お江戸日本橋亭 20200622
わたしは“時間で買われる女”である。
仕事の特性上、当日にそれがキャンセルになることも珍しくは無い。
そう、急遽キャンセルになったのだ。
そうだ寄席、行こう。
(「そうだ京都、行こう。」調に)
と、NHK『日本の話芸』の笑福亭鶴笑師匠のパペット落語「立体西遊記」を拝聴しながら思いついた。
パペット落語だろうが、新作落語だろうが、
“人前で魂削る姿を披露する芸”が大好き。
グッとくる。
そして、ただひたすら笑えればいい。ただそれだけ。
ところでわたしは今年に入り、3回くらい『鯉八チャンス』を逃している。
一番不覚であったのは、2020年1月1日の連雀亭のワンコイン寄席を見逃してしまったこと。
その前夜12月31日 連雀亭で落語を聴きながら年越し(!)したわたしは、1月1日の13:30開始の新春顔見世興業にもちゃっかりお邪魔していた。
だのに。
あぁ・・・
まさか、1月1日の朝っぱらから、ワンコイン寄席が開催されるだなんて誰が思います!?
正月の朝イチに連雀亭で瀧川鯉八とか、富士山で御来光を拝むくらい尊いのにっ。←
見逃してしまった・・・。
それからなんだかんだで2度ほどタイミングを逃してしまい、
本日、久しぶりの『生・鯉八チャンス』をゲットしたのだーーーーっ!!!
わーい!
“月曜の夜の永谷系は客薄”
と、様々な噺家のまくらからなんとなく漏れ伝わる都市伝説を信じて、目指すは『お江戸日本橋亭』
雨、突風。
月曜日。
給料日前。
好条件が全て揃っている。
・・・・行くしかない!
《ネタ帳》
英会話 / 三遊亭あら馬(前座)
ぷかぷか / 瀧川鯉八
壺算 / 昔昔亭桃之助
天狗裁き / 柳亭楽輔
お仲入り
納豆や(※) / 三笑亭夢丸
コント青年団
妾馬 / 昔昔亭桃之助
《感想》
【三遊亭あら馬】
綺麗なお顔立ちのあら馬さん。
どうやら、女優さんやフリーアナウンサーの経歴があるよう。
確かに芸能畑の香りが漂う人。
どおりで場内アナウンスの声も美しいわけです。
「エレガみたいだなー」
なんて思いながら聴いておりました。
でも、ちゃっきちゃっきのサバサバキャラで、ご自身で「高嶋ちさ子似のあら馬」とおっしゃっていました。笑 確かに、声とか、元気の良さとか似てる!笑
『色っぽいお姐様は期待の前座』というギャップがまたおじさまたちのハートを掴みそう♪
【瀧川鯉八】
待ってました!鯉はっつあーーーんっ!
生鯉八、贅沢♪
とにかく面白い鯉八ワールド☆
この方の言葉の選び方と間の使い方が好き。
若い噺家さんは勢いだけで畳み掛ける人が多いなか、鯉八さんは“間”の使い方がすごく上手。そして、“緩急”の重要性を非常に心得ている方だと思う。
“間”や“緩急”を使いこなせるというのは、噺がきちんと自分の中に染み付くまで落とし込めていて、それをさらに俯瞰的に見れているということだと思う。
それに加えての、独特なワードセンス。最高。
そして、自ら構築した世界をきちんとブレないまま最後まで大切に持って行く。
鯉八さんといい、鯉白さんといい、瀧川系には天才が多いな。ただ、世界観が強すぎて、好きな人は好きだけど、嫌いな人はすごく嫌いだと思う!笑
『ぷかぷか』は初めて聴いたけど、『おはぎちゃん』の次に好きなりました☆
【柳亭楽輔】
柳亭小痴楽真打披露興行以来の、楽輔師匠。
安定安心の楽輔師匠の『天狗裁き』好き♪
まくらの毒舌っぷりも変わらずキレッキレです!
今回もここには詳しく書けません♪笑
そして、奥様への愛情もたっぷり♪おノロケ、かわいい☆
「夢」
「お前さん起きておくれよ」
のワードから、『芝浜』を連想してしまったわたし。←
最近、つる子ちゃんの『One Night Carnival 〜芝浜ver.〜』が頭から離れないせいかもしれない。
『天狗裁き』は『粗忽長屋』並みに、星新一のショートショートだと思っている。
わたし、やっぱり、この“出口のない無限ループ系”はベタだけど結構好きだなぁ。
【三笑亭夢丸】
こちらも安心安定の夢丸師匠。
多分きっと、初めて聴いた演目『納豆や』・・・でいいのかな!?
おじさんのところに挨拶に行ったら、行き掛かり上、納豆屋を始めることになってしまった男の噺。
今回、きちんとネタ帳をさらえなかった(というか日本橋亭はネタ帳どこかに飾ってるんでしたっけ?)ので、正しい演目名か不安。
「中途半端に古い、大正後期〜昭和前期ごろにできた新作落語をやります」とのことでした。
確かに
「50円」
「山本」「吉田」「木村」
などのワードが出てくることから、比較的あたらしい噺だと伺える。
最後は友人が納豆になってしまうんだけど(!)、サゲもわたしが好きな“言葉遊び”っぽく落としているところが良い。
ところで、まくらでお話しされてた、2歳半の娘さんの逸話が良い。しかも“お父さん”を「とと」って呼ばせてるあたりがかわいい☆さすが噺家。
【コント青年団】
さすがベテラン♪寄席の漫才・コントはやっぱりこなれていておもしろい!
“選挙ネタ”なのだが、もうここにはかけないくらいの政治ディスり。笑
しかしながらお客さんにはかなりウケていたという。
演者が演者なら客も客である。←
「『日本降参党』は“白旗”をあげる」
とか、もう秀逸すぎません?笑
他に好きなセリフは・・・
「『日本降参党』は後出しジャンケン80年で生きて参りました!」
と
「オレの魂の叫びだよ!!!」
ってところなのですが、詳しく記せない都合上、気になる方はぜひ寄席に足をお運びください。笑
【昔昔亭桃之助】
本日の主任の桃之助さん。
今回の『古典落語と新作落語とコントの会』と銘打った張本人。
夢丸さんに、「4秒で考えたようなタイトルだなっ」と言われてました。
確かに!笑
「そのまんま!」・・・って、ご本人もTwitterでつぶやいている。笑
主任なので2席。
『壺算』と『妾馬』
どちらも好きな噺。
『壺算』はもっとイジワルっぽくニヤニヤしちゃったり、『妾馬』はちょっとジーンとしちゃったりするのだけど、わたしの前のめり方が足りなかったかも!師匠、ごめん!
でも、鯉八さん、楽輔さん、夢丸さんで組んだ、素敵な席をこんな月曜日にわたしにプレゼントしてくれてありがとうございます!!!←
《最後に》
思いがけずに観たかった人ばかりが出演する寄席に行けてしまって嬉しい♪
久しぶりの生落語とのことで、鯉八さんと夢丸さんはほっそりされていたのが、ちょっと切ない。
しかしながら、夢丸さんは以前よりツヤツヤされてて、良いお顔でありました。
あ!会場のアンケートを書いたら、平成24年の大相撲の番付表をいただきました!さすが永谷!友人に“スー女”がいるので今度プレゼントしよう♪
そして・・・
何がイチバン良かったかって・・・
お江戸日本橋亭の奥の自販機に、『濃いめのカルピス』・『三ツ矢サイダー』・『ワンダ ラテリッチのキャラメルナッツ』がラインナップされているところが堪らなく良い! ←
もちろん、カルピスを買わせていただいたさ!
あー! 今日も楽しかったー♪
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