読書記録『コトラーのマーケティング5.0 』(フィリップ・コトラー)4 機械は人を脅かすのか?

前回の記事はこちら

ストーリー性もなく、情報を詰め込む記事になりがちですが、自分用のためご了承ください。

5AとAISAS(2016年)

マーケティング4.0の5A

マーケティング4.0でも紹介されていた5Aが再び掲載されていました。
5Aとは、顧客がデジタル世界で製品・サービスを購入、消費するときにたどる道筋を次のように表したものです。

  • 認知(Aware):体験、広告、推進によってブランドを知る

  • 訴求(Appeal):ブランドメッセージを処理し、特定のブランドに引き付けられる

  • 調査(Ask):好奇心に駆り立てられて、追加情報を調べる

  • 行動(Act):追加情報によって考えが強化され、どのブランドを購入、使用するかを決定する

  • 推奨(Advocate):時間とともに、ロイヤルティの感覚をはぐくみ、その感覚は推奨によって示される
    (参照:フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p183)

5Aは2016年に提唱されたものですが、2004年に電通が提唱したAISASとほぼ同じことを示しているように感じます。

電通のAISAS(2004年)

  • 注意(Attention)

  • 興味(Interest)

  • 検索(Search)

  • 行動(Action)

  • 共有(Share)

2004年というと、TwitterやInstagramはなく、ブログやmixiはあった頃でしょうか。あの時点で「共有」を提唱された方は鋭いですね。

人間の創造性を次のレベルに

「AIに代替される仕事」が度々話題になりますが、コトラーはAIを恐れている様子がありません。それどころか、次のように述べています。

企業は「マシンが人間に取って代わる」という考え方を捨てる必要がある

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p198

他にも機械やAI対する記述をいくつか挙げてみます。

自動化は人間の創造性を次のレベルに押し上げる手段なのだ

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p189

コンピューターは、人間最大の資産であり能力である。そうしなければ、業務を最適化するという機会を失いかねない。

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p190

これを読んでどう思われるでしょうか? 「安全圏にいるからそう思えるのでは……」と思う方もいるかもしれません。でも、そうとも限らないと思います。

コトラーは機械と人の違いを分析し、機械が人にとって代わるには途方もない処理能力が必要だと述べていました。

その根拠となる、人特有の得意分野を持っているのはコトラーのような著名な学者だけではありません。もっと身近な職業も含まれます。

機械と人、お互いの強みを生かすことでより良い未来につながるのではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


いいなと思ったら応援しよう!

らく
最後までお読みいただけただけたことがなによりのサポートです。 ありがとうございます。

この記事が参加している募集