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実践編:ロジックツリーで構造的に考える力を身につける
この記事は「考える力を身につける:第3弾」です。
↓↓↓ 第1弾と第2弾はこちら ↓↓↓
今回は、現場レベルで使えるように落とし込んでいきます。
画像はご自由に保存して、ぜひ、実戦で使ってみてください。
それではスタートです🐪💨
ロジックツリーの仕組みと種類
ロジックツリーは主に次の2種類に分かれます:
Whyツリー: 「なぜ?」を繰り返して原因を深掘りする方法。
Howツリー: 「どうやって?」を繰り返して解決策を考える方法。
とぢらのツリーも根本は同じです。
ここでは下図の形だけ理解しておけば大丈夫です。
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作成方法はいたってシンプルです。
課題を明確にする:解決したい問題や目標を1文で定義。
大きな要素に分解する:課題をいくつかの主要要素に分ける。
さらに細分化する:各要素を具体的なレベルまで細かく分解。
MECEをチェック:見落としや重複がないか確認。
ここは細かく説明するよりも、先に例を見た方が分かりやすいです。
早速、ビジネスでの例を見ていきましょう。
ビジネスで役立つロジックツリーの実践例
実際にロジックツリーを使用することで、どのように課題が解決できるのか、3つの具体例を紹介します。
例1:売上が伸びない原因を分析するロジックツリー
課題:売上が前年比10%減少
ロジックツリー:Whyツリーを使った分析
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顧客数の減少
新規顧客の獲得不足
広告効果が低い
競合他社の台頭
商品の認知度不足
リピーターの減少
顧客満足度の低下
アフターフォロー不足
競合への流出
平均単価の低下
高単価商品が売れていない
価格設定の問題
商品価値の訴求不足
割引キャンペーンの影響
過度な値引き施策
キャンペーン時期の問題
このように細分化することで、確認するべきポイントが明確になります。
あとは数値を確認するだけです。
例えば、「商品の認知度不足」と「アフターフォローの質が悪い」という結果になったとします。
その場合は、その要因を改善するための施策を検討するという流れになります。
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抽出した要因と具体的な解決策:
商品の認知度不足
ソーシャルメディアでの商品紹介強化
インフルエンサーを活用した認知度向上
ターゲット層向けのコンテンツマーケティング
アフターフォローの質
定期的なフォローアップメールの送信
購入後1週間での使用感ヒアリング
定期的な使用方法や効果の情報提供
このように、ロジックツリーを使うことで、売上減少の要因を体系的に整理し、具体的な対策を立てることができます。
特に、要因を階層的に分解することで、表面的な現象だけでなく、根本的な原因まで分析することが可能になります。
他の例も見てみましょう🐪💨💨💨
例2:新製品のターゲットを明確にするロジックツリー
課題:スキンケア製品のターゲットが広すぎて訴求力が弱い
ロジックツリー:Howツリーを使ったターゲット選定
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年齢層
20代:学生・新社会人
30代:キャリア・子育て層
40代以上:アンチエイジング層
使用シーン
日常使い:朝晩のスキンケア時
特別なイベント:結婚式や会合前
季節特有:紫外線対策、乾燥対策
価格帯
エントリー:3,000円以下
ミドル:3,000-8,000円
プレミアム:8,000円以上
ここまで可視化すれば、見落とし無く考えることができます。
あとはこのツリーを見ながら、チームで具体的な協議ができます。
あくまでも例なのでここでは完結にしていますが、チームメンバーにも見てもらうことで、より、抜け漏れのないツリーをもとに検討を進めることができます。
KPIに使用する
ロジックツリーは、KPIの設定や分析にも非常に効果的です。
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、目標達成に向けた進捗を測定するための指標です。
例えば、売上目標に設定した場合で、toC向けECサイトのKPIを立てると・・・
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このように各数値に分解することで、どこが弱いのかを見つけやすくできます。
例えば、アクセスが減少しており、特に広告流入が減っているようであれば、クリエイティブの見直しやキーワードの見直しというアクションをとることができます。
CVR(コンバージョン率)が低い場合は商品ページの改善、カート周りの改善、離脱率が高い場合はサイトの使いやすさの改善など、具体的な改善ポイントが明確になります。
他の業界ではこのような例もあります
※なんとなく掴めた方は飛ばしてOKです
【製造業(工場)】
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製造業(工場)のKPIツリーの例では、生産性向上がゴールとして設定されており、次のの要素から構成されています:
設備稼働率(実稼働時間、計画停止時間、故障停止時間)
不良品率(工程内不良、出荷前検査不良、顧客クレーム)
作業時間/個(段取り時間、加工時間、搬送時間)
KGIを求める基本式は以下のようになります:
生産性 = 生産量 ÷ (稼働時間 × (1 - 不良品率) × 作業時間)
仮の数値を入れてみると:
生産量: 1,000 個/日
稼働時間: 8 時間/日
不良品率: 2% (0.02)
作業時間: 0.4 時間/個
生産性 = 1,000 個/日 ÷ (8 時間/日 × (1 - 0.02) × 0.4 時間/個)
= 1,000 ÷ (8 × 0.98 × 0.4)
= 1,000 ÷ 3.136
= 318.9 個/時間
このように、具体的な数値を入れることで、現状の生産性を把握し、改善目標を設定することができます。
【小売業(店舗)】
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小売業の売上を求める基本式は以下のようになります:
売上 = 客単価 × 来店客数
= (商品単価 × 購入点数) × (新規客数 + リピート客数)
仮の数値を入れてみると:
商品単価: 3,000円/点
購入点数: 2点/人
新規客数: 30人/日
リピート客数: 50人/日
売上 = (3,000円/点 × 2点/人) × (30人/日 + 50人/日)
= 6,000円/人 × 80人/日
= 480,000円/日
このように、KPIを数式化し、ロジックツリーで可視化することができます。
目標達成に必要な具体的な数値と、それを構成する要素が明確になるため、各要素の現状値と目標値を設定し、優先的に改善すべき項目を特定することができます。
ロジックツリーを使いこなすためのコツ
ロジックツリーを効果的に活用するためのコツをいくつか紹介します。
1. MECEを意識する
情報の抜け漏れや重複があると、全体像が見えなくなります。作成したツリーを必ず確認しましょう。 他の人に見てい、自分では気が付かないポイントを見つけてもらうのもおすすめです。
2. 課題は具体的に定義する
例:「売上を上げる」→「来月の売上を10%増加させる」
3. ビジュアル化して共有する
ロジックツリーは紙やホワイトボード、ツールを使って視覚的に整理すると、チーム全体で理解しやすくなります。
4. 定期的に見直す
一度作成したツリーも、状況が変わればアップデートが必要です。柔軟に見直しを行いましょう。
5. 小さく始める
最初は簡単な課題や少人数のプロジェクトで試すのがおすすめです。慣れてきたら大きな課題に応用できます。
6. 細分化は具体的なアクションレベルまで落とし込む
できる限り細分化することで、「あとは手を動かすだけ」の状態に落とし込むことができます。
ただ、チームで協議したり、部下に考えさせたい場合、あまり細分化しすぎると考える余地がなくなってしまうため注意が必要です。
ロジックツリーの作成プロセス
課題を明確にする:解決したい問題や目標を1文で定義。
大きな要素に分解する:課題をいくつかの主要要素に分ける。
さらに細分化する:各要素を具体的なレベルまで細かく分解。
MECEをチェック:見落としや重複がないか確認。
大まかな流れは上記のとおりですが、ここでは自分でできるだけ精度の高いツリーを作成する具体的なステップを伝授します。
世はAIの時代です。AIを使います🐪
プロンプトの例:
課題解決のためにロジックツリーを作成します。
{ ここに課題を記入 } という課題に関して、階層を意識して体系的に要素分解してください。
例えば、「ECサイトでの売上改善」に関して質問した場合。

このように、階層と項目ごとにナンバリングをして回答してくれます。
あとはツリー上にならべるだけです。
ツリー形式に並べる際に私が使っているのは「Xmind (エックスマインド)」というツールです。
ある程度無料で使えますし、他にも似たようなツールはたくさんあります。
「マインドマップ ツール」と検索して使いやすいものを使ってください🐪
まとめ:ロジックツリーで考える力を磨く
ロジックツリーは、複雑な問題や課題を構造的に整理し、解決策を導き出すための強力なツールです。
以下のポイントを意識して活用しましょう:
課題を明確に定義し、MECEを意識して要素分解する
チームでの共有・協議に活用し、多角的な視点を取り入れる
定期的な見直しと更新を行い、状況変化に対応する
AIツールやマインドマップツールを活用して効率的に作成する
ロジックツリーを使いこなすことで、問題解決力が向上し、より効果的な意思決定が可能になります。
まずは身近な課題から始めて、徐々に活用の幅を広げていくことをおすすめします。