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高野山慈尊院 「乳房型絵馬」
通訳ガイドのぶんちょうです。今日の絵馬は「おっぱいの絵馬」です。これは和歌山県の高野山のふもとに位置する九度山にある慈尊院にあります。
高野山一帯には100以上の寺院があり、九度山の慈尊院も含めて世界遺産に登録されている地域です。
出典標高約900mの山上盆地に広がる高野山は、1200年前に弘法大師・空海が開山した真言密教の聖地です。
空海さんは唐に渡り帰国後、日本に真言密教を広めるため高野山を開山しました。その空海さんのお母さんにまつわるお寺が、この乳房型絵馬のある慈尊院です。
834年に讃岐国(香川県)から高野山を訪れた弘法大師の母公が、女人禁制のため入山を許されず、翌年にこの地で亡くなったことから、弘法大師は母公のために弥勒堂を造られ弥勒菩薩座像(国宝)を安置しました。それ以来、慈尊院は「女人高野」とも呼ばれ親しまれてきました。
高野山のふもとの慈尊院で暮らすお母さんに会うために空海さんは毎月9度(9回)山を下りたそうです。そこから九度山という名がつきました。
九度山から高野山までは山のなかを歩いて7,8時間かかります。そこを毎月9回も往復したのですから驚きますね。
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ここから高野山まで今はハイキングコースになっています。徒歩で高野山を目指す人は、この九度山の慈尊院が出発点になります。そこから高野山までは22kmほどありますが「町石道」と呼ばれ一町(109メートル)ごとに道しるべの石が180基立っています。
今ではケーブルカーが通っていますが、昔の人はこの町石をたどって山の中を歩いて高野山にお詣りしたのですね。
さて、おっぱい型の絵馬の話に戻ります。これは子宝、安産、育児、乳がん治癒祈願などの御利益があるそうです。女性の祈りがたくさん詰まった絵馬です。
絵馬シリーズで、下駄絵馬の記事と蛎殻絵馬の写真はこちらです。