荒ぶる季節の、宮戸川。
古典落語演目に『宮戸川』という噺がある。
しかし、それについて語る前に、最近我が家で人気を博しているドラマのはなしをしたい。
それは・・・
近年稀に見る傑作ドラマである。
深い時間に放送されているせいか、また、最近まで放映地域が限定されていたようで、わたしのまわりではとんと賑わいをみせていない。
・・・というか、わたし自身が浮世離れしすぎて、引きこもりすぎて、なにげないドラマの話題で語り合えるような友人がいないだけなのだが。←
夫もまた然りなので、このドラマはわたしたち夫婦の間でしか流行っていない。
が。
それだけに、この変態夫婦の間ではありえないほどの流行と賑わいを見せている。
ひゃっほーーいっ☆
(たぶん、まともな大人は、このドラマを観ていたとしても他言しないような気がする。← 遠い目)
≪あらすじ≫
とある高校の文芸部員、5人の女の子のおはなし。愛とか、恋とか、性とかに興味津々な多感なお年頃の青春を描いた物語。
いくら深夜枠とはいえ、“THE お色気番組”が観られなくなった昨今において、結構攻めている脚本・演出・構成だなぁと思います。
『バカ殿の女中さんの胸元全開時代』
『大竹まことと高田純次が好き勝手やってた時代』
『11pm.からの、ギルガメッシュとワンダフル時代』
で無くなった今としては、攻めてるほうだと思うのです。
このドラマをひとことで表すなら、
“胸キュンあまずっぱ青春ドラマ”
である。
しかしながら、そこに描かれているのは爽やかさのみにあらず、“高校生のリアルな胸のうち”が吐露されているのである。
品良く可憐な乙女たちが、破廉恥な内容や言葉をくちにするので、より一層に破廉恥さが増すのが堪らない。←
「爽やかだけが青春じゃないよ」と言いたげな乙女たちの、それでも爽やかな等身大のトキメキが胸にグッとくるわけです。
山田杏奈の素朴さと、語る視線のニュアンス。
玉城ティナの透き通るお人形のよう透明感。
可愛くて美しいです。
そして、彼女らの素材の良さをグッと引き出す、“乙女愛”溢れる製作陣の演出。
見事に魅せられます。
まぁ、語彙力の無いわたしに語らせるより、とにかく観ていただきたい。
そんな、胸キュンドラマよろしくなシチュエーションを持ち合わせた古典落語演目がある。
そう、『宮戸川』。
『宮戸川』は、前半・後半にわかれている長編演目です。
後半部分は実際に高座にかけられる機会も少ないようで、わたしもまだ拝聴したことがありません。
前半部分は『お花半七(お花半七馴れ初め)』と言いますが、最近では前半部分のみを指して『宮戸川』と呼びます。
【宮戸川】≪あらすじ≫
門限までに帰らなかった半七は父親に閉め出しを喰らいます。と、時同じくして、近所の幼なじみのお花も帰りが遅くなり家に入れてもらえません。そんなふたりはバッタリ出くわし、半七の叔父の家に向かいます。叔父は、半七が女の子を連れてきたことを喜び、茶化すのですが、半七には“そんなつもり”はありません。しかたがないので、若いふたりは背中合わせで1枚の布団に入るのですが・・・
「あとは想像にお・ま・か・せ♪」で終わるドキドキ胸キュンな前半部分に対して、後半部分でその甘い余韻を濁してしまう展開がくるため、あまり演らなくなったのだと思われます。
後半部は、拐かされたお花が嬲られて宮戸川に投げ込まれるという現代のコンプラに抵触する上に、誰得でもないストーリー展開からの、イケてない地口落ち(駄洒落オチ)なので、恐らくウケも鈍く、後味が悪いのでしょう。
胸キュンむふふな展開を各々の想像に任せたほうが、その後の広がりもあるし、皆がハッピーな気分で終われますもんね☆
このお花ちゃん、当時の女性としてはなかなか積極的でグイグイな肉食女子。
大好きな半ちゃんと二人きりになれるチャーーンス!とばかりに嫌がる半七にくっついて、半七の叔父さんの家に転がり込むのです。
「あざとくて何が悪いの?きゅるるん☆」って、地で言っていそうな策略家!笑
そして、「雷様、こわ~~いっ☆」ってここぞとばかりに半ちゃんの胸に飛び込むあたりとかねっ。もう、最高にかわいいっ♪笑
一方、半七のほうがシャイで節操のあるタイプ。
叔父さん家についてこようとするお花ちゃんを振り払って、猛ダッシュで逃げちゃうとか、少年ぽいところがあって、その恥じらい故の純情さがかわいいです。でもまぁ、男の子なのでね、“見えない何か”と戦って身悶えているウブさが良いよね。
かわいいふたりの初々しさに、ほっこりします♪
この噺を現代風に置き換えるならば、
「クラブでうぇいうぇいポンポンしてたら、帰りが遅くなっちゃった!パパママ、ごめーん!」
というところなのでしょうが・・・
このお花と半七は、『歌留多』と『囲碁』に興じていて閉め出されているんですよ。笑
カルタと囲碁ですよ?!
どんだけ、かわいいんだよっw
やはり、そういう時代なんですよね。
ここ直近で拝聴した『宮戸川』は春風亭一猿氏のもの。
2020/9/20 同期4人の【HR】@お江戸日本橋亭 での 一猿さん。
腕があり艶っぽい噺家さんなので、イメージとこの演目が非常にマッチしていてとても良き高座でした。
さて、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の話しに戻るのですが、期間限定で1話が公開されているようです。
【期間限定公開:2021年3月1日18:00まで(予定)】
OPで毎回1人ずつ登場人物が『#荒乙ダンス』を踊るのですが、それがもう非常にキュート☆ 個人的には、逃げ恥の『恋ダンス』より好きです。笑
そして、落語ファンのわたしは、古川雄輝氏演じるミロ先生に笹丸さん風味を感じてしかたがない。笑 男子も女子も色白はかわいらしいなと思います。←
『宮戸川』の良き音源みつけましたので、お時間あります方はどうぞ☆手っ取り早く胸キュンしたい方は、26:00あたりから聴いてみてくださいね。やっぱり小太郎さん、うまいんだよなぁ。
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