また年とっちゃった
通訳ガイドのぶんちょうです。
先日3月7日、誕生日を迎えた。
誕生日は本来、その日まで生きていたことを感謝する日なのだろうが、ひとつ年を取るという重荷のせいで、複雑な気持ちになる。
これまで何回も誕生日を経験してきたが、早くも17歳ころから年を取ることに抵抗を感じていた。今では信じられないことだが。
その頃の私にとって17から18になることは、ものすごく年を取るイメージだった。なんだか楽しい日々が終わってしまうような。当時は花のセブンティーンなんて言葉もあったなあ。
毎年毎年、ひとつ年齢が上がるたびに自分の気持ちは抵抗する。また年を取るのか。
1年365日ある中の単なる1日なのに、気持ちが揺さぶられるのが誕生日だ。
「おめでとう」
「ありがとう」
感情もなく反射的に交わす言葉。そのくせ誕生日に家族から、なかなかこの言葉がないと、いい年をしてすねたくなる。誕生日にラインメッセージか何かをもらうと、とてもうれしい。
わがままで嫌なやつだと思う。誰のおかげで今日まで生きて来れて、この日を迎えることができたんだ。
そうは言うものの実は、誕生日前は自分のテンションが最高に上がる。年を取るということを除けば、誕生日がやってくること自体がとても楽しみなのだ。
普段、甘いものを極力セーブする私だが、誕生日には思い切りケーキを食べることにしている。このこともあって、誕生日は前月からワクワクする。「あ、来月は誕生日が来る」と。
3月を迎えれば、ほとんどカウントダウンだ。「もうすぐ、私の誕生日だ」と独り言を言って一人で盛り上がる。うれしすぎて、家族にまで「ねえ。もうすぐ私の誕生日」と言うこともある。「だから何だ」の反応でおおいに結構。
前日にもなれば、いよいよ明日は誕生日。明日、目覚めたら誕生日だとほくそ笑んで眠る。
誕生日の朝は一年でいちばんごきげんかもしれない。我が家は誕生日プレゼント交換などしないので、プレゼントを楽しみにしているわけではない。
それでも、この日は世界が自分のためにあるかのように思える日だ。ほんとは、電車の中でも、お店でも「今日は私の誕生日なの」と言いまくりたいくらい。
3月7日。いつの日か、この数字の響きがとても好きになっていた。真夜中を過ぎ、日付が3月8日になってしまった時、なんとなく寂しい気持ちになる。そして、遠い遠い、次の3月7日を思った。また、来年会おうね。
年を取りたくないけれど、ひとりで盛り上がれる誕生日、実は大好きな日なのだ。
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