スマホは既に生活インフラ Vol.3 格安キャリア・格安SIM・格安スマホ 何が違うの?
「あなたのキャリアはどこですか?」と聞かれて「はて?キャリアってなんのこと?」初めはこんな事も分からなかった。大体さぁ、通信業界はカタカナ言葉が多すぎるんだ。
キャリアとは、携帯サービスを提供しているブランドのこと。「私のキャリアはドコモ(その他自分の使っている携帯会社)です」が最初の質問の答えに該当する。
キャリアは大きく2つに分かれる。MNOとMVNOと言われるもの。
MNO(Mobile Network Operator)移動体通信事業者
これが大手と言われるブランド、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天・UQ・ワイモバイル。
自社でモバイル用の回線網を自前の基地局を介してユーザーのスマホに届ける、通信サービスを提供している会社。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)仮想移動通信事業者
これが格安キャリアと呼ばれるもの。現在1000社以上存在する。
自社で回線を持たず(自前の基地局も当然ない)、MNOから回線網を借りて通信サービスを提供する会社。
格安キャリアの通信料金が安い理由はここにある。
自分で基地局などを設置したり管理したりする必要はないため、設備投資費を節約できる。さらに実店舗を構えているところが少ないため、店舗の維持管理費も節約できる。で、結果的にユーザーの利用料金を大手携帯キャリアよりも安く設定できる。
ここで私を混乱させるポイントがUQやワイモバイルや楽天モバイル。これ、コマーシャルなどで「格安SIM」「格安スマホ」として宣伝されている。
ちょとぉ、「格安キャリア」「格安SIM」「格安スマホ」何が違うんよ?
UQはKDDI、ワイモバイルはソフトバンク、楽天モバイルは楽天回線を持っている、こう考えるとMNO(大手)に属することになる。
最近よく聞く、ドコモのアハモ、auのpovo(ポヴォ)、ソフトバンクのラインモ、これは一体何になるんだ?これだって母体が大手だからMNOってことになる。
「格安SIM」は何なのよ?
広い意味での「格安SIM」は、MVNO(格安キャリア)が提供する、大手携帯キャリアよりも割安な通信サービスを指す言葉だそうだ。(SIMについては次回記事にします)
UQ、ワイモバイル、楽天モバイル とか アハモ、ポヴォ、ラインモが「格安SIM」と宣伝しているのは、自社モバイル回線網の有無で区別するMNOかMVNOかという区別ではなく、ドコモ、au、ソフトバンクなどの所謂大手の料金体系より安いですよという意味だと理解した。
「格安スマホ」は何なのよ?
「格安スマホ」とは、格安SIMとSIMフリースマホを組み合わせた商品のことを指すそうだ。必ずしもスマホ本体が安いという意味ではないらしい。
本来の格安SIMは、好きなSIMフリースマホ(通信規格が適合していることが必要)や大手携帯キャリアの中古スマホと組み合わせて使うことを想定していたみたい。
SIMフリースマホと購入した格安SIMが適合するかどうかは自分で確認する必要がある。これが面倒だという人のためにMVNOが「弊社の格安SIMはこの端末だったら適合しますよ」と言って販売しているスマホの事を「格安スマホ」と呼んでいることもある。
いやはや、通信業界はホンマ分からん。ややこしすぎる。この状態を表しているものがユーザー数だと思う。
ユーザー全体の約90%はMNO(大手)キャリアを使っている。大手の平均市場価格は月8,000円~11,000円。
一方、MVNO(格安キャリア)ユーザー数は10%前後。平均市場価格は月3,500円前後。
MVNO(格安キャリア)の始まりは2014年、既に7年が経過しているというのにユーザー数が10%前後にしかなっていない。
誰もが通信費を安くしたいと思っているはず。なのにMVNO(格安キャリア)のシェアが広がらないのは、ややこしすぎて分からない。分からないから直接聞きたいのに店舗がない、分からないことを電話で問い合わせるなんてムリ、ネット上でチャットで問い合わせるなんて更にムリ!!
約90%の大手キャリアユーザーは、好きで高い通信費を払っている訳ではない。分からない時にお店に行って直接人間に聞くことができる、だってスマホって既に生活インフラのようなものだから、インフラは普通に使えて当たり前、そんな安心感の確保ためにお金を払っているようなもの。
私もその一人だ。
それなのに、現在大手キャリアも実店舗数をどんどん減らしていっている。電話問い合わせだって、オペレーターと話したくても、音声ガイダンスだけで蹴られることが増えてきた。オペレーターと繋がるのって至難の業・・・
高いお金を払っても安心感ももう得られないかもしれない。
だから、ちゃんと理解して、MVNO(格安キャリア)を使う方が得策かもしれない、そんな時代がもうそこに来ている感じがする。