2015年12月の記事一覧
【短編小説】 年末パズル祭り
そうだ、それ以上のイベントを作ってしまえばいい、と考えた。定着するには季節に合ったものがいいし、一人で家にいる理由ができるのがいい。そして、世間の支持を得るにはお金が動く方がいいだろう。
そこで考えたのは、「特大カレンダーのパズルを作る祭り」というものだった。これならば家でするのが当たり前だし、年末にやる理由があるし、お店も儲かる。
まずは自分でやってみないと話にならない。パズルを買う
本当のサンタクロース
布団の中で、僕は寝息のまねを続けていた。
今年こそは。今年こそは起きてなきゃいけない。
どれぐらい時間が経っただろうか。足音が、こちらに近づいてくる。
気付かれちゃいけない。必死で眠ったふりを続ける。ごそ、と音がして、枕元に何かが置かれたのがわかった。足音が、遠ざかっていく。
しばらく時間がたって、布団から顔を出す。いつもの年と同じように、大きな箱が置かれていた。
僕はその箱