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ガイドの食事場所選び
通訳案内士としての大事な仕事の一つはレストラン選びです。しかも、これが結構、難しい時もあるのです。好み、アレルギー、宗教による制約、場所、さらに人数が多いほど、これをクリアする条件に合うレストランは絞られていきます。そして、なるべく和食を選ぶようにします。
例えば、4人家族の案内をしている場合、お父さんは肉だめ。お母さんは エビ、カニなどのは甲殻類だめ。息子ナッツアレルギー。娘ベジタリアン。などと来るわけです。日本だと、「嫌いな物があれば残せばいいじゃん」となりますが、そうは行かないこともあるのです。いえ、そうは行かないことのほうが多いのです。そもそも「嫌いなものは見たくもない」と考える人が多いように感じます。
この食事場所を探す作業を当日、お客さんと歩きながら、しかも他の話をしながら、こっそりやります。脳内のレストランマップから選択肢を絞っていきます。一番気をつけるのは当然アレルギー。命にかかわることもありますから。アレルギーの程度も千差万別なので、そこはしっかり聞きます。本当にミスの許されないレベルのアレルギーの時は、お店の人にしつこいくらい確認します。
例えば、小麦粉がNGなお客様がいます。少量でも摂ってしまうと、ひどく体調を崩す病気の方です。そういう方は、醤油もだめなことが多いのです。醤油に少量の小麦粉が含まれる場合があるためです。また、同じフライパンで小麦を使った料理をした場合も、きちんと洗っていただいたりします。レストランの方々は、そういう対応を見事なまでにきちんとしてくださり、とてもありがたいです。
次に気をつけるのは宗教による制約です。「魚類だめです」と言われると蕎麦やうどんを思い浮かべるかもしれませんが、そばつゆやうどんのつゆには、鰹だしや小魚の出しが使われていることがよくあります。特に関東地方はアウトの場合が多いです。
そんなわけで、「食事?何でも食べるよ!」と言ってくれると内心よっしゃーとなるのですが、食事場所のショーウィンドーの前にやっと着いた途端「あーん。何でも食べるけどね。この○○だけはだめなのよねー」これ反則ですう。