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のんびりツアー願望

通訳ガイドのぶんちょうです。
先日の観光客はブラジルからでした。
朝の待ち合わせはホテルのロビー。

約束の時間に近づくと、そろそろ現れるはずのお客様を迎えるべく、ロビーでキョロキョロと辺りを見回します。

今日は6人家族のはずだから見逃すことはまずない。むしろ目立つはず。でもいない…。

ガイドが不安になるのは、約束の時間になってもお客様が現れない時です。

ひょっとしてホテルが違っていないか、日にちが違っていないか、時間が違っていないか。

今までに飛行機の遅れで、大幅に遅れた人。時差の計算を間違えたせいで日にちを勘違いした人も。

いずれにせよ、せっかく楽しみにしているツアーに参加できないことになるのは、とても忍びないです。

5分経っても現れず、ホテルに確認すると、チェックイン済みとのこと。とりあえず日本に来ているのなら一安心です。でも、10分待っても現れません。

やがて、ニコニコと一人の外国人女性が近づいてきました。直感で「この人だ」とわかったのでご挨拶。家族は、もうすぐロビーに降りてくるからとのこと。

この旅行関係のライターをしていると言う、一家のお母さんと雑談をしながら、さらに10分ほど経ちました。

ご家族全員が集まりました。遅れたことへの詫びもなく、そもそも遅れたことに気づいているのかいないのか。まことに、のんびりしたご家族でした。

時間に対する感覚は、お国の傾向も多少ありますが、それよりも個人の差が多いと感じています。

今までの経験で言うと、日本は時間を守る国だと言うことを知っていて、時間通りに来てくれる人が95%以上です。

日本人での暗黙のルール: 時間を守る、食べ歩きをしない、ゴミを捨てない。

こう言ったことを「予習」して来る人達は、真面目で、普段から時間を守って生活しているのでしょうね。そしてガイドからも、沢山の事を学んで充実感を持って帰国していく方たちです。

でも、今日のお客様は「私たち別に急がなくても、ゆっくり見られればいいの」と。言葉通り、全身でゆったりオーラを出しているご家族でした。

私も、なんだか肩の力がふっと抜けていきました。今日のテーマは「のんびり楽しむ」!に決まり。

脳内で、ぶらり旅をシュミレーションしつつ出発しました。テレビの旅番組のような…。

ところが、旅行ライターである、このお母さんは、ツアーが始まるや否や、ものすごい勢いで私から情報収集をするのです!

これは何?これの意義は?なぜ?どうして?数は?そのパーセンテージは?

このお母さん、通訳案内士試験の理想的な試験官になれそう(笑)

かくして、私は今日も、いや、いつも以上にしゃべり倒さねばならない1日となりました。

ぶらり旅は一体どこへ?




わたしの「ぶらり旅」予想は見事に外れて、ガイド脳フル回転の1日となりました。


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