“思い出のプリクラ”を撮るから、109で待っててよ。
大好きなすかんちの名曲に『109で待っててよ』というナンバーがある。
これは、わたしがジャケ買い気分もジャケ買い気分で甚だしい状況で買った『恋のロマンティック大爆撃』という2ndアルバムに収録されている。
胸躍るようにリズミカルでアップテンポな曲に乗せるのは、まさかの、デートをすっぽかされたという哀しい歌詞。
非モテ男子が胸に赤い薔薇(!)をさし、気合い充分で挑んだデートなのに、待ち合わせ場所である109に相手は来ない・・・。
待てど暮らせど、来ない・・・。
時計の針がまわっても、来ない・・・。
そんな彼の胸中を語っているパワーワードが、
冷や汗タラタラ
ハートはバラバラ
って、もう切なすぎるだろっ。泣笑
(コピーバンド・ずがんぢの10thライブだけども、なんと本家のShima-changがコーラスで登場!ファン必見!)
そんな懐かしい曲を彷彿とさせてくれたのは、末廣亭での真打披露興行。
6/14(月) 笑福亭羽光氏、初主任でのトリの一席。
演目は【私小説落語 〜思い出のプリクラ編〜】。
【ペラペラ王国】を聴けたらいいなぁと淡い期待で出掛けたら、高座に掛かったのは、淡く切ない恋を綴ったお馴染みの私小説落語シリーズでした。 【思い出のプリクラ編】は、その中でも特に放送コードに引っかからない方の作品です。笑
“小説落語シリーズ”は、羽光氏の代名詞的な演目。
思春期男子の妄想やら、妄想やら、妄想やらを、リアル体験に絡めておもしろおかしく哀しく惨めに落語に落とし込んでいます。
なので、ガッツリ女子ウけがよろしくないそうで。笑
上品な年配のマダムが「下品!はしたない!気持ち悪い!」というのがよくよく分かるシリーズです。← 言い方。
まぁ、本当に上品なマダムよりも、上品ぶっているだけのマダムからの非難の方が大きいような印象ですが。笑
確かに、好き嫌いは割れますよね。でも、その分マニアックでコアなファンがいたりするワケです。
アンチの存在を十分に感じていても、コアなファンのために、心折れずに、自分の思いを一貫してお届けするという一路を行く姿勢。職人気質だなぁと感じます。
自分に飽きないこと。
自分を諦めないこと。
それを実際に体現して見せてくれる人。
【ペラペラ王国】という、これまた自作の演目でしぶらくの“渋谷らくご大賞・創作大賞”を受賞されています。
“No ピンク No LIFE”な羽光氏がピンクネタを封印した瞬間でした。
さらには同演目にて“NHK新人落語大賞”なんて立派な賞をいただいているのだから、もうNHKで放映できないようなピンクネタを敢えてやり続けなくてもいいのでは?と、老婆心ながら思ってしまう。
が。
それでも、安定的にピンクワールド全開な私小説落語シリーズを高座に掛け続ける強靭なメンタル。揺るがない信念。笑
なにものにも媚びない感じ、キライぢゃないです、ハイ。←
そんな羽光氏の【私小説落語 〜思い出のプリクラ編〜】の涙あり笑いありの冴えない切ない恋物語が、すかんち の『109で待っててよ』のおかしい哀しさ重なって見えるのですよ。
悲劇は最大の喜劇にして、喜劇は最大の悲劇だなとはこーゆうことを言うのだろうな、と。
やっぱり、わたし、“陰に振れた哀しいもの”が好きらしい。
強く宣言しておくが、断じて“下ネタ”が好きなワケではない。←
(ところで、ローリーも羽光氏も同郷のようですが、大阪の高槻市民は“思春期こじらせ男子”率が高いっていう認識でいいですかね?合ってる?どう?)
「14年前に挫折して、(真打になるという)こういう瞬間があると思わなかった。人生はあきらめなければ輝ける瞬間があるのだと、皆様の前で今噛みしめております」
羽光主任のまくらでのひとこと。
一番まともそうでないキャラの羽光氏が、一番まともな発言をしているのが一層グッとくる。
何気ないようで、なんと重みのある言葉なのだろう。
多くの噺家さんは、前座から二ツ目にあがる時が一番嬉しいと言う。
もちろん真打になる時だって当たり前のように皆嬉しいだろうが、これほどまでに実感込めてそうおっしゃる噺家さんも珍しい。
お笑い芸人としての、漫画原作者としての過去と一旦決別をして、遅巻きながら34才で入門したときの絶望にも似た不安な気持ちは察するに余りある。
若いうちからの入門ではないから、だいぶ長く積み上げた過去を持っているだけに、自分よりも相当若い同期の仲間を見て、ひたすら焦燥感に苛まれただろうな、と。
そして、ついに迎えた真打昇進に「まさか自分がここまでたどり着けるとは」と、感動と共に、どこかホっとした安堵の気持ちがあったのではないだろうか。
この日の【私小説落語 〜思い出のプリクラ編〜】には、“のぞむ”がいつもより強めに登場していた気がする。敢えての晴れの日だからこその協調だったのだろうなぁ。・・・でも、気のせいなのかなぁ。
わたしはリアルタイムで『爆裂Q』を知らない。
羽光氏がかつて所属していたグループである。
メンバーの高見司氏が深夜のゲーム番組にピンで登場されているのを1年くらい前に偶然拝見したことがある。
ピンで『爆裂Q』だった。
どんな経緯で解散に至ったのかも知らない。
でも・・・
末廣亭に飾られていたこの花の連名を見てちょっとグッときた。
一事を貫く・・・だなんてわたしにはなかなか難しいことだし、そうかと言って、今ある全てを手放すなんてことも、とても難しい。
ただどっちに転んでも、自分だけは最後まで自分に飽きちゃいけないんだな、と。
最高に飽きっぽいわたしの胸はチクリと痛むのですが、それも学びですね。
本日もたくさん、“お勉強させていただきました♪”
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