夏ならではの落語演目に“涼”を求む。
いや~っ。夏ですね!
(そーですね!)
アツいですね!
(そーですね!)
チャッチャチャチャっ!
(手拍子リピート!)
『笑っていいとも』のタモさんネタから始めてしまうくらい、暑さで壊れかけた脳ミソが時代錯誤中なさや香です。
かにミソ以下の味と量である残り少ないわたしの希少な脳みそが、このまま溶け出してしまわないか心配です。
昔、歳の離れた小さないとこに、
「ああっ!りょうちゃん!み、耳からノーミソ垂れてるよっ!?どうしよっ!!」
と、悲鳴めいた声で不意打ちに話しかけたときの、
彼の、
“驚きと不安が滲んだひきつった薄ら笑い”
(ちょうどちびまる子ちゃんの“がーん”のときに縦線が顔に走るのと同じ表情)
が未だに忘れられません・・・。
このさや香の“やべーやつ感”に涼を感じてもらえました?涼しくなりました?
そうですか、ならないですか。
きっと、涼を得ることができたのは当時のりょうちゃん(5才・いとこ)だけでしょうねぇ。
遠い目。
さて、落語が栄えた江戸の時代の人々は、随分とお洒落に夏の暑さを乗り切っていたのだなぁと思うのです。
風鈴の音に耳を傾けながら
団扇の微風に扇がれて
水に泳ぐ金魚を愛でる・・・
趣があって、実に風流でお洒落だと思うのです。
江戸時代は全体的に“冷夏”であったそうで、現代よりも3度くらい気温が低かったそうです。
とは言え、“猛暑日”もあったそうなので、エアコンも扇風機も無い生活は大変であったと思います。
(ちなみに、手動式の扇風機なんかは当時あったそうです!)
大変な中でも、粋でいなせに涼を堪能する工夫を楽しんでいたんだろうなぁと、当時の江戸っ子のハートの豊かさが素敵だなぁと思うのです。
以前、“香り”についてnoteを書いた際に、コメント欄で“五感ビジネス”についても少し触れましたが、まさに江戸の民は“五感”をフルに活用するという、原始的かつ古典的な方法で涼しさ享受していたのだなぁと改めて感心いたしました。
実は、落語演目にも涼を求めるような噺がいくつかあるのです。
涼を求めるためにはやはり“幽霊モノ”や“ホラー系”が人気だったりしたのかな、と。
時代としては江戸以降のものも混じっておりますが、“涼”に免じてご愛嬌♪
《夏らしい落語演目》
お菊の皿
『番町皿屋敷』で有名なお菊さんをちょっとコミカルに味付けしたファニーな噺。怖いオチではないので、みんな安心して聴けます。夏になるとよく聴く定番。
美人なつる子ちゃんの美人なお菊さんが拝見できちゃう☆この動画、リテイクなのだそうだけど、機材トラブルがあったよう。コメント欄を見ると「お参りした?」みたいなのもありますね。ちなみに、自然対数乃亭吟遊さんは演るときには四谷に必ずお参りするようにと師匠に言われているとYouTubeでおっしゃってました!←あ。それは四谷怪談のお岩さんの方ですね。笑 俳優さんや女優さんもお参りされたりしますものね。
お札はがし
歌舞伎などでも有名な『牡丹灯籠』の一場面。美しき幽霊のお露さんは、想い人の萩原新三郎の部屋に入りたいがお札が邪魔して入れないという噺。わたしは、落語ではまだ聴いたことがないのですが講談にて拝聴済み。特に、神田こなぎさんのお露さんの声は、可愛くて色っぽくて、ホッと溜め息が出てしまいます♪
死神
わたし、コレもまだ生できちんと聴いたことがないのです。でもあらすじだけはなぜか知っています。きっと落語を聴いたことがない人でも知っている人は多いはず。元ネタはグリム童話の『死神の名付け親』と言われています。世にも奇妙な物語などでも取り扱われるような「あのろうそくが消えたら・・・」的な噺。
千両みかん
わがままな若旦那が、夏ど真ん中に「みかんが食べたい!」って床に伏せっちゃう噺。その設定だけ『擬宝珠』に似ててちょっと好き。果たして、真夏にみかんなんて見つかるのかっ!?ちなみに、“千両”って今の価値で“約1億3000万円”とのこと!
たがや
夏の夜空の花火大会と、がっつりバッチリなブラックジョークテイストの噺。背筋冷やっとしても良さそうなブラックユーモアだけど、多分夏の暑さと花火の迫力にテンションアゲアゲな庶民たちはそれを笑いに変えたっていう不謹慎なタフさがおもしろい!先日の落語THE YELLで古今亭始氏が演られてました。
湯屋番
みんな大好き湯屋番!(わたしが殊更好きなだけかっ////)・・・なぜか夏に聴くことが多いのは、「暑いよね!汗かくよね!汗流したいよね!そうだ、銭湯行こう!」みたいなことなんだろうなあと思う。笑
落語ファンの方々、他にも夏らしい落語演目があれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね☆
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