2020年に飲んだカクテル 50種(中編)
「2020年の一年で60種類のカクテルを飲もう!」と決め(られ)た私のバーログ。3月27日に21種類めを飲んだところで「コロナ中断」してしまった。
ステイホーム中、通販も含めていろんなお酒を買ってみた。
・養命酒が出しているクラフトジン「香の雫」
・ワイン発祥の地、ジョージアワイン5本セット
・コロナに打ち勝つ!とコロナビール
チーズやおつまみも用意したけど、やっぱり家飲みとバーは全然ちがう。まず、晩ご飯を食べた後だと満腹で「もういいや」となってしまい、飲むタイミングが難しい。在宅で気が緩んでいるからか、ちょっと飲むだけで酔って(というか気分悪く)なってしまうし。
不思議だな、ウイスキーなんてモノはまったく同じなのに。バーの価値を再認識した日々だった。
そして、ステイホーム明けましたーーー!
今はお正月だけど、あのときこそ「明けましておめでとう」だった気がする。
では、続きの22種類めから。
6月2日 バー Tobiuo(トビウオ)
22.若葉のイメージで緑色カクテル
ステイホームでお酒に弱くなった自覚があったので、ゆるーいものをお願い。ジンやウォッカなどの蒸留酒ではなく、シャルトリューズという緑色のリキュールをベースにしてもらう(度数が少しゆるくなる)。6月初旬。梅雨入り前の、最後の「さわやか初夏」のイメージで。
23.ざくろ酢と烏龍茶のノンアルコールカクテル
やっぱり上の1杯で酔ってきたので、2杯目はノンアルに。バーに通うようになって初めて知ったけど、バーでノンアルを頼むのは全然あり。とくにここのマスターは、フルーツ酢を使ったカクテルを研究中。お酢の原料もお米(お酒と同じ)だから、お酒っぽい味わいが出るのだとか。
6月22日 バー Tobiuo
24.ミントジュレップ
バーボンウイスキーをベースにしたミントのカクテル。最初はウイスキーが濃いんだけど、大量のクラッシュアイス(小さく砕いた氷)で薄めながらゆっくり飲める、私にとってはコスパのいい(笑)カクテル。
アメリカ競馬「ケンタッキーダービー」のオフィシャルドリンクだという初夏のカクテル。
6月28日 バー ジョーンズ
25.ベレッサ
ここで修業するバーテンダーRさんのオリジナルカクテル。「美しい」という意味だそう。暗い照明に照らされる青色がなんとも言えない。
26.パールの誕生石カクテル
ここのバーはいつも、その月の誕生石をイメージしたカクテルを作ってる。私は6月生まれなので、パールを模したカクテルを。パールって白だからつまらなくなりがちなんだけど(笑)、底にブルーキュラソーを忍ばせてくれたのが素敵。ヨーグルト風味のカクテル。
7月8日 バー 虹
27.パイナップルのモヒート
夏のカクテル、モヒート(ミントを使ったラムベースのカクテル)にパイナップルがごろごろ。実は、果物でいちばん好きなのがパイナップル。すこし遠くて一度しか行ったことないバーだったけど、SNSで見たときに「飲まないわけにはいかない!」と駆けつけた。今年の夏も飲みたいなぁ!
7月15日 バー Tobiuo
28.パナシェ
ビールにレモンソーダをミックスしたカクテル。実は、このバーに初めて足を踏み入れたのが2018年7月14日で、蒸し暑い日で1杯目にビールを頼んだので、2周年記念のオマージュのつもり。「蒸し暑くて」というのは建前で、実は何を頼んだらいいかわからずビールにしたのも、いい思い出♡
29.ネグローニ
マスター曰く、いま世界でよく飲まれるスタンダードカクテルのベスト3に入るらしい。見た目からウイスキーかブランデーがベースと思っていたら、カンパリがベースとは。そして、思った以上にパンチのある味わい。
味は甘さの後にくる苦さ。そして濃さとアルコールの強さ。これは、ゴッドファーザーより手ごわいかもしれん。飲むのにめちゃくちゃ時間がかかるので、お客さんが少ないとき限定だな。
7月18日 バー 神南
30.ソノラ
「Tobiuo」や「奏」のマスターのお師匠さんのバー。「マスターのお師匠さん」と思うと、私もなぜか緊張する(笑)。お客さんの年齢層も高いしね。
この日、店の改装工事で臨時休業していた奏のマスターが「バイト」として入ってると聞いて。神南マスターのオリジナルカクテルを頼もうと思ったら「この店で奏マスターのカクテル飲めるのは今日だけ」と勧められ、奏マスターにシェイクしてもらうことに。
ラム、アップルブランデー、アプリコットブランデー、レモン果汁と「ほぼアルコール」なカクテルなので、かーなり酔う。アルコール度はたぶん30%くらい。
最近、お酒を飲むと胸がドキドキして心地よくないことが続いていたけど、この日は気持ちよく酔えた。いつも以上に幸せな気持ちで電車に乗って何気なく携帯電話を見たら・・・三浦春馬さん死去のニュースが飛び込んできた。
あまりの驚きに電車の中でさえ「えっ」と声を出してしまい、酔いが一気に吹っ飛んだ。あれだけの酔いが一瞬にして覚める体験は、初めてだった。
8月25日 バー Tobiuo
8月は仕事が忙しくてバーに行く余裕がなかった。久しぶりのバーで解放感を味わう。
31.シンガポールスリング
シンガポールのラッフルズホテルが発祥のカクテル。100年以上前の発祥にもかかわらず、今も多くの観光客がこれを求めてラッフルズホテルの「ロング・バー」に行く。
私も2019年にシンガポールに行ったときに出向いたが、バーに入るのに長蛇の列で諦めた。そのとき見たのが、前編の1で記したゴールデンミルクパンチの看板だった。
現地で飲めなかったと言うと、マスターはラッフルズホテル仕様のグラスを使って、本場と同じ飾りつけをしてくれる。そんなホスピタリティが大好きだ。
聞くところによると、本場は大量の客をさばくため、あらかじめ「シンガポールスリングの素」みたいのを作っているらしい。だからおそらく、本場よりおいしいはず(笑)。
(上が現地の看板、下がマスターが作ってくれたカクテル)
32.ゴッドファーザー
大大大好きなカクテルゆえ、当然すでに飲んでいると思っていたら、今年はまだだったと気づいてオーダー。ウイスキーとアマレットリキュール。これに勝るものはない。
初めてこのバーを訪れたとき、アルコール度数が高いことさえ知らずに頼んで驚かれたのがこれだった。マスターは「出会いのカクテル」と言ってくれる。
33.オレンジホットウイスキー
このバーを3月に退職したYさんが勧めてくれた「グレーンモーレンジィ」というスコッチウイスキーがある。柑橘系の香りが華やかで気に入っていた。
それに、さらにオレンジ果汁を混ぜたらどうなるだろうと思ってお願いした。3杯めだったので「ゆるめ」をお願いしたが、もう少しウイスキーが濃くてもよかったかもしれない。
9月15日 天文館カフェ(鹿児島)
夏休みに鹿児島一人旅。そのときに天文館という繁華街で見つけたカフェ&バー。
バーは普通、アンティーク調の家具や調度品が置かれているが、この店は中でも群を抜いているというか、「正統派」のちょっと横にいる個性派たちを集めている。怪しさを醸し出しながらも不思議と調和は取れており、中毒性のある空間かもしれない。
34.パイナップルとディタのカクテル
「アルコールゆるめで」とお願いしたらこちらに。ディタはライチのリキュール。南国にいるなぁって感じがした。
9月19日 バー Tobiuo
35.ソルティドッグ
居酒屋の飲み放題メニューにもある有名なスタンダードカクテルだけど、バーで飲んだことはないから注文・・・したのだけど、まったく記憶にない。メモはしたけど写真も残してない。疲れてたかな。
36.巨峰とシュラブのカクテル
シュラブとは、ビネガー(お酢)に果物やハーブを漬け込んだもの。それを使ったノンアルコールカクテル。100年以上前のカクテル本でも紹介されていたらしく、昔から「ノンアルカクテル」という概念があったんだ!
2つとも写真を撮ってなくて、この日はちょっとしんどかったのかも。
9月30日 バー Tobiuo
37.ホワイトグルーブ
こちらも、お酢を使ったノンアルコールカクテル。ヨーグルト黒酢にグレープフルーツを合わせ、さらにスパイスを効かせた、ノンアルなのに複雑な味わい。お酒が入っていないと知らずに飲んだら、酔ってしまう人もいるはず(笑)。
38.アンコール
マスターのオリジナル。テキーラベースで、マスカットリキュール、ベルガモットリキュール、フランボワーズシロップ、ライムジュースからなる。
バーテンダーの技能コンクールに臨むつもりで作ったカクテルだけど、今年は中止になってしまった。また次の大会で、きっとアップグレードしてくれるはず!テキーラのクセがいい感じに個性を出していて、私は好きな味。
2020年も残すところ3カ月。あとどれくらいの種類のカクテルが飲めるかな。後編につづく。
(表紙:切り絵作家・成田一徹さんの『to the Bar』)
◇前編、バー&カクテルの基礎知識はこちら◇
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