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【第12回 三遊の辛口】

落語であなたの人生をナビゲート!おとうふメンタル〇ら落語コンシェルジュ®相山美奈子です。

 

久しぶりの三遊の辛口は西巣鴨のスタジオフォーで。三遊亭と亭号は一緒だが、落語協会所属のときん師匠、5代目円楽一門会所属の朝師匠。そんな二人の辛口の落語。

★朝橘  反魂香

師匠がすっきりしていて驚き。筋トレの成果は凄い。奥様のお母さまの幽霊?が枕元に出たまくらから。やかましくて眠れないと隣の家を叩く八だが、話を聞けば納得するも香を分けてもらえずに薬屋へ行く。薬屋の看板の判じ物が楽しい。おかみさんとの最後の想い出から妄想へと広がり、夜中なのに実に楽しそうに香?を焚く。違うもので焚いているので当然おかみさんは出ないのだが、出ないとなるとたくさん焚けば出ると思っているのがかわいらしい。

★ときん 青菜

旦那の品のよさ、八との手の叩き方の差。涼し気な屋敷の風景。こちらにもいい風が吹くようだ。長屋の暑さも目に見える。

なんだかんだいっても、暑い中押入れに入って付き合ってくれるいいおかみさんを持っている。

★ときん 千両みかん

悲しいかな主人と奉公人の金銭感覚の差。社長と社員の差。1両を10万円として千両は1億円。手元のみかん3粒と、のれん分けの30両が交差する。干からびたみかんを握りしめ、番頭はどこへ行くのだろう。数時間で金銭感覚、のれんを守る覚悟、だめになるのを承知で蔵一杯にみかんを置いておく商人の気概。奉公中にそれが分かればよかったけど、立場が違えば難しい。楽しい中に悲哀を感じる。

★朝橘  古手買い

古手買いとは、古着や古道具などを買うこと。 また、それを職業とする人。

買物で値切ることがありますか?から始まった。ネットで買うし、言い値で買う東京人は値切る機会はほぼないと思う。最初は壺算?と思ったら「縞の羽織」で思いだした。久しぶりに聴いた。あれ?熊さんと源さんは結局羽織はどこで買うの?最初の登場人物がそれっきり出てこない。主役は番頭?客とのやり取りが中心に話が進む。古着屋だから裕福な人がお客じゃない。客も店の人もこすっからくなるのは仕方がない。番頭が笑顔の裏の、元々の陰気で性格の悪さを感じる。

夏の噺(青菜、千両みかん)はこれからが本番。今年は何席聴けるかな。次回も楽しみ♪

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