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明治ザ・チョコレートの苦い思い出
それはまだ私が派遣社員だった頃。仕事の合間によく明治ザ・チョコレートを食べていました。
その当時、近所のスーパーでは通常250円くらいするものが、安い時は100円台で売っていたので、まとめ買いしておいたのです。
派遣先での出来事
ある日、私が働いていた部署に後輩の派遣社員が入ってきました。彼女はちょっと個性的な風貌と受け答え(声も)で、常になんというか、こちらの感情をかき乱す人でした。
こちらが仕事に集中していようがお構いなしに話しかけ、とっさのことに私が驚くと、私の驚いた姿が面白いと笑うのです。
そのくせ、自分が集中している時に他のスタッフに話しかけられるのは嫌で、「◎◎さんが急に話しかけてきて嫌だった~」と、愚痴を私に言ってきました。
そんな彼女は、私が休憩中に明治ザ・チョコレート食べていると、物欲しそうな目でこちらを見てきました。
根負けして私が明治ザ・チョコレートを一切れ渡すと、一応お礼はいうものの、自分がもらえると確信しているようでした。
それでも私は、彼女にチョコレートをあげ続けました。それには打算があったからです。
打算の苦さ
派遣契約の更新が迫っていた私は、仕事以外でもコミュニケーション能力があることをアピールするため「優しい先輩」を演じました。
自分が食べたいチョコを後輩に渡したり、面倒な業務を引き受けたりと、私なりに努力をしたのですが、最後に契約を切られたのは、私でした。
会社は彼女を残して、私を切ると伝えてきたのです。
情けは人の為ならず、チョコは自分で楽しむべし
仕事のレベルは同じくらいだったと思っていたので、聞かされた時はショックでした。
私が無駄な「いい先輩」アピールをしている間に、彼女はしっかり、上司たちの心を掴んでいたのでした。
結局のところ、私のチョコ接待は失敗に終わったわけです。
その後、コロナ禍もあり、明治ザ・チョコレートはしばらくスーパーの店頭から姿を消していました。
しかし、先日、久しぶりに明治ザ・チョコレートをネットで見かけたので懐かしくも苦い思い出が蘇ってきたのです。
やはり、自分の好きなものは、自分のために楽しむべきだと気づかせてくれた明治ザ・チョコレートの思い出でした。