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神さまのロケハン⑤
昨夜は眠剤を追加せずに眠れた。穏やかな眠りだった。いつも眠りの妨げだと思っていた文吾さんの御霊も、昨夜に限り味方になってくれた。
どういう事かと言うと、自由に寝返りが打てるようになったのだ。夢の中で彼は私の体を支える役割をしてくれた。かつて抱き合って、心地の良い位置に身を任せたときのように。
愛に包まれ、私は今朝眠りから覚めた。
明日になると、私は自分の生活に戻る。もう眠れないからと相手してくれる看護師さんはいないし、夜中までモバイルを触っても咎めるものはない。
文吾さんが用意した今日までの治療機関での加療が無駄にならないように、自律して歩んでゆきたい。
年の瀬、まだ新年は祝えないけれど、ひとつ大人になった楽子をお楽しみに。