毒気づく夜。桂竹丸一門兄弟会@赤坂シルビー 20220402
今夜のまくらは揃いも揃って露悪的で良かった。
非常に、良かった。
何度も言ってきた。
これからもきっと言い続ける。
わたしは〝生の高座〟が好きだ。
その所以のひとつに「公に流せないまくらを聴きたい」というのがアル・・・ということに気づいたのは意外と最近のことかもしれない。
この夜も三者三様に毒気付いていたと特筆しておこう。
《根多帳》
オープニングトーク
3人で30分語り尽くし。兎に角語りたい。語らないと死んじゃう。きっとそうなんだと想う。主な内容は、〝150万回の男〟が高座からひらりと舞い降りた話。そして、竹丸師匠のLINE乗っ取り事件からの、「竹丸師匠、笑点出ますんでよろしくね!絶対見てね!」の話。きちんとお師匠さんの宣伝するお弟子さん、偉いなと思う。そーゆうの大事。うん、大事。
看板の一 / 桂竹紋
『桂竹紋のリフォームするモン』というラジオ番組が始まったとのこと。わたしも早速拝聴してみたのですが・・・え?ひとことも〝リフォーム〟とか〝DIY〟に触れてねーじゃんっというツッコミをどこにすればいいのやらという初回配信、楽しかったなー♪(笑)
まくらだけで20分は余裕に語っていたと認識しているわたしの腕時計は壊れていましたかね?(笑) わたし、落語の本題演目じゃなくて、まくらを聴きに行ってるのかな・・・たぶんそんな気がしてきた今日この頃。
【看板のピン】は、丁半博打をおもしろおかしくいじった演目。そもそも、若い人は〝丁半博打〟と聞いてその様子がイメージつくのだろうか。わたしが小さい頃は民放番組で時代劇の再放送なんかがよく流れていて、その中で、いかにもな色っぽいお姐さんが「ようござんすか?」とツボざらに賽を入れて振って場に伏せて、出目を予想して掛けるという描写が割と頻繁に登場していた。だから知っているというくらいなのだが、この遠い記憶の断片にその知識が刷り込まれているかいないかによる違いは大きいような気がしている。
竹紋さんの【看板のピン】、こなれてきてますます面白みを増していて、良かったなぁと。【看板のピン】とか【親子酒】とか、わかりやすい演目をわかりやすくって、当たり前のようでいて、おざなりになってしまうことがあるから意識向けておくのって大事な気がする。
死神 / 桂笹丸
あ。出囃子が〝きらきら星〟じゃない!・・・ん?そしたら、竹紋さんも〝あんたがたどこさ〟じゃなかったな。今まで深く考えたことなかったけれど、噺家さんのお名前は師匠につけていただくことがほとんどのようだけれど、噺家さんの出囃子って誰がどうやって決めるのだろう。格闘技の登場の音楽みたいなもので、かなり個性的な選曲をされている方もいるけれど自分で自由に決められるのかな。
「この袴、素敵でしょう?」って、笹丸さんご自身のお着物のおはなしからまくらは始まる。うん、あの水色のお着物に濃紺の袴の合わせは抜群に似合っているなぁと毎度思う。〝自分に似合うものを身につける〟ことがさらりとできるということは、どの職業においても大事なことだと思うけれど、特に噺家さんは大事だなことだと思う。売れっ子は、噺の腕が良いのはもちろんだけれど、総じて自分に似合う羽織と着物を身につけている。
「・・・ってイヤなことが多いなぁ」と、ご自身の身の上に起きた〝イヤなこと〟から、本題演目の【死神】への入り方がすごく良かったな、と。まくらから本題へのつながりがスムーズだと〝腕が良い〟なんて言われるらしいけれど、笹丸さんはそのあたりを特に意識されていらっしゃるのかとお見受けする。
笹丸さんの【死神】を拝聴するのは2度目なのだけれど・・・あれ?呪文、〝キューライソver.〟だ!!! わたしはやっぱりノーマル派なので『アジャラカモクレン・テケレッツノ・パアっ!』が好きなので(好きすぎて、もちろんロゴTシャツを作ったのだけれど←)、笹丸さんの【死神】もそうなのだとばかり思い込んでいた。ここで偉いのは、きちんと兄弟子・竹千代さんのチケット&グッズ販売の宣伝を呪文内に混ぜていること。笑
〜 御仲入り 〜
唖の釣り / 桂竹千代
あ。もはや出囃子が出囃子じゃない!笑・・・パンクなのかメタルなのか、いやラップか。笑 D M X! キライじゃないよ、そーゆう遊び心、大事♪
竹千代さんのまくら、おもしろかったなー。ご本人とその他の方々の名誉のためにココには1ミリも書けないけれどクソおもしろかった。(←オクチワルイ)
やはりね、寄席ってN H Kとかでもし流したときに全部〝ピーー〟が入るようなまくらが〝良いまくら〟なんだと思うよ(笑)。まぁ、それを好んでいるわたしの趣味も褒められたものでは全くないのだけれど。笑
演目は【唖の釣り】。さすが竹千代さん、おもしろかったなー☆やはりこの演目は、演目名からして、ちょっとグレーだったりするのかもね。与太郎が兄貴分に殺生禁制の上野の池に夜釣りに連れて行ってもらう噺。この演目自体もたぶん易々と公的に掛けられないのだと思うけれど、内容はわかりやすいしサゲもよくできていておもしろいなと思う。やはり、〝サゲ〟がしっかりしている噺は、誰にでもわかりやすい上に、最後の最後でもう〝一押し決まる〟という良さがある。
エンディングトーク
ここでも、ちゃんと師匠の宣伝をしていたお弟子さんたち。
皆さん少年のようでいながら、ちゃんと大人ですね。えらいです♪
だからきちんと翌日の『笑点』は拝見しましたよ!
竹丸師匠、かわいかったなー♪
・・・というわけで、今回の竹丸一門兄弟会もおもしろかったーー♪
みんな、もっと毒気づけば良いと思うYO!←