神さまのロケハン①
人の生き死には運命めいていて自分でコントロールできる不思議なものだと私は思う。
文吾さんが死んだ。
私の目の前で、急にパタリと心臓を止めた。
私と文吾さんが出会ったのは4年前、コロナ禍のど真ん中、その頃は私は娘と二人暮らしのシングルマザーで、双極症を抱え、ストレスから避けるように仕事をセーブしながら看護職をこなしていた。
文吾さんも、アル依と言う精神不調に悩まされていたと思う。
当時、私はclubhouseで二人の男の人を好きになった。
1人は東京に住むパナソニックの役職のある方。私は東京まで行き食事をした。話も上手で気の合う方だったけれど、そこまで留まりのような気がした。そして何より匂いが違った。文ちゃんとのそれは違和感なく通づるものがあったから。
私は、娘を置いて、長崎へ足を運び文吾さんと出会った。