第3回:デマレージ回収!ゴネてコンテナを引き取らない事案(船社・FWD用)
こんにちは!ラクです。
今回も、前回に引き続きデマレージ(保管超過料金)の問題についてです。
デマレージって… タチが悪いんですよね。
コンテナをターミナルから引き取らないと、日に日に費用が増えていくだけなので…💦
今回は、「支払能力の高い顧客への対応」についてお話ししたいと思います🍀
はじめに…
今回のブログの続きです。
前回のブログをご覧になっていない方は、まず以下からご覧ください。
前回のブログでご紹介した、以下の図を使ってご説明します。
今回もまた、以下の本の内容を参照します。
友好回収ゾーン
このゾーンに入る顧客は、以下のとおりです。
このゾーンについては、期限管理が大切です。
基本的に、未払いについては心配しなくていいでしょう🙆♂️
ぜひ、過去の履歴なども確かめてみてください。
最終的にはちゃんとコンテナを引き取ってくれてデマレージを払ってくれているのなら、逆にあまり強く言いすぎなくて良いと思います✨
これまでもDemurrageをちゃんと払って引き取ってくれているのであれば、優良な顧客です🌞
逆に言うと、こちらから期限管理を厳しくすぎると、営業的な関係にヒビが入るかも知れません💦
よほど「コンテナ不足」みたいな状況でない限りは、以下のような対応で良いのでは無いでしょうか?
過去の輸入コンテナ引き取りのタイミングを確認する(例えばDischargeから平均14日以内など)
与信契約(クレジット)がある顧客で、かつ期限内に払わないのであれば、期日確認の連絡だけは、きちんとメールでするようにする。
もしさらに支払われていないようであれば、電話や訪問などをする。
作戦回収ゾーン
ここに入る顧客は、ちょっとトリッキー(?)かもしれません🙅
なぜなら以下のことが言えるからです。
要は、「払えるけど払わない」ってことなんですよね😨
「デマレージを払ってコンテナを引き取れるけど引き取れない」
とも言えるかもしれません。
「船社が悪い」「フォワーダーが悪い」…
そんな風に考えているケースがあります。
例えば以下のとおりです。
例えばリーファーの故障やドライコンテナの穴あきなど、明らかに損害がある状態であることをConsigneeも分かっている。
Arrival Noticeが船社からタイムリーに届かなかったので、コンテナを取りに行くタイミングを逃した。
引き取り日を船社(あるいはフォワーダー)に連絡したにもかかわらず、デマレージの請求書が届かないから払えず、取りに行く機会を逃した。
まぁ船社やフォワーダーにとっては、何とも耳の痛い話すですよね(笑)
「だからといって、払わないことが認められるわけでは無い」
…という正論が聞こえてきそうですが…😅
それは確かにそうです。
ただ、「こちらのミスで払ってくれないことが明らか」である場合は、素直に謝罪して、一部減額なども積極的に考えてみましょう。
デマレージが膨らむと、問題も膨らみます。
問題が肥大化する前に、「まず引き取ってもらう」ことが何より先決です。
ただ、以下の2点は少し注意が必要です。
せっかくなのでご説明しますね。
①「損害があるから引き取らない」ケースについて
これはハッキリ言います。
コンテナの中身に損害があったとしても、ターミナルから引き取るのが荷主の責任です。
そのように、約款でも書いてあるはずです。
(念のため、自社の約款は必ず確認してくださいね)
ちょっと前に書いた以下のブログでも書いてあります。
2018年の東京地裁の裁判例でも、以下のような判決が出ています。
船社やフォワーダーにとっては、心強い判決ですね。
しかし…それでも「船社側が悪いんだろ!勝手すぎるだろ!」という荷主側の圧力があるケースもありますよね…
ここでは細かくは触れませんが、「所有権放棄」を荷主側がすれば、船社の方で処分をするということも、できなくはないです。
ただし、「ヤードからの受け取りを拒否すれば、船社への損害賠償請求権の放棄になる」といったことも約款に盛り込まれていたりします。
まぁこの辺りは、またの機会に…
②Arrival Noticeが届かなかったから、到着が分からなかった
これ、よく誤解されがちなのですが…
Arrival Notice (A/N)って、「船社が勝手に」やっていることなんです(笑)
サービスですらありません💦
船社側のスタンスとしては、「コンテナの追い出し」です。
要は「さっさと引き取ってくれ」ということを伝えているだけなんです⏰
以下はONEの約款の引用です📖
これを訳すと、以下のようになります📚
なぜかArrival Noticeが通関必要書類のひとつになっていたり(これはWaybillなどでも普通に代用可)、慣習的にFAXで受け取っていたりするので、荷主側もなかなか認識を改める機会がありません。
なので、まぁ一回くらいは「届かなかったんですね。じゃあ今回だけ一部減額するので…」と、折れるのも手です🙇♂️
これは、不要な対立を避けるためです。
「Arrival Noticeは、船社やフォワーダーとして、当然の義務として送るべきもの」という理解が浸透している一部関係者がいるのも事実です。
この価値観を、一朝一夕に変えるのは難しいです💦
ただ、船社やフォワーダーとしてA/N未達により、Demurrage免除・減額に応じる場合でも、「じゃあ、いつ引き取っていただけますか?」ということは、必ず聞くようにしましょう👂
また、こちらが折れたうえで、「ちなみにA/Nとは…」ということをご説明したうえで、今後はウェブサイトなどで到着情報をご確認いただいたほうがいいかも知れませんね🌈
長くなってしまいましたので、今回はこの辺りで💦
次回は、以下表の下部にある「リスク予測ゾーン」について、お話しします!
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