遊びたい盛りの子どもが在宅を強いられるこんな世の中じゃ(落語のマクラ)


鈴々舎馬るこです。

寄席休止・イベント自粛のため、「在宅ワーク」でなく、ただ「在宅」しております。

昨日4歳の息子はヒマすぎて、ぐるぐる回っては目を回して倒れるという行為を繰り返していました。頑張れ、三半規管。

飽きると、ふざけて「げえっ、げえっ」
と変な声を出し始めました。

カミさんが心配して
「気分が悪いの?」と聞くも、

「げえっ、げえっ」

あきらかにふざけています。

「汚いお声はママ好きじゃないなあ。もっときれいなお声を出しなさい」

とカミさんが怒ると、突然裏声で

「ハーウマッチ」

と言いました。
何が何だかわかりません。

子どもを持って初めて知ることも多いです。

生後半年をお祝いする、
「ハーフバースデー」なんという言葉があることも知りませんでした。

どんなに思い出しても、自分が「ハーフバースデー」を祝ってもらった記憶が無いからです。

私の一番古い記憶は、3歳の頃、1980年代初頭に流行ったアニメ「キン肉マン」の超人キャラクターの形をした消しゴム「キン消し」で遊んだ記憶です。

それもうちは貧乏で、本物の「キン消し」が買ってもらえず、「キン消し」の「型」を一つ買ってもらえたのみでした。プラスチックでできた、たい焼きの「型」のようなもので、土を入れて「キン消し」の、ようなものを作る道具です。

本来色んなキャラクターをコレクションするのが「キン消し」の醍醐味なのですが、兄と私二人兄弟に与えられたのが「キン消し」の「型」。しかもウォーズマン。主役じゃない。

延々と出来る土のウォーズマン。

同じ団地の子どもたちが、それぞれの「キン消し」でバトルごっこをやってるのを尻目に、どこかの捕虜の労役のように延々と作る、土のウォーズマン。

オートメーションの工場のように、機械的に並べられていく、土のウォーズマン。

本当はバトルに参加したいけど、持ち上げるとぐずぐずに崩れてしまうので、うつむいて目の前の「型」だけに集中して、兄弟でひたすらに作る土のウォーズマン。

あんなにウォーズマンが好きだったのに、それから一切ウォーズマンの話をしなくなったのを覚えています。

息子は次の誕生日で5歳になります。

「うんとね、うんとね。お誕生日になったらね、一億万円もらうんだよ」

最近、数の概念に気付いた息子が、具体的な数字を出してきました。

「一億万円あったら何しようか?」

「うんとね、うんとね、全部(スマホゲームの)ガチャ回すの」

このブルジョア思考め。

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