ぐるぐる使えず
ぐるぐると思考をめぐらせてしまう。
頭の中の環状線に乗ったが最後、降り時をついつい、見失う。
とある人の本を読んだ。
感想をべら、べらと話したいけれど、作者に直接感想を投げることができない。矢文の矢の鋭利さが、自分には分かりかねる。
目に触れるかもしれぬ、というのは慎ましさか、只の自意識過剰か。
書き損じはがきが又、メモ帳とノートに溜まっていく。
言ってはいけない、書いてもいけない主張が、ぐるぐる廻る。
眠っても眠っても、環状線はルート通りで、どこかしらの路線のように、どこか遠くへ連れて行ってくれる訳でもないのに。有害なリズムに乗って、ぐるぐる、と片輪に回る。安定性を欠きながら、脱線しない限度、ギリギリで走っている。
ああ、しらふだと、ダメだ。
飲酒運転にならない様に、今日はここいらで思考から降りよう、車掌に酒を飲ませれば、厭が上にも降りられる、昨日も、一昨日もそうだったように。