【ボカロ曲を作ろう】作詞の仕方【なまけもん流】

どーも。なまけもんPでございます。

TVで特集されたり、プロジェクトセカイ(プロセカ)というゲームの効果か、VOCALOIDで曲を作ることに興味を持つ方が増えてきた気がします。

実際、KAITO_V3の売上が最近になって急激に伸び始めたり、自分のフォロワーさんで「ボカロPになりたい!」と言う方が現れ始めて、とても嬉しく思っております今日このごろ。

しかし、「作詞作曲難しくない!?」と悩んでいる方もいらっしゃるようです。わかる。めっちゃ難しい。

特にボカロ曲となると、VOCALOIDに歌ってもらうわけですから、作詞は避けて通れません。いや別に全編「ららら~♪」とか「るるる~♪」とかでもいいとは思うんですが、今回は例外として除外させていただきます。ボカロは自分で作った歌詞を歌ってもらうのが醍醐味でもありますしね。

というわけで、今回はまず『作詞』に絞って我流のやり方を書いていこうと思います。少しでもこれを読んでくれた誰かの助けになれば幸いです。でも分からなかったら遠慮なく他の方のサイトやブログも探してみて下さい。今は検索すればいくらでも出てきますからね。

はじめに

「ボカロ曲作ってボカロPになりたい! でも作詞わからん!」

という作詞も作曲も初めてで右も左もわからない方。

まず「いい曲を作ろう」と思うのをやめましょう。

いや、「やめましょう」はちょっと言い方が強すぎた。すみません。

ただ、いきなり「いい曲を作ろう」と思わず、少し肩の力を抜きましょう、という話です。

初めてでいきなり良曲を作るのはちょっと難易度が高すぎます。

「こんなのじゃダメだ……もっといい曲が作れるはず……」

と力みすぎていつまでも曲が1個もできない……という事態を防ぐのを第一に考えましょう。

最初のうちは、練習や遊びとして楽しく考えたほうがなんだかんだ数をこなせるものです。

作詞は言葉遊び。作文や小説と同じです。少なくとも私はそんな感覚で書いています。

(σωσ)<「いい曲を作ろう」と力まず、遊び感覚で詞を作ろう
(σωσ)<30秒や1分の曲でいいので、まずは数をこなして慣れていこう

1、作詞、自由度高すぎて何書いたらいいか分からない問題

作詞、基本的には何書いてもいいんですが、

「なんでもって言われると逆に何書いたらいいか分からん」

わかる。

学校の作文でも、「テーマ:自由」って言われたら何したらいいかわからないですもんね。

まずは、自分でテーマを決める必要があります。

「テーマ:自由」なので本当に何でもありです。

日記みたいに今日あった出来事を題材にしてみたり、「学校や職場でこんな嫌なことがあった!」って愚痴でもいいし、推しの好きなところを列挙して推しを崇める歌を作ってもいい。自由とはそういうことだ。
社会派なボカロPさんで、社会問題やその日のニュースを題材にして、無限に曲を作っちゃう方もいらっしゃいます。

そんな感じで、テーマを決めて「自由」から少し視点を狭めていくわけです。

それだけでも少しだけ書きやすくなるんじゃないかな。

(σωσ)<まずは詞のテーマを決めよう

2、作詞、一文書いたらそこから手が動かない問題

「テーマ決めて、いざ書くぞ! ……と一文書いたら、そこからどうしたらいいか分からなくなった」

うーん、あるある。

もしかしたら、本当に「最初の一文」、Aメロの最初から書いてる方かもしれませんね。

作詞は最終的に形になればいいので、どこから書いても大丈夫です。

一番言いたいことが出てくるサビから書くのが一番簡単かもしれないし、終わり方だけ頭に浮かんでるならそこから書いてもいい。

作詞メモが穴だらけでも、徐々に埋めていけば大丈夫ですよ。

そして、『はじめに』で書いたように、作詞を言葉遊びや練習のつもりでダラダラ書き連ねてみて下さい。

「おなかすいた」とか「作詞ってこんなにめんどくさいんだ……」とか思ったことを素直に書く練習から始めてみて下さい。Twitterに一言ツイートするくらいの気楽さでいいんです。

文章を書くのに慣れてきたら、先程の章でテーマを決めて、そのテーマに沿ってまた文章をつらつらと書いてみましょう。

長文になっても大丈夫。あとで綺麗に整形すりゃいいんですそんなもん。

(σωσ)<詞はどこから書いても大丈夫!
(σωσ)<まずは思ったことを何でも書いてみよう!

3、実例を見ながら作詞の過程を追っていく

例として、私の作った歌詞を上げてみましょうかね。

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『動物の学園』(リンクをクリックすると曲が聞けるPiaproページに飛びます)

教室はまるで動物園
ケモノの起こす騒音雑音
授業も聞かず紙飛行機飛ばす
ええ加減にせえよ
きらいきらいみんなきらい
学校なんか休みたい
きらいきらいみんなきらい
休むと母さんうるさいの
ここはまるで動物の学園
ケモノに校則(ルール)は理解できない
授業も聞かずに早弁食ってる
ええ加減にせえよ
きらいきらいみんなきらい
神様なんか許さない
きらいきらいみんなきらい
こんな世界滅びればいい
ここはたしか高校のはず
幼児並みの知性すらない
ケモノだから仕方ないのか
お可哀想に
きらいきらいみんなきらい
だから私は孤立する
きらいきらいみんなきらい
馬鹿になれば楽だったの?
きらいきらいみんなきらい
歩み寄るつもりなんかない
きらいきらいみんなきらい
きらいきらいきらいきらい
あーーーーーーーー!!!

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自分の学生時代を思い出してむしゃくしゃしたので作った、後悔も反省もしていない。

というわけで、テーマは『大嫌いだった学校』。

「えっ、そんなの歌にしちゃっていいの……!?」

と思った方、ご安心下さい。あなたもこんなことを真似する必要は一切ありません。

あくまで「練習」ならば誰に見せるでもないので何を書いても大丈夫だし、曲にする必要もない。もちろん作曲の練習のために曲にしてもいいし、作った曲をわざわざ投稿する必要もありません。私はフィクションということにしています。

文章の世界ではあなたが王様です。空想のおもむくまま、自由に書き散らして下さい。とりあえず詞を作った後、これを曲にするかどうか公開するかどうか考えればいいのです。

さて、『動物の学園』に戻りましょう。

まず私は、大嫌いだった学校は騒がしくてまるで動物園のようだった、と思いました。生徒がギャーギャーうるせーし授業中に紙飛行機飛ばしたり早弁してたり、とにかくストレス指数がすごい。こんな学校嫌い、休みたい。でも休むと母親がうるさくてうんざり……。そんな感じのことをスマホのメモ帳に書きなぐりました。

そこから連想していって「ケモノ」という言葉や「ええ加減にせえよ」とか、「馬鹿になれば楽だったのかな」とか言葉を付け足して肉付けしていきました(ちなみに「馬鹿になれば~」は「馬・鹿」と動物で言葉遊びしてみたのですが、誰も気づかなかったようですね! フフーン!)

あと、作詞するときはなるべくリズムに乗せるといいです。心のなかで歌ってもいいですが、慣れないうちは鼻歌でいいので歌ってみるといいでしょう。歌えるように文章を整理して文字数を増やしたり削ったりすると上記の歌詞になります。

Piaproページで曲を聞いていただけるとわかりますが、「きらいきらいみんなきら~い♪」と覚えやすい・歌いやすいメロディにするとGOODです。

(σωσ)<練習なら何でも歌にしちゃってOK!
(σωσ)<曲や歌詞を公開するときは公序良俗の範囲内で!
(σωσ)<作詞するときはノリノリで歌っちゃおう!
(σωσ)<覚えやすい・歌いやすいメロディを探そう!

4、歌詞を作る上での注意点

文字数は増やすより削ったほうが圧倒的に楽なので、文量は多ければ多いほどいいと思います。

それと、詞を完成させてから曲を作る時に「やっぱりここ合わないな……」と思ったら躊躇なく詞を変えてしまっていいです。完成した詞が絶対というわけではなく、あくまで曲という形にすることを考えると良いでしょう。

歌詞が作文や小説と違う点は、「歌詞は長文には向いていない」ということでしょうか。中には長文を超高速で歌わせるボカロならではの曲や、長文を吟じるように歌う曲も一部にはあるのですが、基本的には1ブロック(Aメロ・Bメロ・サビなど)につき4行程度の短文でいいと思います。

音楽はだいたい4の倍数で出来ています。4/4拍子とかコード進行はだいたい4or8小節で出来ているとかそんな感じです。4拍子の場合、1小節に4分音符が4個、8分音符なら8個入るので歌詞の文字数もそのくらいの数で考えるとまず間違いはないでしょう。1小節3文字でも4分休符を1個入れればOKなのでそのへんはアバウトで大丈夫です。

(σωσ)<文量多めに書いて削ったほうがラク!
(σωσ)<詞が曲に合わなかったら容赦なく詞を変えてOK!
(σωσ)<歌詞はなるべく短文で!
(σωσ)<「4の倍数」を意識しつつアバウトでOK!

5、歌詞を考えるヒント

「テーマを決めたり、文章を書き連ねてみたりしたけど、いまいち上手くまとまらない……」

あるいは

「やっぱりどうしても歌詞が降りてこない……」

うんうん、そういうときもあるよね。

どうしても歌詞が作れないときの私の対処法を記しておきます。

参考になれば幸いです。

・一旦リラックスする

まず肩の力を抜きましょう。そして一旦歌詞作りから離れて、ご飯食べたりお風呂入ったりしましょう。

湯船に浸かってリラックスしていると、案外いいアイデアが浮かんできたりします。脱衣所にメモ帳を置いておきましょう。

お風呂と同じくらい、ベッドでゴロゴロして寝る寸前くらいのときにも不意に歌詞が降りてきたりします。枕元にメモ帳を置いておきましょう。

個人的にはスマホのメモ帳がオススメです。「急いで走り書きしたら字が汚くて読めない」とかもないですし、文章を整形する時に改行やコピペが楽です。

・連想ゲームする

「歌詞が降りてくるのを悠長に待ってる場合じゃない! うちのサボテンが危篤なんです!」

って方は連想ゲームで歌詞をひねり出してみるのも手かも。

まず紙と筆記用具を用意します。

紙のど真ん中に「テーマにするもの」を書きます。

例えば、『魔法少女』とでっかく書きます。

ボカロ曲なので、歌ってもらうボカロも一緒に書いてみましょうか。

『魔法少女』の横に、『初音ミク』と書いてみました。

初音ミクが魔法少女になったら、ステッキはネギかな?

近くに『ネギのステッキ』と書きます。

ネギのステッキ、実は斬撃が出来る切れ味鋭いネギだったら面白いかも!

『切れ味抜群』と書きます。

……それ、ステッキではなくソードでは?

『ネギソード』と書きます。

ネギはそろそろいいかな……と思ったら、別の視点から考え始めます。

初音ミクが魔法少女として戦うとしたら、どんな技を使う?

魔法少女・初音ミクの前に立ちはだかる敵とは?

魔法少女アニメの定番としては、魔法少女をサポートする妖精とか魔法少女をピンチから救ってくれる謎のイケメンは外せないよね!

などなど、妄想の限りを書きつくします。

全部を歌詞にする必要はないので、とにかく頭の中の思考を全部棚から下ろす気持ちで書いてみて下さい。

で、これらをメモ帳にまとめて歌詞として整形するとこうなります。

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『魔法☆歌姫☆初音ミク』(リンクをクリックすると曲が聞けるPiaproページに飛びます)

ある日突然ひょんなことから
魔法歌姫(マジカルディーヴァ)に大変身
愛を失ったラヴレスたちを
歌の魔法で大☆虐☆殺
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
滅びの歌で敵を殲滅
切れ味バツグン☆ネギのステッキ
ステッキというかソードなのでは?
魔法歌姫(マジカルディーヴァ)は大忙し
人が次々ラヴレスにされて
毎週のように事件起きるの
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
声量で敵の鼓膜を破れ
頼れる相棒☆謎の妖精
組織がバックについてるらしい……?
ラヴレスを生む悪の元凶は
まさかの私のお兄ちゃん!?
魔法歌姫(マジカルディーヴァ)を助けてくれる
謎のイケメンの正体は?
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
相手が兄でも容赦はしない
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
決めろ必殺☆反則タックル
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
ラヴレスを滅ぼすその時まで
マジカル☆ミラクル☆キルゼムオール
魔法歌姫(マジカルディーヴァ)よ永遠に

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(σωσ)<お前はネタ曲しか書けんのか?

まあ、それはともかく。

こうして歌の構想を考えると、同時に曲のイメージも固まってくるのでオススメです。

コンテストに応募するとか、学園祭でのライブに出すオリジナル曲を急いで考えなきゃいけない時にでも試してみて下さい。

連想ゲームでも浮かばないときは一旦休憩してね。あまり根を詰めないように。

(σωσ)<歌詞が思いつかないときは一旦お風呂に入ったりゴロゴロしよう!
(σωσ)<時間がないときは紙とペンで連想ゲームをしてみよう!

おわりに

以上、私の思う作詞の仕方でした。

慣れてくると、詞を書くと同時に頭の中でメロディやドラムなどが流れてくるようになるので、作曲もスムーズになってくるのですが、そこに至るまでがなかなか大変だったりします。私もボカロPデビューして2~3年経ってやっと、という感じです。

でも、自分の作った歌詞を自分の好きなボカロに歌ってもらえるのは嬉しいし楽しいものです。VOCALOIDって、推しが自分のためだけになんでも歌ってくれるんですよ。これってすごいことじゃないですか?

ボカロPを目指す皆様に同じ気持ちを味わってほしい。そのためにこの記事を書きました。参考になれば嬉しいです。

「おわりに」と書きましたが、最後に参考になりそうな書籍と動画を紹介します。

参考書籍・参考動画・参考リンク

このnoteで何回か書いてるしTwitterでも何回も言ってるんですけど、

「作詞は出来るようになったけど、肝心の作曲が出来ないよ~!」

という方にオススメの作曲本が、『作りながら覚える3日で作曲入門』(リンク先はヨドバシ・ドット・コム)。

筆者さんがボカロPのうえに教員免許を持っていらっしゃることもあって、とにかく教え方がうまい。私がこの本と作曲講座の動画をちょっと見ただけで初めての曲を完成させられたレベルですごい本。読んで。

「いきなり中身の分からん本を買うのはちょっと……」という方は筆者さんのブログを見てから考えてもいいです。ブログの内容だけでもかなり価値があると思うんですけど、本はもっとすごい。読んで。もしかしたら図書館に本があるかもしれないから見つけたら読んでほしい。

この本や講座動画を見て曲を作った過程はこの記事。

あと、今まで紹介した作詞の方法は詞先(「しせん」・「しさき」と読みます)と言って、歌詞を先に考えてあとから曲をつける方法でした。

私がこの方法を好んで使うからなんですけど、初心者には難しいらしい……。

曲先(「きょくせん」・「きょくさき」と読みます)でのやり方は私は全くやらないので紹介できないんですが、とても参考になった動画を紹介しますね。

Vtuber2人が提供された曲に合わせた歌詞を考える配信のアーカイブなんですが、「あ~曲先ってこんな感じなんだ~」と感心した次第です。こういう作曲の現場ってなかなか見られないから実感としてよくわからないとこあるんですよね。

かなり参考になったので、Vtuberに抵抗がなければ是非見てほしい。

(σωσ)<以上です。ありがとうございました。

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