富下 李央菜 新進気鋭の女子カートレーサーに会う

2024年2月19日。私は千葉県柏市にある「手賀カフェ」にいた。その名が示す通り目の前に千葉県有数の行楽地手賀沼を控えるこのカフェは、近くには温泉併設の道の駅「道の駅しょうなん」(神奈川県の湘南ではない、念のため)があるなど、地元住民のみならずツーリング途上でコーヒー休憩のために立ち寄る客も多い一軒家風のカフェである。
その私の隣に座っているのは、白のパーカーを着て金髪のポニーテールをした女の子である。かわいらしく快活な見た目をした彼女は、おいしそうにパンケーキを食べていた。しかし彼女は17歳にして既にいくつもの大会で好成績を収めているカーレーサーであった。そして今日、私はこのブログ初のインタビュー記事を書くために彼女に会ったのである。

富下 李央菜(とみした りおな)さん。2006年6月5日生まれで、千葉県在住の17歳である。今年の4月から高校3年生になる。
彼女がレース活動を始めたのは2017年。小学5年生の時、父にコースに連れていってもらったのがきっかけであった。当時李央菜さんの弟はすでにカートを始めていたが、李央菜さんもこれに触発されるようにコースに出た。
しかし小学校入学以前から活動を始める選手もいるこの世界において、李央菜さんは後発であった。その分、レースに向ける情熱と努力は並外れたものであった。学校終わりにレオンサーキット(茨城県つくば市)に連れて行ってもらっては、毎日のように練習に打ち込んでいたという。雪が降った日でも構わず練習を続行したというのだから、李央菜さんが本当にカートが好きになったのだろうと推測するのは難しいものではない。

その努力が実り、李央菜さんがレースを始めた翌年にあたる2018年5月13日の大会では、早くも初優勝を果たした。李央菜さんのホームページ(https://riona-tomishita.jp/)をざっと見た印象では、2021年頃からいよいよ好成績を安定して連発している。しかしそうなったとしても、生活をレースのためにかける姿勢は変わらない。例えば私が取材するついちょっと前まではジムでトレーニングをこなしてたというし、また2022年には普通自動二輪免許を取得したが、これは四輪レースにおけるマニュアル操作のフィーリングを掴むために、バイクの操作で慣らしておこうという理由からであった。(ちなみに彼女はレブルのオーナーである。もっともやはり車の方が好きみたいで、今後自動車免許を取ってからは真っ先に車に乗り換えたいと語ってくれたが笑)

そんな李央菜さん、今年の目標はKYOJO(VITAという車種を用いて行われる、女性選手限定のレース)で好成績を取ること。女性レーサーの増加とともに李央菜さんのライバルもまた増えつつあるが、これまでの驚異的な伸びを見せる活躍を考えると、目標達成も夢ではないであろう。
最後に今回の取材で手賀カフェに向かう際に李央菜さんに運転してもらったスズキVストロームにまたがりながら見せてくれた最高の笑顔を1枚。


取材の運びがお世辞にも順調とは言えない中、今回の取材にご協力いただいた李央菜さんとお母さまにも、この場を借りて感謝の言葉を申し上げたい。どうもありがとうございました。
そしてまた、今度はサーキットで会えたらいいなと思う筆者であった。


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