「粗忽長屋」 落語のあらすじ #1
前書き
これは落語というのが何だかよくわからない人のための、あらすじ解説である。
本稿はネタバレを含むが、それを知った後に本物の落語を見ても、落語は面白いものである。
粗忽長屋
あらすじ
粗忽者の八五郎は、浅草雷門で人だかりにぶつかる。
どうやら行き倒れが出たそうで、大勢の野次馬の股ぐらを潜って見ると、そこには兄弟分の熊五郎の遺体。涙ぐみながら遺体にとりすがる八五郎。
モブ「この方の引き取り手はどなたかいらっしゃいますか?」
八「いねえ。こいつはひとりもんだ。ですからここに当人を連れてきましょう」
モブ「なんだい?その当人というのは」
八「ですから、行き倒れの当人を」
八五郎は、本人を連れて遺体を引き取らせると言い残し、長屋の熊五郎の家に行く。
八「お前はね昨夜、浅草でもってな……死んでるよ」
熊「俺が?よせよ。俺は今だって死んだような心持ちしねえぞ」
八「それがお前は図々しいってんだよ。初めて死んだんだろ?初めて死んだのに、死んだ心持ちがわかるかい?」
八五郎は半信半疑の熊五郎を引っ張って現場に戻る。
熊五郎は遺体を見て、
熊「ああ、確かに俺だ」
呆れる野次馬を尻目に、二人は遺体を担いで引き取る。
そして、熊五郎は言う。
熊「兄貴、こいつは確かに俺だけど、それを担いでる俺は一体誰だろう」
落語川柳
そこつもの
らくごにでてくる
オールウェイズ
メモ
演者によって解釈が変わる落語なので、いろんな落語家の「粗忽長屋」を見てほしい。本稿のあらすじはかなり淡白だが、所々でギャグが挟まれているので、見ていて楽しい。
粗忽者の落語では一番難しいらしい。
用語
粗忽:そそっかしい
そそっかしい:態度や行動に落ち着きがない、あわて者である。不注意で、とかく失敗をしがちである。軽はずみである。
長屋:プライバシーと風呂がない、トイレ共同のアパートのようなもの。壁が薄く四畳半。家賃は月300文(約6000円)。今で言う、シェアハウスが近い。(長屋の様子:https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc20/geino/rakugo/kurashi2.html)
店賃(たなちん):家賃
注意
本稿は落語に関して素人が書いたものです。専門家の監修などがないので、間違いが多々あるかもしれません。ご了承ください。
参考文献
【書籍】
青木伸広著、十一代目金原亭馬生監修、「落語の名作 あらすじ100」、株式会社日本文芸社
東園子著、二つ目ユニット「成金」解説、「名作落語50席がマンガで読める本」、株式会社KADOKAWA
【Web】
・落語散歩、「粗忽長屋」
・落語あらすじ事典 Web千字寄席、
・ほーりーとお江戸、いいね!(YouTube)、「江戸庶民の長屋のくらし~江戸東京博物館の原寸大展示で見る~」
・文化デジタルライブラリー、「長屋の様子」、
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