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kotoriの巣立ち2
♢子育て世代へ伝えたいこと
この前、子育てさなかの友人に会いました。
彼女には「ことり合戦」が発売されることと
ことり合戦のあらすじなんかとともに
近況を話しました。
わたしは気づくのです。
もう子育ては卒業したのだということ。
なので彼女に対しては
OBの目から話すように語りかけました。
親はみな、
自分の子育てが間違っていないかと
懐疑的に模索している。
そんな気がしました。
どんなお母さんでも
「あなたは母親合格なんだよ」って、
伝えたくなりました。
世の中の子育て論はこうしたら正解みたいな
流れがあって、それはその正解をすると
楽だというだけの論調なのに
その正解ができない私はダメだ。
なんて決めつけて自分にバッテンをつけてしまうお母さんがいる事。
そんなお母さんにこそ、
ことり合戦を読んでもらって
もっとバッテンな親がここにいたのだと
笑って欲しい。
読者に、寄り添える作家でありたい。
♢clubhouseを開くこと
音声SNSで
時間があれば執筆後記みたいな部屋を
開いてお話をしています。
はじめはなんの気なしに雑談できれば、
なんて気楽に始めていました。
けれど、続けていくうちに
このエッセイに沿って
一人で話す事になりました。
ある人からは
楽子さんは話していく必要があるのだって
言われました。
話してるうちに作品の持つエネルギーが
変わるらしいです。
それと新たな発見もありました。
録音に残してその時々の想いに
向き合うこと。
これが大きかったです。
このルームの終着点は発売後に
アナウンサーと一緒に
出版記念ルームをすることです。
それまでには
うまく自分のことを話せるようになること、
この本の知名度を上げることを目標に
clubhouseを開いています。
♢聞くこと
書き手に必要なことは
意外と聞くことだったりするんです。
全く反対の行為なのですが。
聞いたりすることで膨らむのが
想像力だったりします。
聞き手になるとその想像を掘り下げて自分の
空想と相手のイメージが合致しているかを
確認できることが大切だったりします。
相手のイメージを引き出すための
話し方なんかも必要なのかもしれません。
空のキャッチボール。
わたしたちは相手の後ろの空に向かって
会話しているのかもしれません。
そこには
相手の抱えているイメージが存在し、
そのイメージに寄り添うことこそ
会話なのかもしれません。
♢思考の向き
先述したように、
契約に際して躊躇した時にもどります。
悲しみを綴った
仕上がった
出版について勉強した
出版社がみつかった
なのに躊躇。
わたしは
まだまだ後ろを向いて歩んでいたのです。
出版したら家族に迷惑をかけるかもしれない
出版したら買取分営業しなきゃいけない
出版したら……かもしれない……
この一歩を躊躇する時間が長かったです。
案の定、出版したら…のなかの
編集、営業を自分でしなきゃいけない予感。
が的中。
だけれど、
わたしはこの地を離れて
独り立ちするチャンスだと知りました。
そして編集や営業は今後必要なことだ、
人だよりに生きてはいけないと知りました。
恐れはあっていい。
でもそれはいつか克服できる
恐れなんだと気づきました。
♢読み返す
一旦このレイアウトでよいか…
という編集者からのレスポンスで
文字組の原稿が返ってきました。
一旦の確認という形で。
何度も何度もみなおした文面を
改めて初見のおももちで眺めてみました。
そしてふと、思うのです。
わたしは何を伝えたかったのか、という事。
もう、手をはなした以上この文章は
わたしのものではなく
読者の感情次第になる。そう思いました。
読み進めるも、
途中で読まないのも読者次第。
好感触なのか
違和感なのかも読者次第だという事です。
ハッピーエンドではない文章だけに、
読後のモヤモヤ感をどう読者がおさめるか。
楽しみです。
♢kotoriはわたし自身
なんとなく、
このエッセイを書き続ける意味が、
目の前をチラチラしている感覚です。
kotoriと題した出版物を
巣立たせるつもりで書いてきていますが、
実は巣立つのは、
「わたし自身」なんだということに。
そろそろ気づきはじめています。
見守りつつ黙って読んでくださる読者さま。
お待たせしました。
楽子、今、気づきました!
ことばつづる、きもちまとまる。
ことばを突き詰めると、
こういった自分の在り方に到達することが
あるんです。
だからわたしは綴りつづける。
♢「ありがとう」と「ごめんなさい」
これを読んでいる読者の皆様、
ひとつ聞きたいことがあります。
お子様に言えていますか?
「ありがとう」
「ごめんなさい」
なかなかこれ目から鱗で、
親が子に対して言えないワードなんです。
それは心理学か何かの偉い人が
上下の関係と横の関係とで言えるかどうか…
みたいなことを書いているらしいと
小耳に挟んだ程度なんですが。
親はどうしても
叱る、褒めるをしてしまいがちです。
これが上下関係らしく、
今の時代に合っていないそうです。
横の関係を持てれば
この謝罪ができるみたいです。
お子さんに折を見て言ってあげてください。
「生まれてきてくれてありがとう」と
「至らないお母さんでごめんね」と。
♢表紙デザイン
いよいよ最終稿のチェクが終わり、
全く私の手から離れました。
次の作業として表紙デザインです。
イメージをお伝えしたので
出来上がってくるのを待っています。
装丁にこだわるのは平積みへの欲望っていう人が
いました。
確かに平積みされる以外は
表紙って必要ないものなのかもしれません。
けれど、意外性を推したいので、
イメージも前から考えていたものにしています。
表紙とテーマが相反する書籍が私の思うところです。
♢お仕事の文章
ことり合戦と並行して、
人のために文章を書く機会をいただいています。
取材としてお話することが、
とにかく楽しくて。
反面、真摯に向き合える時間です。
わたし人が好きなんだ……って思わせてくれます。
コトバを探すことは未知数ですが、
ぴったりくるコトバが合致したときの喜びは、
依頼者さまの喜びにもなる。
ありがたいです。
このたびのお仕事は、
文章を読み返すほどにポカポカ暖かい気分になった
という感想をいただけました。
ご縁に感謝します。