか。
きっとタイトルをつけた人は、鬼ほど姿勢の悪い主人公に対して呆れたこともあっただろうし、その体の疲れを心配したこともあっただろう。猫背が特徴として出てくるくらい長く猫背を見てきたのは、きっと「あなた」の他にはいないだろう。タイトルに「あなた」の影が感じられるところにかつての幸せな2人のあり方を感じることが出来るのだ。

ウワァァーーーーーーーッッ!!!!!(あまりの尊さにオタクが大爆発する音)


おまけ

先日、ニコニコ公式生放送「はろー!にゅ〜みゅーじっく!」に出演させて頂きました。楽しかった〜〜‼️感想お待ちしてます。
タイムシフトはこちら👇

ゲストの「め」さん、世界電力さん、楽宮の3人は事前に10選をドワンゴ様に提出したのですが、3人とも頼まれてもないのにコメントをつけて提出したらしいです。
おまけとして、今回私が送った10選のコメントをここに垂れ流します。

①「カフェインロス」

非常に完成度の高い曲だと思います。テンションの上がる曲構成や各楽器パートのまとまりは「次こういうの来て欲しい!」という気持ちな120%応えてくれて胸が熱くなりすぎて発火するかと思いました。また、歌詞も非常によく練られています。情景描写と心情を織り交ぜて表現することで、登場人物の「悲しい」「苦しい」という心情がよりビビッドに伝わってきます。

②「絶望。」

音楽を愛するすべての人に聞いてほしい、とそう願っています。

「注がれてしまった その期待は 蹴散らしていいんだぜ? 答える義理などはないからさ それでいいからさ 貴方らしく生きる それが前提。」

2番は「砂の惑星」の文脈を汲み取っての歌詞になっていますが、初めて界隈を離れる作曲者について言及したのではないかと思います。「貴方らしく生きる それが前提。」私も常に作曲者に対してこう思っていたいものです。

③「leaves in the box」

こういう曲評価されてほしいなぁ……。聞いてるとめちゃ落ち着くんですが、単調なわけではないのがポイント。「感動のアンサーを」の後のサビで展開が変化したり、1番と2番のメロディーが変わっていたり、デュエット部分があったり……と、飽きない後世になっています。埋もれてほしくないので、推薦させていただきます。

④「彼方のひかり」

「あの人は美しい できそこないじゃないみたい おたがいにそうだと思っていた おたがいに気づかなかった」←人間あるあるですね……。自分の至らないところも少し許せるようになる1曲です。ドラムが好き。

⑤「レインドール」

Lo-fiっぽさがある落ち着いた編曲がエモーショナルなボーカルを引き立てるR&B。ド性癖。裏命の落ち着いた耳心地のいいこの声、一生聞いてられますね。


⑥「境界線でダンス」

踊りたくなると思うじゃないですか?……踊りたくなるんですね~~!2023年一番DJでお世話になった楽曲です。体を動かしやすいテンポ、みんな踊ってるMV、ブラス音にホイッスルやマーチのドラム音などなど、パーティーにぴったりな1曲です。

⑦「奥義」


めっっっちゃ感動した……。出会った瞬間は他人だったけど、親子愛のようなものを感じられる大作です。とりあえず見てくれ、そして泣いてくれ。

⑧「メルティミルキィ」

浮遊感のある編曲に切ないメロディーが突き刺さる1曲。ちるりさんは離別の歌詞を書く才能が光っているなぁ……と聞くたびに思います。この曲も、もういない「君」に向けて語られた1曲なので、誰かのことを思い出しながら、時折じっくり聞きたくなります。


⑨「キネトタイキ」

2023年で1番刺さったEDMです。洗練されたトラックと映像美はもちろん大音量で見聞きした過ぎて駄々をこねてしまうほどなのですが、なんといってもコーラスがきれい!合成音声を楽器として使うとするなら、こんなに最高な使い方はないと感じます。めちゃくちゃ没入できます。最高~~~~!

⑩「猫背さん」


初めて聴いた時、あまりの良さに爆発四散したのはいい思い出です。サウンドはちょっとフォークっぽいのどかな雰囲気をまとわせつつ、歌詞ではずっといない人の話をしていてめっちゃ胸が苦しいんですこの曲……。幸いにもまだ身近な人がいなくなった経験はないのですが、私はきっと大切な人のこと、思い出を忘れていることに気が付くたびにこの曲に帰ってくるのだと思います。

「季節が移ろえば、僕はまたひとつあなたのことを忘れるのだろう。それがとても怖い。」

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